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王妃様に弟子入り(婚約旅行編)
3 太郎と次郎
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ジョシュとお茶会をした後、着替えて王宮の離れに魔方陣で飛ぶ。
フィオネさんは留守番だけど、専属の護衛兵士や従者は必ず俺の後に付いてくる。最初のうちは慣れなかったけど、今では少しだけ平気になった。
離れは王宮から少し離れた場所に浮いている島で、王宮の21階にある魔方陣でしかたどり着けない場所だ。自然や山や水辺のある浮島には飛竜がたくさん暮らしている。
そこで王室御用達の飛竜とそのトレーナー達がズラリと並んで待っていた。
「ミサキ様、お待ちしておりました」
飛竜のトレーナーは独特の赤い衣装を着ている。飛行部隊の青いマントもいいけど、トレーナー達の赤い衣装も格好いい。赤は飛竜の目の色と同じだ。作業着に近い衣装には金色の刺繍が施されている。
『いつもお世話になってます』
そう言うと、トレーナーの中でも最も地位の高いマスターと呼ばれている男性が頭を下げた。かわりに隣にいる女性がにっこり微笑む。
「ミサキ様、私共に敬語はお止めくださいませ。王太子妃様の飛竜をお世話する事が出来てとても光栄に思っておりますのよ」
女性はマスターの娘さんで、俺の飛竜を二頭育ててくれている。
『太郎と次郎は元気ですか?』
「もちろんです。こちらへどうぞ」
太郎と次郎は去年卵から孵ったばかりの飛竜の子供だ。王宮で暮らしはじめてから、ルーシェンがプレゼントしてくれた。何故二頭かというと、子供では人間を長時間乗せられないからという理由と、王族の飛竜はいざという時の為に一人につき必ず複数用意されているらしい。
『太郎!次郎!』
飼育小屋と呼ぶには豪華すぎる建物に入って呼ぶと、じゃれ合っていた二頭が俺を認識した。バサバサと翼を広げてこちらに飛ぶように駆けて来る。可愛い。大きさは大型犬くらいだ。この間見たときはもっと小さかったのに。飛竜は竜の中では比較的成長スピードが速いらしい。
「元気だったか?」
二頭はグルルグルルと鳴くと、頭を擦り寄せてきた。ひんやりした皮膚にはまだそれほど固くない虹色の鱗が生えている。卵から孵ってしばらくの間俺が餌をやっていたから、餌をくれるいい人間だと認識されているし、こうして触らせてもらえる。
『可愛いなぁ』
「ミサキ様、今日は前回に続いて飛竜とのコミュニケーションについてお教えいたしますね」
『よろしくお願いします』
早く飛行方法を教わりたいけど、太郎も次郎もまだ小さいし、なかなかそうもいかないみたいだ。乗れるのは早くて一年後くらいからで、新婚旅行にはルーシェンの飛竜や他の飛竜に交代で乗せてもらう予定だ。
従者達が見守る中、太郎と次郎の鱗を専用のクリームで磨いたり、餌をあげたり、飛竜の生態について講義を受けたりしているうちに、浮島が騒がしくなった。
「ミサキ様、王子がいらっしゃいました」
護衛兵士に言われて空を見上げると、白い飛竜と二頭の茶色い飛竜が近づいてくるのが見えた。
『視察は終わったんでしょうか』
「ミサキ様にお会いするために立ち寄られたのでしょう」
兵士もトレーナー達もニヤニヤしている。そんなことはっきり言われると恥ずかしいんだが、とにかく俺の護衛兵や従者はすぐに、愛されてますね、だの仲むつまじいですね、なんて事を言ってくる。
『何か他に用があるのかも』
従者達が冷やかすから、人前ではあまりイチャイチャした態度が取れないんだけど、恥ずかしいなんて感情はルーシェンにはないらしい。
浮島の屋敷前に降り立った飛竜から飛び下りると、爽やかな笑顔でこちらに歩いて来た。相変わらずキラキラした金色のオーラだ。まぶしいし、いつ見ても胸がときめく。
『ルーシェン、視察は終わったんですか?』
「シュウヘイが浮島にいると聞いて、時間を作った」
「ミサキ様、仕事を持ってきましたから気にせず飛竜に集中してくださいね」
「アーク、それはどういう意味だ」
「王子、ミサキ様の邪魔しちゃいけませんよ」
「王子の俺が邪魔か」
アークさんとルーシェンのじゃれ合いを眺めて笑い、ルーシェンがずっと俺を好きでいてくれる事に感謝した。
フィオネさんは留守番だけど、専属の護衛兵士や従者は必ず俺の後に付いてくる。最初のうちは慣れなかったけど、今では少しだけ平気になった。
離れは王宮から少し離れた場所に浮いている島で、王宮の21階にある魔方陣でしかたどり着けない場所だ。自然や山や水辺のある浮島には飛竜がたくさん暮らしている。
そこで王室御用達の飛竜とそのトレーナー達がズラリと並んで待っていた。
「ミサキ様、お待ちしておりました」
飛竜のトレーナーは独特の赤い衣装を着ている。飛行部隊の青いマントもいいけど、トレーナー達の赤い衣装も格好いい。赤は飛竜の目の色と同じだ。作業着に近い衣装には金色の刺繍が施されている。
『いつもお世話になってます』
そう言うと、トレーナーの中でも最も地位の高いマスターと呼ばれている男性が頭を下げた。かわりに隣にいる女性がにっこり微笑む。
「ミサキ様、私共に敬語はお止めくださいませ。王太子妃様の飛竜をお世話する事が出来てとても光栄に思っておりますのよ」
女性はマスターの娘さんで、俺の飛竜を二頭育ててくれている。
『太郎と次郎は元気ですか?』
「もちろんです。こちらへどうぞ」
太郎と次郎は去年卵から孵ったばかりの飛竜の子供だ。王宮で暮らしはじめてから、ルーシェンがプレゼントしてくれた。何故二頭かというと、子供では人間を長時間乗せられないからという理由と、王族の飛竜はいざという時の為に一人につき必ず複数用意されているらしい。
『太郎!次郎!』
飼育小屋と呼ぶには豪華すぎる建物に入って呼ぶと、じゃれ合っていた二頭が俺を認識した。バサバサと翼を広げてこちらに飛ぶように駆けて来る。可愛い。大きさは大型犬くらいだ。この間見たときはもっと小さかったのに。飛竜は竜の中では比較的成長スピードが速いらしい。
「元気だったか?」
二頭はグルルグルルと鳴くと、頭を擦り寄せてきた。ひんやりした皮膚にはまだそれほど固くない虹色の鱗が生えている。卵から孵ってしばらくの間俺が餌をやっていたから、餌をくれるいい人間だと認識されているし、こうして触らせてもらえる。
『可愛いなぁ』
「ミサキ様、今日は前回に続いて飛竜とのコミュニケーションについてお教えいたしますね」
『よろしくお願いします』
早く飛行方法を教わりたいけど、太郎も次郎もまだ小さいし、なかなかそうもいかないみたいだ。乗れるのは早くて一年後くらいからで、新婚旅行にはルーシェンの飛竜や他の飛竜に交代で乗せてもらう予定だ。
従者達が見守る中、太郎と次郎の鱗を専用のクリームで磨いたり、餌をあげたり、飛竜の生態について講義を受けたりしているうちに、浮島が騒がしくなった。
「ミサキ様、王子がいらっしゃいました」
護衛兵士に言われて空を見上げると、白い飛竜と二頭の茶色い飛竜が近づいてくるのが見えた。
『視察は終わったんでしょうか』
「ミサキ様にお会いするために立ち寄られたのでしょう」
兵士もトレーナー達もニヤニヤしている。そんなことはっきり言われると恥ずかしいんだが、とにかく俺の護衛兵や従者はすぐに、愛されてますね、だの仲むつまじいですね、なんて事を言ってくる。
『何か他に用があるのかも』
従者達が冷やかすから、人前ではあまりイチャイチャした態度が取れないんだけど、恥ずかしいなんて感情はルーシェンにはないらしい。
浮島の屋敷前に降り立った飛竜から飛び下りると、爽やかな笑顔でこちらに歩いて来た。相変わらずキラキラした金色のオーラだ。まぶしいし、いつ見ても胸がときめく。
『ルーシェン、視察は終わったんですか?』
「シュウヘイが浮島にいると聞いて、時間を作った」
「ミサキ様、仕事を持ってきましたから気にせず飛竜に集中してくださいね」
「アーク、それはどういう意味だ」
「王子、ミサキ様の邪魔しちゃいけませんよ」
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