異世界人類を現代知識チートで導け!

相田 彩太

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最終章 ここから始まる理想郷

その14 俺と女王の最終決戦

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 は"持つ者"だ。
 強靭な肉体と豊かなおっぱい、きっとクーパー靭帯も人間のそれとは強度が違うのだろう。
 形の良い見事なおっぱいだ!
 だが、ヒトは弱い。
 ブラジャーに守られてなければ、おっぱいは力を失って垂れてしまう。
 所詮、"持つ者"には"持たざる者"の気持ちなど理解できないのだ。

 「ほう、お主は平和に生き残る最後のチャンスを失うというのか?」
 「男には命に代えても守るべきおっぱいがある!」
 
 ごめんなさい、男におっぱいはないです。
 だから、そこの男ども、ブラジャーを握りしめながら頬を赤らめるのは止めろ。
 俺が守りたいのは女の子のおっぱいだ! お前らのじゃねぇ!

 「そうか、あのお方のめいさえ守れれば、縄張りなど、どうでも良かったのだが。ならば妾と下等人類で雌雄を決するしかないな」
 「神様! 一緒に戦いましょう! みなが力を合わせれば、きっと勝てます」
 「だめだ! 俺ひとりで戦う!」
 「なぜですか!?」

 理由はいくつかある。
 まず、この女王とやらは強い。
 皆で掛かれば勝てるかもしれないが、後ろのドラゴンが加わると、被害が甚大になる。
 そして何よりも、男は戦う時はひとりがいい、ひとりでいい。
 自らの肉体を分け与えるヒーローのように、愛すべき仲間を危険にさらす事などせず、愛と勇気だけをともに戦うべきなのだ。
 
 「それは、くだらない俺の矜持きょうじだ」

 俺は一歩前に踏み出し、そしてバス―やメルー、ドトーは下がる、ドラゴンたちもだ。
 俺は手を差し出し言う、

 「本当なら、ご一緒にダンスでもと声をかけたかった。麗しい女王よ」
 「ふむ、口は達者だな。だが、下等人類が妾と対等だと思っているのが間違いなのだ。竜族は、この世界の支配者で、そして妾は竜族の女王である」

 女王の手と俺の手が一瞬触れ合うと、俺たちは素早く後ろにステップした。

 「ゆくぞよ、下等人類」
 「おいでませ、竜人女王ドラゴニュート・レディ

 女王は背中から翼を出すと、高速で俺に向かって来た。
 時速120kmは超えている。
 というか、体内に格納出来る翼って何だよ! 
 チートかよ!
 
 「はやいです!」
 「あれ、ドトーの倍くらいの速さがあるぞ!」

 翼を持つ生物の速度が高いのは当然だ。
 だが、それは落下のエネルギーを速さに変えているからだ。
 あの体重と、この低空飛行でこの速さは反則だ。

 「くそっ! この世界の揚力は一体どうなってやがる!」

 女王の突進を俺は紙一重でかわせない。
 二の腕の肉がえぐられた。

 「ほほう、胴を貫けぬとはな。少しはやるようだ」

 再び、女王の突進が俺に向かう。
 足に一筋の赤い線が入り、そこから血がにじみ出た。

 「いやはや、思ったよりやりおるわ」

 俺の血がしたたる爪を眺めながら女王が言う。
 だが、その余裕も、もう終わりだ。

 「いい事を教えてやろうか」
 「ん? なんじゃ?」
 「俺はお前より弱い!」

 はぁ!? 
 そこに居る全員が呆れたような目をする。

 「俺よりお前の方が、速く、力強く、防御力もあり、攻撃力もある!」
 「ふむ、降参するとでも言うのかぇ」
 「違うな! それでも俺が勝つという事さ!」

 俺の手に武器はない、ダイナマイトも暗器も隠し持ってはいない。
 だが、俺には技がある。
 人の可能性もある。
 それらを駆使すれば、ただ速くて強いだけの巨乳竜人ドラゴ・ボイン・ニュートに負けはしないのだ。

 「やはり口だけは達者なようじゃな」

 再び、低空飛行からの突撃で女王は攻撃してくる。
 甘いよ、それはもう見切った。
 ヒトが他の生物より優れている物は多くある。
 
 まずは動態視力。
 卓球やテニスの球の速度は時速200kmを超す、ヒトの目はそれを捕らえ、さらには回転方向すら見切れる。
 俺は女王の貫手ぬきての手首を掴む。

 次に触覚。
 この掴んだ手の感触から、力の流れを読む。
 俺は女王の手首をひねる。

 そして、想像力。
 その手首に下向きの力ダウンフォースを加えると、構造上動かない方向の関節が、前に進む力を止める。
 そして、余った力で関節が破壊されそうなのを防ごうと体は無意識に回転する。
 女王の体は上向きに飛び上がった。
 そして、俺は掴んだ手首を地面に向けて引っ張る。
 
 バターン!

 女王はもんどりうって背中から地面に叩きつけられた。
 即席の合気術だ。

 「えっ!?」

 何が起きたのか分からない様子で、女王は地面から天を仰ぐ。

 「まぐれです! 母上!」
 「わかっておる!」

 わかってないな。
 女王は立ち上がり、再び低空飛行で攻撃してくるが、俺は難なくそれをかわす。
 迅いが、もはや見切れるのだ。
 例え時速100kmを超す速度であっても、ヒトは簡単にそれを見切れるようになる。
 ヒトは、ちょっと練習すれば、バッティングセンターで120km程度のストレートならジャストミート出来るようになるのだ。

 今まで、速さと強さだけに頼った戦い方しかしてこなかったのだろう。
 テクニックでは俺の方が圧倒的に上だ。

 「くそっ! なぜ当たらぬ!」

 突進を止め、拳と蹴りで攻撃してくるが、それも俺には通用しない。
 相手の攻撃を見切った時、最も効果的な反撃は何であろうか?
 間違いなく、ドロップキックだ。

 バキャ!

 俺は女王の腕を取り、それを飛び越えるような高さまでジャンプすると、カウンター気味にドロップキックをかました。

 「わ、妾の顔に、ど、泥が……!」
 「すまない、泥にまみれた横顔も優美だぞ」
 
 偽りではない、汚れは、時に美しさを際立たせる。

 「ふっ、フハハハハハ! 遊びは止めじゃ。あのお方から頂いた能力ちからを使い、確実に勝つとしよう!」

 あのお方……おそらく、それが元凶。

 「刮目して見るが良い! 理想の姿を!」

 ボイン

 女王のおっぱいがHカップになった!
 すらりとした体躯に迫力的なおっぱい、素晴らしい!
 しかも、寄せて上げていたり、肺に空気を満たして増やしたのではない。
 あれは本物……真乳しんにゅうだ!
 まさか! この短期間で成長を遂げたとでもいうのか!?
 さすがファンタジーは一味違うぜ!

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