異世界人類を現代知識チートで導け!

相田 彩太

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第二章 再び遠き理想郷

中書きのような、解説のような、参考文献のようなもの2(これまでのネタバレあり)

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 再びの中書きというか解説です。
 本章でも、主人公の原動力は十分な栄養と健康とおっぱいケアのために現代知識を活かします。
 というか、科学史を調べていくうちに、おっぱい! が作者の脳内に降りて来ただけです。おっぱい!


第二章 文明レベル シュメール文明~古代エジプトレベル(紀元前8000年~紀元前3000年くらい) 

・酒
 糖分が十分に含まれていれば、酒を造るのは簡単です。
 搾り汁をほっとけばいいのです。
 もしくはヤシのような糖分の多い樹液を放置すればそれだけで酒になります。
 ただし、酢になるのも早いです。

 ですが、ビールは手間が掛かります、作り方はキリンビールのHPを参考にしました、
 「古代エジプト キリンビール」で検索すると出てきます。

 参考URL
 <ttp://www.kirin.co.jp/entertainment/daigaku/HST/hst/no40/> アクセス日:2017/8/20

・炭酸カルシウムとその応用
 はい、さっそくDr.St〇neとネタが被りましたね。
 でも、文明の発展にこの素材は欠かせないのです。
 
 炭酸カルシウムは石灰岩か貝類の殻から取れます。
 作中では貝塚から大量に準備しました。

 炭酸カルシウムを窯や炉で825℃以上に熱すると酸化カルシウム(生石灰)になります。
 
 炭酸カルシウム  酸化カルシウム 二酸化炭素
 CaCO3  →  CaO   +  CO2

 酸化カルシウムと水を混ぜると水酸化カルシウム(消石灰)になります。
 ものすごい熱が出ます。

 酸化カルシウム 水      水酸化カルシウム
 CaO  + H2O  →  Ca(OH)2

 これを水と砂と混ぜればモルタルになります。
 レンガの接着剤ですね。

 酸化カルシウム(生石灰)は疫病拡散防止にも使われます。
 日本でも家畜が疫病で死ぬと、これと一緒に埋められます。

・蒸留
 蒸留とは沸点の違いを利用して、温めた時に出てくる気体を分けて(分留して)、特定の物質を濃縮・抽出する事です。
 アルコール濃度を上げたり、油分を分離したりできます。
 土器でも可能ですし、現代でも使われているスゴイ技術です。
 お酒への執念が、今、人類の蒸留技術を向上させる!
 
灌漑かんがい
 農業革命その1ですね。
 これで、水辺だけでなく、少し内陸の地域でも農業が可能となります。
 この作品では、人類は他種族を圧倒的に上回る穀物生産量と穀物由来のビールが最大の強みとなっています。

・数字
 1、2、たくさん!
 文明の発展には数学が欠かせません。 
 なので、まずは数字から主人公は教える事にしました。

・高炉と金属
 高炉の原型は紀元前にはすでに鉄や金属の精錬に使われていました。
 大型の高炉は12世紀くらいです。
 大型高炉から鉄の融点(1536℃)を超えて、鉄を溶かせるようになります。
 やりかたは鉱石と木炭を交互にミルフィーユみたいな層にして空気を送り込んで熱します。
 金属と結びついている酸素や硫黄は、木炭の炭素(正確には燃焼で生じる一酸化炭素)と結合して、二酸化炭素になったり、二酸化硫黄のガスとなって逃げます。

 金属成分は下の溝から溶け出ます。
 下の燃えカスは頑張って掻き出します。

 炉は円筒になっていて上からは、どんどん追加の鉱石と木炭が入れられ、高炉は壊れるまで延々と燃え続けます。

 代表的な鉄鉱石(Fe2O3)の例

 三酸化二鉄  一酸化炭素    鉄      二酸化炭素
 Fe2O3 + 3CO → 2Fe  +  3CO2

 作中で炭酸カルシウムと一緒に入れていたのは、ケイ素などの不純物を除くためです。
 また、時代が進むと木炭の代わりに石炭が、さらに石炭を窯で焼いたコークスが使用されます。
 コークスにするのは石炭の不純物(硫黄など)を除くためです。

 作中では簡単に書きましたが、高炉を作るにも、炉に空気を送り込むにも、いっぱい労力が必要になります。
 Dr.St〇neではそれをネタにしていましたね。
 また、高炉は止めると効率が悪化するので、止めないのが基本です。
 なので、24時間体制で空気を送り込まなくてはなりません。
 もののけ姫で、夜中でもたたらを踏むのが大変! という場面がありましたが、本当に大変です。

 鉛と錫、銅、青銅器、鉄、金、銀、これらは古代エジプトで既に使用されていた金属です。
 灰や貝殻と混ぜて窯で焼くだけで、金属成分が分離したりします。
 問題はその組み合わせを見つける事や鉱石を選別する方法です。
 人類史では失敗や偶然を積み重ねて、そこに到達しました。

・鉛
 鉛の鉱石である、方鉛鉱(硫化鉛:PbS)から作ります。
 その名の通り鉛色の石です。四角く割れる特徴ががあるので、判別しやすいです。
 高炉に入れれば鉛が溶けて出ます。
 融点が低め(327℃)なので、高炉を使わずともパン焼き程度の窯でも大丈夫です。

 硫化鉛    酸素      酸化鉛    二酸化硫黄
 2PbS + 3O2 →  2PbO +  2SO2

 酸化鉛   一酸化炭素  鉛      二酸化炭素
 PbO  + CO  → Pb  +  CO2 

・錫
 錫の鉱石である、錫石(酸化錫SnO2)から作ります。
 ピカピカした黒い石です。
 比重が重いので河川に溜まります。
 これも高炉に入れれば還元されて錫になります。
 また、鉛と同様に融点が低め(232℃)なので、窯でも精錬可能です。

 酸化錫   一酸化炭素    錫    二酸化炭素
 SnO  +  CO  →  Sn + CO2

・銅
 鉄ほどではありませんが融点が1085℃と高いです。
 鉱石としては黄銅鉱(CuFeS2)や輝銅鉱(硫化銅Cu2S)、赤銅鉱(酸化銅Ⅰ、Cu2O)、黒銅鉱(酸化銅Ⅱ、CuO)があります。
 少量ですが、純銅も産出します。
 現代は黄銅鉱からの精錬が中心です。
 輝銅鉱や赤銅鉱や純銅は古代~中世で、ほぼ採り尽くしました。
 作中では、一番楽な赤銅鉱から銅を作っています。
 
 酸化銅Ⅰ  一酸化炭素  銅      二酸化炭素
 Cu2O +  CO → 2Cu +  CO2

  
・青銅
 銅と錫を混ぜると、なぜか融点が下がり、875℃で溶けます。
 しかも硬くなったり、錫の含有量で色が白くなったり、緑っぽくなったり、ピカピカの十円玉のような色になったりします。
 
 溶ける温度が低いので、鋳型で鋳造が可能で、古代では祭器から武器、日用品まで広く使われました。

・鉄
 鉄鉱石(Fe2O3)を大型高炉に入れて作ります。
 大型高炉でないと鉄の融点が1536℃を超えないからです。
 ですが、それより低い800℃程度の窯でも下記の反応は起こって、鉄は発生しています。
 ですので、赤熱した鉄鉱石をガンガン叩けば炭素が抜けて鉄というか鋼になります。
 古代の鉄の製法は溶かさずガンガン叩く方です。

 三酸化二鉄    一酸化炭素     鉄     二酸化炭素
 Fe2O3  +  3CO  →  2Fe +  3CO2

・まとめというか暴論
 硫化金属(PbSとかFeSとかCuS)は最初に焙焼炉(素焼きの窯)に入れて、硫黄分を飛ばして、酸化金属にしろよという意見もあるかもしれません。
 ぶっちゃけ、経済性を無視すれば大型高炉で空気をバンバン送り込んで、高温にしてしまえば、硫化物と酸化物の相互作用が起きて、何とかなって金属が下に溶け出ます。
 あまり高くしすぎるとマグネシウム(沸点1095℃)亜鉛(沸点907℃)鉛(沸点1750℃)は蒸発してしまいますが。
 その他の金属は沸点が2000℃を超えるので、まず蒸発しません。
 高炉の温度は2000℃超くらいです。

 品質が低くなってしまって、経済性は全く無視されますが。

・銀
 銀は灰吹法という方法で抽出します。
 まずは溶けた鉛に砕いた銀鉱石を入れると、銀の成分も鉛に溶けて合金が発生します。
 それを骨灰の皿に載せて再び炉に入れて空気を吹きつけながら溶かすと、鉛は酸化鉛になって、骨灰の中に吸収され、銀の成分だけが皿の上に残ります。

・金 & プラチナ
 これは非常に安定で化合物ではまず採掘されないので、鉱石を粉にしてちまちま集めたり、その粉を水銀と一緒に焼いたり、砂金を集めたりします。
 鉱石中の金やプラチナは上質の鉱脈でない限り、目視すら難しいほど小さいので、古代では砂金や砂白金が一般的でしょう。 

・おっぱい!
 アフリカのドキュメンタリーとかをテレビで見た時、女性が乳房をあらわにしていて、ガッカリした経験はないでしょうか?
 この時代ですとむき出しか、革製になります。
 虎縞ビキニのように柔らかい皮を作るのは難しいのです。
 なので! 布の服を! おっぱい!
 
参考文献
 「世界史を変えた50の動物」エリック・シャリーン著 甲斐理恵子訳 原書房 2012
 「世界史を変えた50の機械」エリック・シャリーン著 柴田譲治訳 原書房 2013
 「世界史を変えた50の植物」ビル・ローズ著 柴田譲治訳 原書房 2012
 「よくわかる 元素図鑑」 左巻健男 田中陵二 PHP2012
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