5 / 18
王都ホーズと令嬢たち
しおりを挟む王都ホーズ
ど田舎(辺境)のアルハカに比べて、メチャクチャ洗練された都市です。
街を取り囲む長い城壁の中に三箇所に分かれた街があり、中央にはさらに高い城壁があって、その中に王家が住むお城があります。
モモナたちはハリーの案内で、城下町の中央道路を抜け、城の門に向かっていました。
モモナは見るもの全てが珍しくて、始終キョロキョロ大きな瞳で見回しています。
「カルディア!すごいねー!お家がたくさん、お店もたくさん、あ、あんな大きな立派な武器屋さんや酒場もあるよーー!」
モモナの希望で馬車には乗らず、街を歩いているのですが、歩くというより跳ね回っています。
ぴょんぴょんと跳ねるたびに、モモナのたわわな胸が上下に揺れまくるのでハリーは目のやり場に困るのでした。
(女の子の胸とは、あのように弾力があるものなのかぁ…)
ハリーの身分高く、さらにあの冷血セオ王子の側近が務まるほど気が利くイケメンなのでモテモテでしたが、
なにせ男だらけの騎士隊での訓練歴が長いので意外と女性に慣れていませんでした。
ので、フレッシュな、弾けるようなモモナのお胸が眩しすぎたのです…
さらに、モモナは見れば見るほど可愛らしく、
侍女カルディアがやたらと推すのも無理はない、と思いました。
(しかし、モモナ様を連れてはきたものの、セオ王子が花嫁に選ばれることはないだろう。
見かけが子供みたいだし、セオ王子とは身長差がすごいから釣り合わない。
王子の好みは知らないけど、きっとタイプじゃないよな…。
あの2人じゃ犯罪だー。
⭐︎セオ王子187センチ、モモナ150センチそこそこ⭐︎
夜のコトだって、どうやって…)
ハリーは2人のコトを想像して少し顔を赤くしました。
(モモナ様のご滞在は1か月、王子の目に止まらなければ、私が…。私が?)
そんなことをハリーが考えている間に、一行は城門の前に到着しました。
「モモナ様、こちらです」
ハリーが振り向くと、モモナは両手いっぱいにお菓子を持っていました。
「ハリーさん、こんな美味しそうなものがたくさんあったんですよ!」
超嬉しそうです。
「とくに!噂には聞いたことがあったのですが、チョコレートがかけてあるクッキーなんて初めて見ました!」
口の周りにはその初めてが付いています。
「モモナ様、あまり一度に買われますと、お父上様からいただいたお小遣いがなくなってしまいますよ」
とカルディアはモモナの口元をふきふきしながら注意していますが、彼女はモモナが欲しがると“ダメっ”と言えないのでした。
城門を抜けると馬小屋があって、そこにはたくさんの馬や馬車がありました。
「いつもより多いな。
そうか、花嫁募集の文書の効果があって、
ご令嬢がたくさん城に来てくださったのだな。」
ハリーが思った通りでした。
令嬢が集まった城の中はとても賑やかで、華やかでした。
いくつかある来客用のサロンは満室御礼状態です。
ど田舎では決して見かけないような、
シュッとした美女がシュッとしたドレスに身を包んで優雅におしゃべりしていました。
「明らかに異質だ…」
そう呟いたのはカルディアです。
美女の群れの近くにモモナが立っていると、
白鳥の中にヒヨコが迷い込んだような、
薔薇の中にオオイヌフグリが落ちているような、
なんか違う感がスゴイのでした。
「だが、ウチのモモナ令嬢がイチバンカワイイ」
カルディアにとっては絶対でした。
「モモナ様を冷血王子などに嫁に出す気はないが、
モモナ様が他の令嬢に見劣りするのは癪に触る」
という理屈で、カルディアはハリーが用意してくれた部屋にモモナを連れて行き、
綺麗なドレスに着替えさせることにしました。
用意させられ部屋もなんだか小綺麗でした。
「王都ってすごいなぁ!」
モモナは大きな花瓶を触ったり、綺麗な彫刻を施した銀の燭台を眺めたりはしゃいでいます。
「あ、ねぇカルディア、さっき買ったお菓子食べていいー?」
「ダメですっ!!
持ってきた素敵ドレスが入らなくなりますっ」
「うえー」
モモナはチチもでかいのですが、その可愛いおへそ周りも少しもっちりしていたのでした。
(少しです!らしいです…)
「あー、なんてことでしょう!」
カルディアは、持ってきたトランクケースを開けて唸り声を上げました。
「良いドレスが、ないっ!」
確かに、辺境の街アルハカを出る時には、1番良いドレスを見繕ったはずなのに、
いざ他の令嬢たちのドレスを見てしまうと、どれも田舎くさく感じてしまうのでした。
「これじゃぁモモナ様の魅力を100%引き出せなーい!
モモナ様、私、先ほどの街まで戻り、ドレス屋で良い仕立て人を探してきます!
それまでお留守番していて下さいね!
1人でこの部屋から出てはダメですよ!」
カルディアはモモナにそう言うと全速力で駆けていきました。
(モモナ様を1人残すのは心配だけど、部屋から出なければ大丈夫でしょう!)
と思いながら。
ちょっと彼女の誤算だったのは、
1人になったモモナが大きな花瓶を倒しかけて、
大量の水を頭からかぶってしまった、ということ…
0
あなたにおすすめの小説
私が王子との結婚式の日に、妹に毒を盛られ、公衆の面前で辱められた。でも今、私は時を戻し、運命を変えに来た。
MayonakaTsuki
恋愛
王子との結婚式の日、私は最も信頼していた人物――自分の妹――に裏切られた。毒を盛られ、公開の場で辱められ、未来の王に拒絶され、私の人生は血と侮辱の中でそこで終わったかのように思えた。しかし、死が私を迎えたとき、不可能なことが起きた――私は同じ回廊で、祭壇の前で目を覚まし、あらゆる涙、嘘、そして一撃の記憶をそのまま覚えていた。今、二度目のチャンスを得た私は、ただ一つの使命を持つ――真実を突き止め、奪われたものを取り戻し、私を破滅させた者たちにその代償を払わせる。もはや、何も以前のままではない。何も許されない。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』
夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」
教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。
ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。
王命による“形式結婚”。
夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。
だから、はい、離婚。勝手に。
白い結婚だったので、勝手に離婚しました。
何か問題あります?
ヤンデレ王子を闇落ちから救ったら愛執まみれの独占欲に囚われました
大江戸ウメコ
恋愛
幼い頃に精霊の祝福である未来視の力が開花し、「夫である第二王子ナハルドに殺される」という己の運命を知った伯爵令嬢ツィーラ。この悲惨な未来を変えるべく、ツィーラは彼を避けようとしたが、ひょんなことから婚約者に選ばれてしまった! ならば、ナハルドが将来闇落ちしないよう、側で彼を支えることを決意する。そんな努力の甲斐あって、ツィーラへの好意を隠さず伝えてくるほど、ナハルドとの関係は良好になった。だけど、彼の並々ならぬ執着心のすべてを、ツィーラはまだ知らなくて――
敗戦国の姫は、敵国将軍に掠奪される
clayclay
恋愛
架空の国アルバ国は、ブリタニア国に侵略され、国は壊滅状態となる。
状況を打破するため、アルバ国王は娘のソフィアに、ブリタニア国使者への「接待」を命じたが……。
処刑前夜に逃亡した悪役令嬢、五年後に氷の公爵様に捕まる〜冷徹旦那様が溺愛パパに豹変しましたが私の抱いている赤ちゃん実は人生2周目です〜
放浪人
恋愛
「処刑されるなんて真っ平ごめんです!」 無実の罪で投獄された悪役令嬢レティシア(中身は元社畜のアラサー日本人)は、処刑前夜、お腹の子供と共に脱獄し、辺境の田舎村へ逃亡した。 それから五年。薬師として穏やかに暮らしていた彼女のもとに、かつて自分を冷遇し、処刑を命じた夫――「氷の公爵」アレクセイが現れる。 殺される!と震えるレティシアだったが、再会した彼は地面に頭を擦り付け、まさかの溺愛キャラに豹変していて!?
「愛しているレティシア! 二度と離さない!」 「(顔が怖いです公爵様……!)」
不器用すぎて顔が怖い旦那様の暴走する溺愛。 そして、二人の息子であるシオン(1歳)は、実は前世で魔王を倒した「英雄」の生まれ変わりだった! 「パパとママは僕が守る(物理)」 最強の赤ちゃんが裏で暗躍し、聖女(自称)の陰謀も、帝国の侵略も、古代兵器も、ガラガラ一振りで粉砕していく。
バッドエンド予定の悪役令嬢が溺愛ルートを選んでみたら、お兄様に愛されすぎて脇役から主役になりました
美咲アリス
恋愛
目が覚めたら公爵令嬢だった!?貴族に生まれ変わったのはいいけれど、美形兄に殺されるバッドエンドの悪役令嬢なんて絶対困る!!死にたくないなら冷酷非道な兄のヴィクトルと仲良くしなきゃいけないのにヴィクトルは氷のように冷たい男で⋯⋯。「どうしたらいいの?」果たして私の運命は?
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる