魔王降臨!勇者を討伐に行ってきます!

韋駄天

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魔王の教会潜入

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そして依頼話の後、魔王と冒険者と聖騎士という奇妙な面子の三人組が作戦を実行した。
三人は先ず夜中まで待つと教会の中へと忍び込んで行く。
そして第一の関門、ウオマの肩まである高さの外壁をよじ登る。
クレイが最初に登って敵がいないか確認、そして合図をしてから中へ飛び込む。
それに続くようにウオマが塀に飛び乗ると、左足の爪先が引っかかる。
「げっ。。。ウオオオー!」
「ちょっと!何してるんですかウオマさん!」
「躓いた!」
「。。。」
魔王が不法侵入しようとしているのに叫び声を上げると、優秀な助手クレイがヒソヒソ声で注意する。
魔王がそれにふざけて答えると同時に、アランがジト目で二人のコントを見つめる。
しかし、ここは流石歴戦の戦士達と言うべきか、全員が速攻で警戒する。
アランが冒険者達二人に続いて中へ入ると、そっと合図して案内する。
三者三様の足音(トットッ、ペタペタ、スッスッ)を立てながら怪しげな侵入者達は教会の裏口へ回る。
そしてアランが教会の後ろにある物置小屋の奥を提示する。
そして順調に目的地へ近づいていくと、
「おい、不埒者だぞー!兵を集めろー!怪しい輩がいるぞー!」
「ヤッベ見つかった!どうする?」
「ここは俺に任せて先に行け!俺がアイツらを引き付ける!」
「よし!ここはお前に任せて先に行く!あばよ!」
魔王様、思いっきり別れの目をしながらアランに返答する。
クレイ、憐れみの眼でアランを見つめる。
「その目をやめてくれ!」

そしてアランは教会の聖騎士達を引き付けながら反対の方向へと逃げて行った。
「最後までいい奴だった。。。あいつの想いは必ず叶える!アラン、お前の事は一生忘れはしない!」
既に逝っちゃった事になっちゃってるアランさん。
弁明すら許されない。
しかし、最後の未練は魔王が必ずや果たすだろう。
魔王様は約束を必ず果たす!
なので、アランが行く前に霊魂強化をかけておいた。
あれ程度の騎士では絶対に倒せない。
仲間にアタッカー兼タンクを入れねばならんのだ!
勇者パーティーみたいに!
そして魔王とクレイは物置小屋の奥に隠されていた秘密通路への扉を開く。
そして、忍び足で歩いていく。

そして、あの展開へと至る。

丁度魔王とクレイが教会を嗅ぎ回っていた所へ。
流石に重要機密といいますか、地下牢への道は複雑で、見つけるのに苦労した。
「ウオマさんは実際にこの依頼どう思っているんですか?」
クレイが突然そんな疑問を口にすると、
「昔魔族に助けられて世話になった事があってな、その人達の仲間なら助け出してやろうかなと思ったまでだ。それに魔族は基本的に魔国から出ない筈だからな。外で捕まっているとしたら何処かで誘拐された位だ。勿論、これは二十年前の常識だがな。」
魔王が健在だった頃、魔国には絶対の法があった。
それは、魔国から一歩足りとも出ない事。
この決まりを破った者には魔王直々の罰が下った。
なので、当時国から出る魔族等いなかった。
しかし、それが唯一不明だった時期があった。
勇者出撃の時である。
あの時は国そのものが攻められていたので国の境界等が曖昧で人間達の進軍時に魔族が国から出ていた可能性が芽生える。
もしかしたら魔王は既に人族の国へ連れ去られていたその者達を見落として転生してしまったのかもしれない。
だが、それは余りに可哀想だ。
二十年間、ずっと人族に虐げられていたと思うと。。。
「よし、この教会の秘密を知っている奴らは全員地獄を見せてやる!」
「いきなり何言ってるんですかウオマさん!?まぁ反対はしませんけど」
そして二人は地下牢への長い階段を降りていくと、下には数少ない蝋燭で照らされた暗い廊下があった。
そこを隠密しながら進んで行くとある牢を通り過ぎた瞬間、声がした。
「あの、誰ですか。。?見覚えのない方ですが。。。」
そして魔王はそれに即座に反応すると声の発生源へと向かって行く。
「クレイ、お前は他にもいるか探してくれ」
そして緑髪の青年が反対方向へ走って行き、魔王は囚人に近付くと、
「ま、魔王様。。?」
バレた。
正体、神速で暴かれた。
「ここに俺がいるのは秘密だ。お前達は必ず皆の所へ帰す。」
「では、あの優しい聖騎士様はどうなされたんですか。。?」
「別行動だ。後で回収するから礼はその時だ。」
「他の奴らも集めるのを手伝ってくれるか?」
「はい魔王陛下」
そして数分後、囚われの魔族達を全員解放した後、魔王とクレイは十人程いる魔族達を引き連れ脱出する為に階段を駆け登る。
そして遂に外への扉に差し掛かったかという所で、目の前から唐突に光が差し込んだ。
「おい、侵入者がまだいたぞー!」
敵がそこで待ち構えていた。

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