欧州物語 -1-

伊達政宗

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欧州編

出発!目指せ尾張

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「うぢぃ...苦しい...喉かわいたぁ...死ぬぅ、もう死ぬ。すぐ死ぬ」

俺お得意の弱音を過去最大の規模で吐いたあと少し道にある岩に座った。

元々最上家では書物ばっかり読んでいたせいか体力がこの14年間ちっともつかなかったのである。

その点政宗には勉強ができないのだが。

俺を見て少しいたずらに笑った政宗は俺の隣に腰掛けた。

およそ10分休憩した俺たちは再び歩き続けた。

しばらくすると建設最中の砦のようなところに着いた。

通ろうとすると、門番らしい足軽が通行証を出せとせがむ。

するとおくから人が走ってきて、俺たちを見ると目を丸くした。

「あなた方は?もしかして伊達政宗公であらせますか?」

俺と政宗はすぐ、通され客室に招かれた。

どうやら関東を収める北条氏康の家臣、北条氏直らしい。

氏康の孫である氏直は、この地を収めるために少し勉強も兼ねて働かされているらしい。

「いやー失敬、貴方も大名だとは。ですが政宗公のお友達なんですよね?ならうちとも同盟国だ。」

コワモテな見かけによらず面白い人だ。

身長は172cmとそこまで高くないものの、短い髪の毛をかりあげて少し怖い風に仕上がっている。

どうやら通してくれるようだったが、駿河と近江は武田信玄が占拠しているため簡単には通れないということだった。

しかし北条は武田とも同盟をしているので、北条家から頼んでくれるようにいった。

しばらく北条家にお世話に成ると、俺たちは再び尾張を目指して武田領の駿河近江をとおった。

案外すんなり通れて、あまり入国には苦労しなかったので城下町で宿泊したあと武田領をでた。

三河も過ぎ、無事に尾張国内にはいった。

尾張に着くまで3週間もかかり、長い道のりだったと思い返す。

政宗も少し疲れた表情から明るくなっていた。
 
俺たちは、近くの団子屋で休息をとり休んだ。

旅の疲れにぬるいお茶が美味しく感じた。

俺が信長公の土産としていくつか団子を買うと、
店をでて城下町に向かった。

途中看板があり、手紙が貼ってあった。

"山賊出没ス呉々モ気ヲ付ケロ"

俺「なかなか物騒な話だな」

政宗「だねー。山賊かー怖いなー」

俺「なぜ信長は放っておいたんだろ」

「さぁなぁ...俺たちが信長公の家臣だからかもな」

いきなりの声に驚いて振り向くと10人くらいの野武士がニヤニヤ笑いながら立っていた。

俺「あ、あの山賊ってどの辺にでますか?」

男「この辺だ」

俺「・・・・」

俺「に、逃げるぞ!政宗!」

と政宗の手を引いて駆け出すも政宗が捕まってしまった。

「金とこのお嬢ちゃんをおいてけば命だけは助けてやるよへへへ」

「いーねーこの子可愛いじゃねぇか。」

「おい、あんまり独り占めするなよ?俺も久しぶりの獲物なんだし」

と、後ろで思い思いに話す山賊達。

俺「どうしよ...」

政宗「た、...たす...すけて」

男の1人が政宗を汚らわしく舐めまわしている。

不快に思えた。

いや不快だ。

憎しみが感情を支配する。

俺「おい」

男「あ"?」

俺「やめろって言ってんだろ!」

次の瞬間俺は自分ではありえないほどの素早さで斬りかかっていた。

10m先にいる相手の首を0.1秒単位の速さで斬り落としていた。

突然の出来事に全員が沈黙する。

人間には不可能な速さで敵の首を斬り、更に今次の人物に狙いを定めた。

俺は敵が斬りかかる前に敵を殺す。

男「な、なんだよこいつ」

男「ガキのくせに生意気な」

男「ひ、ひぃ」

ふと我に返り、男達が混乱しているその隙に政宗を抱きかかえて逃げた。

男達はまだ追ってきている。

城下町が見えてきた。

城下町は外周を石の壁でできているため簡単には壊せない。

もう少し、もう少しだ!

俺は無我夢中で走った。

しかし政宗を抱いているためいつもより大幅に遅い。

あっという間に囲まれてしまった。

何かを考えさせないためだろうか一斉に飛びかかってきた。

俺は政宗を足の下に降ろして刀を頭の上に構えた。

刀が構えた刀の上に振り落とされる。

すると政宗が俺の脇差を抜いて、1人の男の股下から回り込んで1人の首を切る。

しかし怯まない男たちは更に押してきた。

このままでは俺は競り合いで負けて殺される。

一瞬刀から方手を離し俺は倒れた男の刀を奪い競り合った者の足を斬った。

政宗に背中を斬られた男が体勢を崩すと周りも転倒した。

城下町は目と鼻の先....

俺は政宗の手を強く握りしめ門を目指す。

...も、門を抜けた!

門の内側は兵士であふれていた。

一斉に門の上から弓が山賊たちを襲う。

山賊は犠牲を出しながらもなんとか引いたようだ。

終わりまでの道のりは長く厳しいものだった。

俺は脱力し壁にもたれかかった。

身体は傷だらけで服は布切れとかしていた。

政宗は俺の横に座り寝る。

そのまま俺の太ももを枕にしたが、俺も起こす程の気力は残っていなかった。

俺らは紅いそらをみあげていた。










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