魔王降臨!勇者を討伐に行ってきます!

韋駄天

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魔王の拷問?

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そして、比較的簡単に勇者を捻り潰した魔王は、拷問の時間だと告げた。
そんな死刑宣告のような非情で残虐な次の段階に移ると聞き、勇者はーーー

ーーー気絶した。
盛大に泡吹きながら。

「あ~ぶっ倒れちまった。どうしよう」
「取り敢えず叩き起こしますか?それとも叩き起こしますか?」
「選択肢になってないよそれ!?てか物騒な!待ちゃその内起きるだろ」

先ずは勇者を起こす必要も特にないので、寝かせておく。
冷静な状態で事情を説明してもらう方が色々と有利だし、勇者の場合脅しでは絶対に口を割らないだろう。
こちらの要望を説明してから欲しい情報を引き出す。

「まぁ兎に角やる事ないしどうする?外の時空剣はまだ効果ある筈だし、外出てささっと何かやるぐらいならバレなくもない・・・・・・あ、そういやリーナの冒険者登録証の方まだ頼んだままだったな。取りに行くか?」
「あ、それなら俺が行くぜウオマさん。リーナちゃん連れて行きゃ貰えんだろ?」
「ああだから任す。リーナちゃんも一緒に貰ってきてくれ。あとアラン、なる早で頼んだぞ。時間かけたら勇者の野郎に何かあったってバレちまうし、もしインパルフェとかがしつこかったら俺の名前出すなり実力行使で冒険者証だけ取ってこい」
「仰せのままに、魔王陛下」
「そんな堅苦しいのやめろ!気持ち悪い」
「ひでぇなおい!?まぁ分かったよ。では行ってきます!」

そう言い残し、アランがそそくさとついていくリーナと一緒に『移動』する。
この隔絶された空間には最早魔王とクレイ、そして意識不明の勇者しか残っていない。

「さぁてじゃあいっちょやりますか!」
「起きるまで待つのでは?」
「やっぱ気が変わった!」

と、勇者に安らぎの時間すら与えずに手っ取り早くやるのが一番な魔王様。
元気よく言い切り、伏せている勇者の脇腹に蹴り!

「ごふぅ!」
「爽快爽快!」
「あー良い子は真似しちゃダメな奴ですね」

と、とても喜ばしい顔で勇者を痛めつける魔王様。
隣にいる斥候さんに被害者がかなり不憫に思われているのは気にしない!

「ぐ・・・・・・な、何が・・・・・・ま、魔王?そ、そういえば・・・・・・」
「とっとと起きろい。話がしたいんだが」

病み上がりだろうが重体の負傷者だろうが自分の都合に合わせる!
それが魔王流の人間交流方法なのだ!

「へ、平和的に?」
「おうおうもちのろんでお前ら異世界人が大好きな平和的交渉と解決という奴だよ。さっきの蹴りは戦闘のトドメだったと思ってくれ」
「完全に暴力団みたいな理屈ですね!?」

勿論、そこは魔王クオリティ!
大体何でも力で解決しちゃった方が、後々楽なのだ!
それに霊魂魔法を加えたら、世界征服なんて朝飯前!
買い物行ってくるみたいなノリで世界の命運を弄べるのが不死身の魔王!

「ま、まぁそちらが何も危害を加えないと言うならば・・・・・・まぁいいですけど・・・・・・」

どうせあっちが暴力で来たらやり返せないし。
と思ってたりするのは勇者を埋めるであろう世界一予算が嵩む墓場まで持っていく。

「という訳でだ。先ず聞きたいことがー・・・・・・特になかった気がする。用済みって事で始末していい?」
「だから平和的は!?」

なんだかんだやっぱり交渉とかより力で捻伏せるのが一番!な魔王の理屈である。

「えーまぁいいや適当に俺が転生している間は何があったん?」

まるで長年会えてなかった友人との再会に何があったかのように話し出す魔王様。

「えーあーはい。先ず魔王様の死亡と共に溢れ出た瘴気によって僕の仲間はそれぞれ重症になり、治すために数年かかりましたね」
「それで?」
「そしてその後、魔族と仲が良かった人達が謀反を起こし、国王と教皇が殺されました。その時、僕はギリギリ洗脳魔法をかけられていたのを理解してもらえて、助かりました。やがて気付かない内に国王に仕立て上げられていましたが。」
「なるほど?」
「そして、それからは魔族に対しての責任もあるし、なるべく平等な世の中を作ろうと頑張っていたんですが・・・・・・最近、呪いのような声が聞こえてきて・・・・・・なんなのかさっぱり分からないんですが・・・・・・それ以来財政も苦しくなってきて、たまに意識がなくなったりして・・・・・・どうなってるんでしょうか?」
「さあ?続けろ」
「そこは一緒に原因探る流れじゃないの!?でもうこれぐらいしかありませんでしたよこの二十年」

そうして勇者が説明を終えると、

「えーじゃあアラン達戻ってくるまで暇だしそれだけやって帰るか!」
「軽っ!」
「僕の出番ありませんでしたね」

と、三人が謎の声の原因究明に向かうのだった。


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