異世界人類を現代知識チートで導け!

相田 彩太

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最終章 ここから始まる理想郷

その7 俺と光の最終決戦

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 「もういやだ! 俺は降伏するぞ!」
 
 捕虜が寝返った決め手は『じゃあ、開放してやる』という言葉だった。

 「あっちは決まった分しか食べれないし、おいしグラノーラバーは、えらいいやつの物だし、俺はこっちがいい!」

 よしよし、今までの食料の一部に上等な食事を少量混ぜておいた甲斐があったぞ。
 やっぱり贅沢品として、支配者層の手に渡っていたか。

 「うむ、降伏を認めよう。これからは、人の友達として働くのだ」
 「はたらけは、まいにち、グラノーラバー食べれるか?」
 「うむ、はらいっぱい食べれる!」
 「なる! ともだち! なる!」

 うーん、ちょろい。

 包囲が完成してから一週間、ダチョウ人からの脱走者もちらほら出て来た。
 鳥類は兵糧攻めに弱いと思ったが、やはりそうだったようだ。
 しかも、奴ら自身が機動力があるので、積極的に脱走してくる。
 この分なら、あと2~3か月もあれば、5万のダチョウ人の大半は降伏してくるな。
 十分な資材と生産力があれば、戦わずとも勝てるのだ。

 「神様、バス―が間違っていたようです」

 バス―もちょっと反省しているようだ。
 これで、融和的になってくれるだろう。
 もはや、大勢は決した。
 ダチョウ人はこの包囲網を突破できないし。
 この包囲網は1年でも10年でも維持が可能だ。
 それだけの生産力を人類は持っているのだ。
 さて、ダチョウ人が降伏するまでに、メルーに次のエコ技術でも授けておくか。

◇◇◇◇◇

 「さて、メルー、今の人類の問題は何だと思う?」
 「それは……木材の不足でしょうか」
 「正解だ、よく理解しているな」

 この世界で枯渇とまでは言わないが、不足しつつあるのが木材だ。
 料理や明かりで消耗してしまうのだ。

 「そこで、俺が電気、いや電灯を授けよう」
 「で、でんきとは何でしょうか?」
 「それは、雷の小型の物だな」
 「えっ!? 神様は雷を操る事が出来るのですか?」
 「うむ、できるぞ! じゃーん!」

 俺が作ったのはエレキテルだ。
 かつて平賀源内が作ったのと同じだな。
 まあ、これはこいつらをビックリさせるためだけにしか使えないが。

 この箱は鉛でコーティングされたライデン瓶と別のガラスの筒、そのガラス筒をこする綿の板、電気を導くゴムでコーティングされた銅線で構成されている。

 「よし、メルー、外でミニ雷をみせるぞ」
 
 俺は夜空の下に躍り出る。
 ハンドルを回すと、ガラス筒が回り、綿板とこすれ合って静電気が発生する。
 それがライデン瓶に蓄積され、一定以上の電圧に達すると……

 バチッ!

 上部の針金の間を放電するって仕組みだ。

 「すごい! すごいです! もういちど! もういちど!」

 小さいジャンプを繰り返し、メルーがアンコールを要請した。

 「しょうがないなぁ、もう一度だけだぞ」

 バチチッ!

 「ほわー、ほわー! ほっーほーほー!」

 うーん、こんなに喜ぶとは。

 「さて、では電気の説明に部屋に戻るぞ」
 「いやー、もっと、もっと! ほら! 神様の大好きなおっぱいを捧げますから!」

 びろーん、とメルーがおっぱいを丸出しにする。
 うっ、F98は魅力的だが、俺にはやるべきことがある。
 それに室内の方がおっぱいが良く見えるしな。
 
 「さて、その電気だが、これは光と熱と音と動力になる」
 「はい!? 何ですか、そのチートな物は!? 神様の力ですか!?」

 あー、言われてみればそうだな。
 これで、ゆくゆくは計算機や思考回路になると言ったら、どう思うのだろう。
 いや、俺もそこまでは作れないけど。
 今、作れそうなのは、電灯くらいか。
 
 「まずは、光からだ。じゃーん! 手回し式発電機!」

 俺は天然磁石と銅線を巻いたコイルで出来た発電機を見せる。
 動力は人力だ。

 「これを回すと磁石が回転する。すると神の力で、このコイルに電気が発生して流れる仕組みだ」

 ほんと、神の力としか言いようがない。
 現代科学でも、電磁誘導と発電の仕組みは解明されていない。
 なぜか、磁場を変動させると電気が流れるのだ。
 そう考えると、これは神の力としか言いようがないな。

 「神様の力で電気が起こるのですね! そしてそれが光になるのですか!?」
 「そうだ、その電気が、ここの竹ひごの炭を通ると、燃えて光る」

 俺がハンドルを回すと、竹ひごを窯で焼いて作った竹炭、すなわち、竹フィラメントが赤熱し、光を発した。
 タングステン鋼が欲しいが、さすがに鉱石がみつからない。
 見つかれば塩酸に溶かして、高温で水分を飛ばした上で、高炉に入れれば精製できるのだが、まあ、無理だね。

 「すごーい! こんなに細いのに行燈くらいの明るさがあります」

 ちなみに、この世界での明かりは松明か炭か行燈が一般的だ。
 十分な明るさを求めると、どうしても松明になってしまう。

 「あっ……消えました」

 数分で竹フィラメントは燃え尽きた。

 「これでは、時間が短すぎてしまう。だから一工夫をした物がこっちだ」

 俺はガラスの球の中に竹フィラメントを入れた物を取り出す。
 そして、そこから出ている銅線を発電機につなぐ。

 「さて、今度はメルーが回してみろ」
 「はい! あっ光りました!」
 「まだ、光ってます! すごいです! 長いです!」
 「すごい! すごい! ずっと光ってます」
 「光ってます……」
 「ます……」
 「……」
 
 朝が来た。
 最初はハンドルの回転を速くしたり、遅くしたりして変化を楽しんでいたメルーだが、やがて右手を左手に変え、ついにはバス―を呼んで交代したりしていたが、だんだん、口数が少なくなっていった。

 「ねえ……神様、これって、いつまで光り続けるのですか?」
 「んー? 10日くらいかな?」

 タングステンだと一か月くらいになるが、竹では200時間程度だ。
 三酸化タングステンの黄色い鉱石が天然物にあればいいのだが。
 メルーは手を止めた。

 「神様、お言葉ですが、これは実用は難しいと思います」
 「なぜだ?」
 「手が疲れます」

 うーん、一理どころか百理ある。

 「そこは解決策はすでに用意してある。それよりも、こっちの電球で試してみろ」

 えー、まだやるのー、といった顔でメルーはそれを受け取る。
 そして、電球を取り替えて、回し始めた。
 だが、それは数分で消えた。

 「えっ!?」
 「さっきのと、今のとでは、素材は同じ竹炭だが、ある点が違う、そこを当ててみるんだ。俺は寝る」

 これは課題だ。
 俺は気づいている、メルーには才能がある、だから彼女が自力でこの差を見出した時、その時の考え方を後世に伝えたなら、それは人類の宝に、叡智になるだろう。

 「じゃなー」
 
 そして俺は寝室に向かう。
 おっぱいの夢を見る事を夢見ながら。
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