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魔王の勇者討伐劇
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魔王と楽しい仲間達が勇者城の最上階、勇者の私室と共に最高司令室である空間へと転移してきた。
勇者にとって、現況はそれしか言いようがないが、実際軍を準備して国中を捜索しようと思っていたのに、まさかの捜索対象がノコノコと本拠地の最奥へと潜り込んで来たのである。
しかし、戦闘力の差は歴然。
人族軍が来ればまだ物量ゴリ押しの数の暴力で撃退ぐらいは出来るかもしれないが、勇者一人で魔王、そして気配からしてかなり魔王に鍛えられてしまった人間達の相手はとてもじゃないが務まらない。
ましてや、こんな国の中心の王城の最上階に軍なんぞ連れてこれる訳がない。
逃走と合流は高確率で妨害されて終わるし、魔王相手じゃ策を練っても何も意味がない。
能力のゴリ押しで行く以外に勝つ方法は見えない。
二十年前のように、国中から掻き集めた魔道具、魔法薬、そして援護魔法があれば、この輩をもう一度倒せるだろう。
勇者は内心そう状況を分析し、考えていた。
実際前回の戦いは魔王が手抜きして勝たせただけなのだが、勇者にはそれを知る由もない。
そんな事実を一片も知らずに、勇者は作戦を立てていく。
まぁ、勿論作戦なんざ魔王様が完膚無きまでに叩き潰して無に還すだけなのだが!
「はっはっはー!二十年前からの恨み、晴らさせてもらうぞ、勇者ヤシウユ!」
「魔王陛下と共に!」
「勇者討伐に!」
「い、いざ行かん!」
「・・・・・・」
コントのような、昔話の演技のような、よく分からないけど取り敢えず真剣さは特にないと言う事だけが分かる感じが魔王一行の決めポーズとセリフから感じ取れる。
そんなちぐはぐさが漂う魔王達の芝居を勇者が茫然と眺めてると、四人が突如ポーズを解除し、少し離れて屈み込む。
「なぁなぁ、勇者の野郎が微妙な顔してるんだが!何でだ?折角魔王降臨!的な演出したのに!」
「ウオマさんが無駄な台本作るからでしょう!?そもそも何であんな凄い入念に作り込まれたセリフとポーズとかが書いてある書なんて持ってるんです!?いつの間に作ったんだか知りませんけど、あんなの作る暇があったんなら作戦とか考えてくれた方がよっぽど役に立ちましたよ!」
「ま、まぁ待て。そもそもあの台本まだ最初のページじゃないか。まだまだあと99ページ残ってる上に準備して来た台本まだあと十冊持って来て・・・・・・」
「まだあるってどういうことですか!?貴方どれだけ人生無駄に過ごして来たんですか!?貴方が魔王として何故務まっていたのか甚だ疑問ですよ!?その労力もう少し有意義に使いません!?」
「ま、まぁまぁクレイもそろそろそれぐらいにしてやれや。勇者がこっちの方見てるし、恥ずかしいわ!いや、ていうかウオマさんも悪ぃけどな!?でもここはちょっと俺の羞恥レベルが限界突破しそうだからそろそろ奇襲の本来の目的の攻撃しません!?」
「あ、あの、そろそろなんか勇者さんの待機姿勢が解けそうなのでう、動きませんか?」
「「「了解!」」」
と、魔王の周到かつ無駄な準備を議題に四人が漫才のような雰囲気を繰り広げる。
その中に如何にも鶴の一声のリーナの疑問が響き、三人が賛成の意を示す。
「よし!この勇者野郎!お前を今からぶちのめす!覚悟しろ!」
「成敗致します」
「魔王直伝の魔斬撃くれてやるぜ!」
「か、覚悟!です!」
「おぉ~!これは台本29巻の53ページのセリフ!再現度完璧だ!」
「貴方の台本この後絶対に燃やしますからね!あんな物この世にいりません!」
「ま、待て!早まるなクレイ!これは子供達に聞かせる武勇伝の記しでな・・・・・・!」
「そんな物無くても自分の口で説明すればいいんじゃないですか!?」
「グハッ!」
最早勇者は立ち尽くすしかない。
そもそも人類の仇敵とまで言われた魔族最強の人間、魔王が復讐にきた・・・・・・という流れの筈なのに何故こんなちぐはぐアドリブ演劇みたいなサマになっているのか。
下手な漫才を見物しているような感覚である。
取り敢えずこいつらが謎の遊びをしている間に軍を待機させ、部屋の隅ににある魔道具を使い転移で合流する。
そうすればこの化け物達に対抗出来るかもしれない。
そう考え、勇者ヤシウユがジリジリと少しずつ部屋の角へと移動していく。
魔王は仲間達と未だに阿呆な会話を続けている。
こんなのが世界最強だとなると、世も末だな、と思ったりする。
そして、部屋の隅に置いてあった魔道具に手を伸ばし、掴む。
行ける!
魔力を流し、魔道具を発動ーーー
ーーー出来なかった。
「え?」
勇者がそんな間抜けな疑問声を上げると、
「あ、空間遮断魔法使ったから安心しろよ!誰にも邪魔されずに、優雅なバトルタイムと行こうぜ?」
と、魔王が目と鼻の先で満面の笑みを浮かべながら声をかけてきたのだった。
勇者にとって、現況はそれしか言いようがないが、実際軍を準備して国中を捜索しようと思っていたのに、まさかの捜索対象がノコノコと本拠地の最奥へと潜り込んで来たのである。
しかし、戦闘力の差は歴然。
人族軍が来ればまだ物量ゴリ押しの数の暴力で撃退ぐらいは出来るかもしれないが、勇者一人で魔王、そして気配からしてかなり魔王に鍛えられてしまった人間達の相手はとてもじゃないが務まらない。
ましてや、こんな国の中心の王城の最上階に軍なんぞ連れてこれる訳がない。
逃走と合流は高確率で妨害されて終わるし、魔王相手じゃ策を練っても何も意味がない。
能力のゴリ押しで行く以外に勝つ方法は見えない。
二十年前のように、国中から掻き集めた魔道具、魔法薬、そして援護魔法があれば、この輩をもう一度倒せるだろう。
勇者は内心そう状況を分析し、考えていた。
実際前回の戦いは魔王が手抜きして勝たせただけなのだが、勇者にはそれを知る由もない。
そんな事実を一片も知らずに、勇者は作戦を立てていく。
まぁ、勿論作戦なんざ魔王様が完膚無きまでに叩き潰して無に還すだけなのだが!
「はっはっはー!二十年前からの恨み、晴らさせてもらうぞ、勇者ヤシウユ!」
「魔王陛下と共に!」
「勇者討伐に!」
「い、いざ行かん!」
「・・・・・・」
コントのような、昔話の演技のような、よく分からないけど取り敢えず真剣さは特にないと言う事だけが分かる感じが魔王一行の決めポーズとセリフから感じ取れる。
そんなちぐはぐさが漂う魔王達の芝居を勇者が茫然と眺めてると、四人が突如ポーズを解除し、少し離れて屈み込む。
「なぁなぁ、勇者の野郎が微妙な顔してるんだが!何でだ?折角魔王降臨!的な演出したのに!」
「ウオマさんが無駄な台本作るからでしょう!?そもそも何であんな凄い入念に作り込まれたセリフとポーズとかが書いてある書なんて持ってるんです!?いつの間に作ったんだか知りませんけど、あんなの作る暇があったんなら作戦とか考えてくれた方がよっぽど役に立ちましたよ!」
「ま、まぁ待て。そもそもあの台本まだ最初のページじゃないか。まだまだあと99ページ残ってる上に準備して来た台本まだあと十冊持って来て・・・・・・」
「まだあるってどういうことですか!?貴方どれだけ人生無駄に過ごして来たんですか!?貴方が魔王として何故務まっていたのか甚だ疑問ですよ!?その労力もう少し有意義に使いません!?」
「ま、まぁまぁクレイもそろそろそれぐらいにしてやれや。勇者がこっちの方見てるし、恥ずかしいわ!いや、ていうかウオマさんも悪ぃけどな!?でもここはちょっと俺の羞恥レベルが限界突破しそうだからそろそろ奇襲の本来の目的の攻撃しません!?」
「あ、あの、そろそろなんか勇者さんの待機姿勢が解けそうなのでう、動きませんか?」
「「「了解!」」」
と、魔王の周到かつ無駄な準備を議題に四人が漫才のような雰囲気を繰り広げる。
その中に如何にも鶴の一声のリーナの疑問が響き、三人が賛成の意を示す。
「よし!この勇者野郎!お前を今からぶちのめす!覚悟しろ!」
「成敗致します」
「魔王直伝の魔斬撃くれてやるぜ!」
「か、覚悟!です!」
「おぉ~!これは台本29巻の53ページのセリフ!再現度完璧だ!」
「貴方の台本この後絶対に燃やしますからね!あんな物この世にいりません!」
「ま、待て!早まるなクレイ!これは子供達に聞かせる武勇伝の記しでな・・・・・・!」
「そんな物無くても自分の口で説明すればいいんじゃないですか!?」
「グハッ!」
最早勇者は立ち尽くすしかない。
そもそも人類の仇敵とまで言われた魔族最強の人間、魔王が復讐にきた・・・・・・という流れの筈なのに何故こんなちぐはぐアドリブ演劇みたいなサマになっているのか。
下手な漫才を見物しているような感覚である。
取り敢えずこいつらが謎の遊びをしている間に軍を待機させ、部屋の隅ににある魔道具を使い転移で合流する。
そうすればこの化け物達に対抗出来るかもしれない。
そう考え、勇者ヤシウユがジリジリと少しずつ部屋の角へと移動していく。
魔王は仲間達と未だに阿呆な会話を続けている。
こんなのが世界最強だとなると、世も末だな、と思ったりする。
そして、部屋の隅に置いてあった魔道具に手を伸ばし、掴む。
行ける!
魔力を流し、魔道具を発動ーーー
ーーー出来なかった。
「え?」
勇者がそんな間抜けな疑問声を上げると、
「あ、空間遮断魔法使ったから安心しろよ!誰にも邪魔されずに、優雅なバトルタイムと行こうぜ?」
と、魔王が目と鼻の先で満面の笑みを浮かべながら声をかけてきたのだった。
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