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ep.1目覚め
12 何もしない?
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先に寝ろって言われたけど眠れなくて、お風呂掃除をするアルバートの手伝いをすることにした。
掃除といっても洗剤でゴシゴシ洗うわけじゃなく、使った道具を元の位置に戻すだけだったのですぐに終わった。
お風呂の残り湯は放っておけば担当の神官がどこかに持って行って片付けてくれるらしい。どこに持っていくか聞いたら、それは聞かない方がいいと諭された。
それからついでに洗顔の粉とか歯磨きの方法も教わった。飾ってある植物の中に小さな木の実みたいな青い粒のなっているものがあって、それが歯磨き粉の代わりらしい。一粒口に含んで噛むとシュワシュワする。その後小さな枝をまとめた植物性のブラシで磨く。
顔を洗った水もうがいをした水も、さらにトイレで流した水もどうなるのか気になってしつこく聞くと、根負けしたアルバートが教えてくれた。どうも外の農園へ持っていくみたいだった。
「農園の肥料に使うのか」
「神殿で採れる果物や薬草は非常に高価だ。皆が手に入れたがる。神子のために使われた水を利用していると分かってるからだろうな」
うっ、なんだか複雑な気分。
「下水処理場とかないの?」
「お前は変わってるな。普通はそんなこと気にしない」
「じゃあ川はあるの? 海は?」
「エルトリアには川はあるが海はない。海岸は全て闇に覆われた」
「えっ?」
内陸の国だから海に面していないのかと思ったのに、闇に覆われたってどういう意味だろう。
アルバートは呆れたように俺を見た。
「本当に記憶を無くしてるみたいだな。魔法の闇も忘れたのか。それなら神子が何なのか質問しても不思議じゃないな」
白いシンプルな服に着替えたアルバートは、長剣だけ持ってベッドに向かう。そういえばお風呂場にも剣を持って入ってた。もしかしてベッドにも持って入るのかな。
「魔法の闇って……」
「明日も忙しい。お前も早く寝ろ。闇については明日教えてやる」
「分かった」
長椅子に寝ようか悩んだけど、おそるおそるベッドに近づく。ベッドの方が寝心地はいいに決まってる。枕元に剣を置いて、寝そべってこっちを見ているアルバートと目があった。
「何もしない?」
「して欲しいのか?」
慌てて首を振る。
「口付け以外は契約に入ってない。でも神子さまの要望なら従うが」
「やめとく」
「そうか」
アルバートは俺を見てニヤニヤ笑った。この笑顔どういう意味なんだ。美形だからそんな笑いでもなぜか絵になる。
とりあえず安心してアルバートと同じベッドに潜り込む。アルバートだってきっと初対面の俺なんて好きじゃないだろう。結婚も強制だったみたいだし。
ベッドは広いからまっすぐ寝れば身体がぶつかることもない。隣に誰かが寝てる気配は分かるけど、よほど寝返りをうたなければアルバートの眠りを邪魔することはなさそうだ。
なんとなく動けなくてドキドキしながら天蓋を見上げていると、部屋の灯りが消えて真っ暗になった。アルバートの魔法かな。
「お、おやすみ。アルバート」
アルバートはそれには返事をしなかった。暗くて顔も分からないし、もう寝たんだろうと思って俺も寝ることにした。
掃除といっても洗剤でゴシゴシ洗うわけじゃなく、使った道具を元の位置に戻すだけだったのですぐに終わった。
お風呂の残り湯は放っておけば担当の神官がどこかに持って行って片付けてくれるらしい。どこに持っていくか聞いたら、それは聞かない方がいいと諭された。
それからついでに洗顔の粉とか歯磨きの方法も教わった。飾ってある植物の中に小さな木の実みたいな青い粒のなっているものがあって、それが歯磨き粉の代わりらしい。一粒口に含んで噛むとシュワシュワする。その後小さな枝をまとめた植物性のブラシで磨く。
顔を洗った水もうがいをした水も、さらにトイレで流した水もどうなるのか気になってしつこく聞くと、根負けしたアルバートが教えてくれた。どうも外の農園へ持っていくみたいだった。
「農園の肥料に使うのか」
「神殿で採れる果物や薬草は非常に高価だ。皆が手に入れたがる。神子のために使われた水を利用していると分かってるからだろうな」
うっ、なんだか複雑な気分。
「下水処理場とかないの?」
「お前は変わってるな。普通はそんなこと気にしない」
「じゃあ川はあるの? 海は?」
「エルトリアには川はあるが海はない。海岸は全て闇に覆われた」
「えっ?」
内陸の国だから海に面していないのかと思ったのに、闇に覆われたってどういう意味だろう。
アルバートは呆れたように俺を見た。
「本当に記憶を無くしてるみたいだな。魔法の闇も忘れたのか。それなら神子が何なのか質問しても不思議じゃないな」
白いシンプルな服に着替えたアルバートは、長剣だけ持ってベッドに向かう。そういえばお風呂場にも剣を持って入ってた。もしかしてベッドにも持って入るのかな。
「魔法の闇って……」
「明日も忙しい。お前も早く寝ろ。闇については明日教えてやる」
「分かった」
長椅子に寝ようか悩んだけど、おそるおそるベッドに近づく。ベッドの方が寝心地はいいに決まってる。枕元に剣を置いて、寝そべってこっちを見ているアルバートと目があった。
「何もしない?」
「して欲しいのか?」
慌てて首を振る。
「口付け以外は契約に入ってない。でも神子さまの要望なら従うが」
「やめとく」
「そうか」
アルバートは俺を見てニヤニヤ笑った。この笑顔どういう意味なんだ。美形だからそんな笑いでもなぜか絵になる。
とりあえず安心してアルバートと同じベッドに潜り込む。アルバートだってきっと初対面の俺なんて好きじゃないだろう。結婚も強制だったみたいだし。
ベッドは広いからまっすぐ寝れば身体がぶつかることもない。隣に誰かが寝てる気配は分かるけど、よほど寝返りをうたなければアルバートの眠りを邪魔することはなさそうだ。
なんとなく動けなくてドキドキしながら天蓋を見上げていると、部屋の灯りが消えて真っ暗になった。アルバートの魔法かな。
「お、おやすみ。アルバート」
アルバートはそれには返事をしなかった。暗くて顔も分からないし、もう寝たんだろうと思って俺も寝ることにした。
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