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アマデウス侯爵領
大賢者
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サフィエレイア・ヤラヌーエ・クリスナン。250歳。女。エルフ語でル・オンティアルクと呼ばれる深い森の中に結界に守られて存在するエルフ最古の王国イシンドリンに住まう。
平均400才は生きるエルフ族の中ではまだ若い方の彼女であるが、生まれてすぐ書物を読み漁り国の長老たちから口伝の伝承を一言一句聞き取っては書き起こすなど、幼い頃よりその智へのあくなき探求心を買われて先代の大賢者の弟子となってから早200年。師匠亡き後を継いでエルフの記憶を守る者となった彼女は古文書を解読と時折訪れる話す獣たちとの会話をする日々を過ごしていた。
ある日、いつものように彼女が窓辺で歴史書を読んでいると、幼馴染のエルエドがやって来た。返事も待たずに我が物顔で家に上がり込む男を見てため息をつく。死んだ者たちと会話できる者としてシャーマンのような役割も果たす彼は、先祖の霊から聞いた興味深い話をこうやってサフィエレイアの元に持ってくることがままある。
「やぁ白樺の麗人。今日は何を読んでいるんだ?」
「君にそう呼ばれるのはぞっとするから止めてくれ。」
白樺の森に棲んでいるために特に若いエルフから尊敬の念を込めてそう呼ばれているが、この知己はサフィエレイアがその呼び名を好んでいないのを知ってわざと言ってくるのだ。怒るサフィエレイアを気にする様子もなく勝手に紅茶とビスケットを持って向かいに腰かけるエルエドに、本を閉じて向き合う。
「で、エルエド。今日は何の用事だ。」
「あぁ、驚くような話を魂たちに聞いてね。ぜひ君に聞かせようと思って。」
「ほお驚くような話…」
「そう。エルフに伝わる叙事詩に世界を二分した争いについての歌があるだろう?あの死の神がこの世を去ったという。」
「天上の戦と死の喪失の話か。」
「そこに関しては君の方が詳しいと思うけど、実は最近魂たちの間で人間の国に死の神の使いが現れたと噂になっているんだ。」
「なに?!死の神が地上を離れてからもう1000年以上経っているんだぞ。しかも人間の国だなんて。」
馬鹿なことを。今生きているエルフは長老と呼ばれる高齢の者でさえ死の神の祝福があった時代を知らない。伝承では戦に負けて永遠に地上から消えてしまったと言われているし、古文書にももう地上に降り立たないであろうと書かれていた。サフィエレイア自身、死の神はもう二度とこの世界に関わりを持たないのではないかと思っていたのだ。俄然興味が湧いて身を乗り出して続きを促す。
「疑うのも分かる。俺も最初は留まるのに飽きた魂たちの戯言だと思って聞き流していたさ。だがな、どうも聞いていると今回の噂には信憑性がある。
その青年は、死の神の加護のもと、この世界に溜まった瘴気を再び輪廻の輪に戻すことが出来るという。我々の先祖の魂もいくつか真実を確かめに出かけたが未だ戻って来たものは1つもいない。
今、魂たちはようやく無限の地へ還ることが出来ると希望に溢れているよ。この王国に留まっていたものも1つまた1つと向こうに移動し始めている。」
「……。しかし、なぜ人間の国にその使いとやらがいる?奴らは生の神のみを崇めているだろう。死の神を邪神と呼んで忌み嫌う場所に神使を下す理由がない。」
「それは俺にも分からん。だが、降り立ったのが人の国であるのが更に信憑性を増しているとは思わないか?人間は邪神の使いの存在を野放しにはしないだろう。さっさと始末してしまうはずだ。それがこちらに話が届くということは、人間には手を出せない存在である可能性が高い。」
「確かに、納得できる理由ではあるな。だが、やはり人間の策略であるという可能性も低くない。死の神を信じる者をおびき出すか、仮初の希望で心を砕くということも考えられる。」
古くからエルフは野蛮な人を嫌っていた。
脳裏に浮かぶのは100年前に行われた戦争。人間のあまりの横暴に我慢の限界が来た獣たちと少数のエルフ・ドワーフが人間に刃を向けたそれは多勢に無勢ですぐさま人間側の勝利で終わった。長く隠れ住んできた獣人たちも遂に見つかってしまい、人間の欲の餌食となっていると聞く。サフィエレイア自身は幼かったために戦いに加わらなかったが、人間の残虐な行いは遠いエルフの里にまで届いていた。あの戦争以降、数を減らした獣と戦う意思をそがれた多くの種族は以前にも増して自分たちの縄張りを強固に守ってその中に籠るようになった。
なぜか人間たちにほとんどの祝福を注いでその他の種族などいないかのように振る舞う生の神。弱い人間たちがこれほどまでに世界の覇権を握れているのはひとえに神の祝福が厚いからにほからなない。このような事態が引き起こされている原因があの天上戦争にあるということはほとんど確定であるが、エルフの書物には理由となりうるものが書かれていないのだ。もし使いが本物であればサフィエレイアの知識欲を満たすまたとない機会である。
「一度、わしの目で確かめる必要があるか…。」
そうつぶやくサフィエレイアをエルエドがぎょっとした顔で見る。
「サフィ、本気で言っているのか?人族とエルフはあの戦争以来交流を持っていない。もし見つかってしまえばどのようなことが起きるか。」
「しかし、直接会わんことには何も分からんだろう。よし、このまま国王陛下に謁見して許可を頂いてくる。」
「え、おっ、ちょっと待って。」
思い立ったらすぐ行動する、がサフィエレイアの信条だ。大賢者としての権力を十分に奮ってすぐさま国王に謁見すると、人間の国へと旅立ちたいと伝えた。
「…ふむ。エルエドが聞いた話であるのなら確かめる価値はあるだろうな。だが、サフィエレイアよ。もしその使いが本物であった場合、そなたはどうするつもりじゃ。わが国で保護せよと申すか?」
「はい。もしお許しいただけるようならば。」
「死の神の使いを迎えるとなると、人間との全面対立は避けられん。全てのエルフ族を危険に晒してでもその価値あると考えるのだな?」
「その通りです。もし本物の神使様であった場合、この世界がようやく本来の姿を取り戻せるかもしれないという希望となります。祝福が絶えて久しい今、このまま籠って衰退の一途を辿るのを待つより、一縷の希望に望みを託して死の神を支えるこそ我々の歩むべき道ではないかと。」
そう真摯に告げるサフィエレイアを見下ろしながら王は悩む。先代の大賢者もよく知る王は生死両方の神の祝福から外れかかっている自分の民の行く末を憂いていた。エルフたちは長命であるためにその変化はあまり顕著ではないがそれでも段々と数を減らす同胞を知りながら為政者として何も打つ手がないという現状を彼とてなんとかしたいと願ってきたのだ。この若き賢者は知識量と聡明さでは国一番の長老も叶わない。その彼女がここまで言い募るのならその使いとやらに手を貸してみてもいいかもしれない。
「分かった。そなたの願い認めよう。使いを受け入れるのなら私が全責任を持とう。ただし、その使いが偽物であった場合はすぐに帰還せよ。また、必要以上に人目につかぬように。」
「はっ、ありがとうございます。」
そうやってサフィエレイアは旅立った。たまたま遊びに来ていた西のも興味を持ってついて来ると言うので2人して使いがいるらしいユスタリア王国に足を向け、道中エルエドから入る情報と道行く人間の噂話からアマデウス領にいる涼貴へとたどり着いたのである。
平均400才は生きるエルフ族の中ではまだ若い方の彼女であるが、生まれてすぐ書物を読み漁り国の長老たちから口伝の伝承を一言一句聞き取っては書き起こすなど、幼い頃よりその智へのあくなき探求心を買われて先代の大賢者の弟子となってから早200年。師匠亡き後を継いでエルフの記憶を守る者となった彼女は古文書を解読と時折訪れる話す獣たちとの会話をする日々を過ごしていた。
ある日、いつものように彼女が窓辺で歴史書を読んでいると、幼馴染のエルエドがやって来た。返事も待たずに我が物顔で家に上がり込む男を見てため息をつく。死んだ者たちと会話できる者としてシャーマンのような役割も果たす彼は、先祖の霊から聞いた興味深い話をこうやってサフィエレイアの元に持ってくることがままある。
「やぁ白樺の麗人。今日は何を読んでいるんだ?」
「君にそう呼ばれるのはぞっとするから止めてくれ。」
白樺の森に棲んでいるために特に若いエルフから尊敬の念を込めてそう呼ばれているが、この知己はサフィエレイアがその呼び名を好んでいないのを知ってわざと言ってくるのだ。怒るサフィエレイアを気にする様子もなく勝手に紅茶とビスケットを持って向かいに腰かけるエルエドに、本を閉じて向き合う。
「で、エルエド。今日は何の用事だ。」
「あぁ、驚くような話を魂たちに聞いてね。ぜひ君に聞かせようと思って。」
「ほお驚くような話…」
「そう。エルフに伝わる叙事詩に世界を二分した争いについての歌があるだろう?あの死の神がこの世を去ったという。」
「天上の戦と死の喪失の話か。」
「そこに関しては君の方が詳しいと思うけど、実は最近魂たちの間で人間の国に死の神の使いが現れたと噂になっているんだ。」
「なに?!死の神が地上を離れてからもう1000年以上経っているんだぞ。しかも人間の国だなんて。」
馬鹿なことを。今生きているエルフは長老と呼ばれる高齢の者でさえ死の神の祝福があった時代を知らない。伝承では戦に負けて永遠に地上から消えてしまったと言われているし、古文書にももう地上に降り立たないであろうと書かれていた。サフィエレイア自身、死の神はもう二度とこの世界に関わりを持たないのではないかと思っていたのだ。俄然興味が湧いて身を乗り出して続きを促す。
「疑うのも分かる。俺も最初は留まるのに飽きた魂たちの戯言だと思って聞き流していたさ。だがな、どうも聞いていると今回の噂には信憑性がある。
その青年は、死の神の加護のもと、この世界に溜まった瘴気を再び輪廻の輪に戻すことが出来るという。我々の先祖の魂もいくつか真実を確かめに出かけたが未だ戻って来たものは1つもいない。
今、魂たちはようやく無限の地へ還ることが出来ると希望に溢れているよ。この王国に留まっていたものも1つまた1つと向こうに移動し始めている。」
「……。しかし、なぜ人間の国にその使いとやらがいる?奴らは生の神のみを崇めているだろう。死の神を邪神と呼んで忌み嫌う場所に神使を下す理由がない。」
「それは俺にも分からん。だが、降り立ったのが人の国であるのが更に信憑性を増しているとは思わないか?人間は邪神の使いの存在を野放しにはしないだろう。さっさと始末してしまうはずだ。それがこちらに話が届くということは、人間には手を出せない存在である可能性が高い。」
「確かに、納得できる理由ではあるな。だが、やはり人間の策略であるという可能性も低くない。死の神を信じる者をおびき出すか、仮初の希望で心を砕くということも考えられる。」
古くからエルフは野蛮な人を嫌っていた。
脳裏に浮かぶのは100年前に行われた戦争。人間のあまりの横暴に我慢の限界が来た獣たちと少数のエルフ・ドワーフが人間に刃を向けたそれは多勢に無勢ですぐさま人間側の勝利で終わった。長く隠れ住んできた獣人たちも遂に見つかってしまい、人間の欲の餌食となっていると聞く。サフィエレイア自身は幼かったために戦いに加わらなかったが、人間の残虐な行いは遠いエルフの里にまで届いていた。あの戦争以降、数を減らした獣と戦う意思をそがれた多くの種族は以前にも増して自分たちの縄張りを強固に守ってその中に籠るようになった。
なぜか人間たちにほとんどの祝福を注いでその他の種族などいないかのように振る舞う生の神。弱い人間たちがこれほどまでに世界の覇権を握れているのはひとえに神の祝福が厚いからにほからなない。このような事態が引き起こされている原因があの天上戦争にあるということはほとんど確定であるが、エルフの書物には理由となりうるものが書かれていないのだ。もし使いが本物であればサフィエレイアの知識欲を満たすまたとない機会である。
「一度、わしの目で確かめる必要があるか…。」
そうつぶやくサフィエレイアをエルエドがぎょっとした顔で見る。
「サフィ、本気で言っているのか?人族とエルフはあの戦争以来交流を持っていない。もし見つかってしまえばどのようなことが起きるか。」
「しかし、直接会わんことには何も分からんだろう。よし、このまま国王陛下に謁見して許可を頂いてくる。」
「え、おっ、ちょっと待って。」
思い立ったらすぐ行動する、がサフィエレイアの信条だ。大賢者としての権力を十分に奮ってすぐさま国王に謁見すると、人間の国へと旅立ちたいと伝えた。
「…ふむ。エルエドが聞いた話であるのなら確かめる価値はあるだろうな。だが、サフィエレイアよ。もしその使いが本物であった場合、そなたはどうするつもりじゃ。わが国で保護せよと申すか?」
「はい。もしお許しいただけるようならば。」
「死の神の使いを迎えるとなると、人間との全面対立は避けられん。全てのエルフ族を危険に晒してでもその価値あると考えるのだな?」
「その通りです。もし本物の神使様であった場合、この世界がようやく本来の姿を取り戻せるかもしれないという希望となります。祝福が絶えて久しい今、このまま籠って衰退の一途を辿るのを待つより、一縷の希望に望みを託して死の神を支えるこそ我々の歩むべき道ではないかと。」
そう真摯に告げるサフィエレイアを見下ろしながら王は悩む。先代の大賢者もよく知る王は生死両方の神の祝福から外れかかっている自分の民の行く末を憂いていた。エルフたちは長命であるためにその変化はあまり顕著ではないがそれでも段々と数を減らす同胞を知りながら為政者として何も打つ手がないという現状を彼とてなんとかしたいと願ってきたのだ。この若き賢者は知識量と聡明さでは国一番の長老も叶わない。その彼女がここまで言い募るのならその使いとやらに手を貸してみてもいいかもしれない。
「分かった。そなたの願い認めよう。使いを受け入れるのなら私が全責任を持とう。ただし、その使いが偽物であった場合はすぐに帰還せよ。また、必要以上に人目につかぬように。」
「はっ、ありがとうございます。」
そうやってサフィエレイアは旅立った。たまたま遊びに来ていた西のも興味を持ってついて来ると言うので2人して使いがいるらしいユスタリア王国に足を向け、道中エルエドから入る情報と道行く人間の噂話からアマデウス領にいる涼貴へとたどり着いたのである。
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