超絶! 悶絶! 料理バトル!

相田 彩太

文字の大きさ
33 / 120
第二章 一回戦

その4 光栄に思うがいい!

しおりを挟む

 俺の後片付けが終了し、俺と師匠がすっかりと見学モードの入った頃、お互いのチームの歌合戦が終わった。

 「へぇ、やるじゃない」

 息を切らせながら部長が言う。

 「ユーたちもデース。わたくしも実力を魅せる事にしようか……実力をな」

 フリージア様たちも部長に向き合う。
 さすがはアイドル、炎天下でも汗ひとつかいていない。

 「私もよ、本気でやりましょう……」

 部長は、まだやる気らしい。
 彼女は素の能力で運動部員に勝つくらいスポーツ万能だからな、スタミナも十分だ。

 「えー、なでちゃん、もうつかれたよ~」

 肩で息を切ると、蘭子のおっぱいが揺れる
 勝てる! このおっぱいなら!

 「かんちがいしているようネ! いま、みせたのが本気だとおもったのですか!?」

 なに!? 

 「よし! 先に期待感をあたえておいてやろう……、どうしようもない期待感をな……」

 まさか……

 「このフリージアは服を脱ぐたびにエロさがはるかに増す……、その服をあと2枚もわたくしは残している……、その意味がわかるな?」
 「な……なんだと……!?」

 観客から歓声が上がる。

 「な、なんだって!? フリージア様は、なんていったんですか!!」

 俺のテンションもMAXになり、思わず師匠に問いかけてしまう。

 「フ…フリージア様は、ま…まだ2回も、へ…変態する…」

 会場の視線が集まり、唾を飲み込み音が聞こえる。

 「みせてやろう!! 光栄におもうがいい!! 生まれたままの姿を、全世界に公共の電波で、光通信網でみせるのは、わたくしが初めてだ!!!」

 会場のボルテージが最高潮クライマックスに達し、誰もがフリージア様の一挙手一投足に瞳を囚われた。
 スパーン! スパパーン!
 ハリセンを持った座本さんと百々目鬼さんのツッコミが入った!
 まあ、そうなるわな。

 「ちょっと何よ! フレンドリーファイア!? ホワイ!」
 「いいかげんにしなさい! 二度と表を歩けなくなるぞ!」
 「そういうのもいいかも!」

 あーだめな人だ。

 「それに、ガイダンスであったでしょ、法律違反は即失格! って」

 あー、そんなんのもあったな。

 「それに、あなたが痴女になるのはいいが、放送局の皆様に迷惑がかかるでしょうが!? この企画をおじゃんにする気!?」

 ごもっともですな。

 「そうです! このままでは失格ですよ! というか、プロデューサーの首が飛ぶので止めてください!!」

 司会の人も必死に訴える。

 「しょうがないデース、今日はこのくらいにしといてあげるわ!」
 「それは、こっちのセリフよ!」

 腰をかがめたポーズでフリージア様と部長がにらみ合う。
 うむ、エロくて良いぞ。
 でも、そろそろ本筋にもどろうな、なっ!

 ◇◇◇

 「タイムアッープ! 時間が終了しました、調理を止めてください! といっても既に両チームとも止めていますね」

 互いの作業台には人数分の弁当が並べられている。

 「では、審査に入りましょう! 先攻のビッグバストブービーズからどうぞ!」

 審査員の前に弁当箱が運ばれる。
 「では、これがわたくたちの『愛情欲情肉団子弁当』です!」

 ほう、肉団子か、愛しのガキども用によく世話になったな。

 「あなたたちもどうぞ」

 座本さんが俺たちの分も持ってくる。
 そういえば、昨年のチャンピオンの魚鱗鮨も同じ事をやっていたな。
 まあ、俺たちも用意しているのだが。
 弁当箱は炎天下という事もあって、まだ温かい。
 蓋を開けると、黒ゴマが振られた白米の上に、桜エビでハートが描かれていた。
 そして、その横には肉団子とサラダとリンゴだ。
 肉団子には、シナモンやココナッツパウダー、松の実がまぶされ、オレンジソースがかけられている。
 サラダは人参と、これなんだ?
 鮮やかな橙色の人参に混ざって赤茶色の細切りが入っている。

 「では、いただきます」

 審査員と俺たちは手を合わせ箸を取る。
 最初は気になるサラダからだ。
 サラダを口に入れると、甘さを感じる、ドレッシングはオリーブオイルと酢と香辛料だと思われるが、この甘さは何だ?
 でも、この甘さは良いな。

 「これ、デーツね!」

 部長は正体に気付いたようだ。

 「そうです。人参とデーツのサラダよ」

 座本さんが解説してくれる。
 そうか、デーツか、意外と合うな。

 「なますに干し柿を入れるようなものね。おいし~」
 「意外と本格的な料理だ―!」

 司会の人が失礼だが俺と同じ感想を叫ぶ。

 「この肉団子もいけるぞ! 表面は甘めだが、中身はジューシーだ!」

 ほほう、肉団子も良いのか、シナモンやココナッツパウダーはドーナツなら鉄板だが、肉団子にも合うのかな?
 俺は肉団子を箸で取り口に運ぶ。
 ほのかに甘い口当たり、だが、噛みしめると肉の塩気と肉汁が交じり合う。

 「美味うまい」

 正直な感想が口から出る。
 ゴマが振りかけられたご飯や、桜エビとよく合う。
 桜でんぶではなく、乾燥桜エビをそのまま使ったのは、塩気と食感を向上させるためか。

 「ねえ、気づいてる?」

 部長が肘で小突き、小声で話しかけて来た。

 「いや、何かこの弁当に秘密でもあるのか」
 「そう、気づいてないのね。だったら私の出番ね」

 特別審査員も一般審査員も美味しそうに弁当を食べている。

 「評価は上々だー! でも、これ普通の美味しい弁当ですよね? どこが『愛情弁当』なのですか?」

 フリージア様にマイクが向けられる。

 「フフフ、それはですね」
 「ちょっと待ったー! それは私が説明するわ!」

 部長が席から飛び出し、マイクを分捕る。

 「へえ、気づいたのですか。流石と言っておきましょうか」
 「ええ、秘密は材料にあるわ!」
 「材料!? 特に変な物は無かったと思いますが」
 「変な物はなかったわ。でも規則性はあった。決め手は肉団子の中に入ってたナツメグとクローブよ!」
 「正解デース! よく気づきましたね! お姉さん褒めちゃうぞ(はぁと)」
 「ナツメグとクローブ? それが何か? 肉団子やハンバーグに入れるのは普通だと思いますが?」

 司会の人が言う通り、普通だ。
 部長は一体、何に気付いたんだ?

 「普通よ、でも、ナツメグ、クローブ、シナモン、松の実、ココナッツパウダー、デーツ、それにオレンジソース……これらは全て! かつて媚薬の原料とされていた物よ!」

 審査員の箸が止まった。

 「それだけではありませーん! ゴマは若さを取り戻す秘薬としても使われましたし、桜エビにはミネラルが多数含まれています! 具体的には亜鉛とか!」

 亜鉛、それは精液の栄養になると言われているミネラル!

 「こ、これはー! まさしく『愛情肉団子弁当』だー!」

 会場が歓声に包まれる。
 主に男性陣のテンションが盛り上がった!

 ◇◇◇

 「で、では一般審査員の方々の声を聞いてみましょう」

 司会の人がステージを離れ、一般審査員のエリアにインタビューに向かう。

 「こんな弁当初めてです!」

 俺も初めてです。

 「フリージア様の姿を見ただけで、元気が出ました!」

 俺は別の所が元気になりました。

 「BビッグBバストBブービーズの弁当に彼女に告白する勇気をもらいました!」

 がんばれー! 

 「一般審査員の方々も好評です!」
 「ふふふ、わたくしたちが赤マムシやオットセイの性器を使って料理するとでも思いましたか!?」と座本さんが言う。

 すみません、正直思っていました。

 「愛情は日常の中ではぐくむ物さ。あまりに明らかなセックスアピールは男心を引かせちまうぜ!」

 百々目鬼! お前らがそれを言うのか!

 「だから、ひそやかに情熱というかリピドーというか、生命の本能を奮い立たせる! それが『愛情欲情肉団子弁当』! そう、わたしがおっぱいだ!」

 フリージア様が胸を張り、その爆乳を揺らす。

 「「「わたしたちが! BビッグBバストBブービーズよ!!!」」」

 そして三人は決めポーズを取る。
 言っている意味はよくわからんが、とにかくスゴイおっぱいだ! 
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました

黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。 彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。 戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。 現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと! 「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」 ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。 絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。 伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進! 迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る! これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー! 美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。 人生、逆転できないことなんて何もない!

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

異世界召喚された俺の料理が美味すぎて魔王軍が侵略やめた件

さかーん
ファンタジー
魔王様、世界征服より晩ご飯ですよ! 食品メーカー勤務の平凡な社会人・橘陽人(たちばな はると)は、ある日突然異世界に召喚されてしまった。剣も魔法もない陽人が頼れるのは唯一の特技――料理の腕だけ。 侵略の真っ最中だった魔王ゼファーとその部下たちに、試しに料理を振る舞ったところ、まさかの大絶賛。 「なにこれ美味い!」「もう戦争どころじゃない!」 気づけば魔王軍は侵略作戦を完全放棄。陽人の料理に夢中になり、次々と餌付けされてしまった。 いつの間にか『魔王専属料理人』として雇われてしまった陽人は、料理の腕一本で人間世界と魔族の架け橋となってしまう――。 料理と異世界が織りなす、ほのぼのグルメ・ファンタジー開幕!

異世界に転移してしまった私、古民家をもらったのでカフェを始めたら大盛況。国王陛下が頻繁に来るのですが、どうしたらいいですか?

来栖とむ
ファンタジー
ブラック企業で疲れ果てた30歳の元OL・美里(みさと)が転移した先は、見渡す限りの深い森。 そこで彼女が授かったのは、魔女の称号……ではなく、一軒の**「日本の古民家」**だった! 亡き祖母が遺したその屋敷には、異世界では失われたはずの「お醤油」「お味噌」「白いお砂糖」という禁断の調味料が眠っていて――。 「えっ、唐揚げにそんなに感動しちゃうの?」 「プリン一口で、国王陛下が泣いちゃった……!?」 おにぎり、オムライス、そして肉汁溢れるハンバーグ。 現代日本の「当たり前」が、この世界では常識を覆す究極の美食に。 お掃除のプロな親子や、お忍びの王様、さらにはツンデレな宮廷料理人まで巻き込んで、 美味しい香りに包まれた、心もお腹も満たされるスローライフが今、始まります!

50代無職、エルフに転生で異世界ざわつく

かわさきはっく
ファンタジー
就職氷河期を生き抜き、数々の職を転々とした末に無職となった50代の俺。 ある日、病で倒れ、気づけば異世界のエルフの賢者に転生していた!? 俺が転生したのは、高位エルフの秘術の失敗によって魂が取り込まれた賢者の肉体。 第二の人生をやり直そうと思ったのも束の間、俺の周囲は大騒ぎだ。 「導き手の復活か!?」「賢者を語る偽物か!?」 信仰派と保守派が入り乱れ、エルフの社会はざわつき始める。 賢者の力を示すため、次々と課される困難な試練。 様々な事件に巻き込まれながらも、俺は異世界で無双する! 異世界ざわつき転生譚、ここに開幕! ※話数は多いですが、一話ごとのボリュームは少なめです。 ※「小説家になろう」「カクヨム」「Caita」にも掲載しています。

【完結】元Sランク受付嬢の、路地裏ひとり酒とまかない飯

旅する書斎(☆ほしい)
ファンタジー
ギルド受付嬢の佐倉レナ、外見はちょっと美人。仕事ぶりは真面目でテキパキ。そんなどこにでもいる女性。 でも実はその正体、数年前まで“災厄クラス”とまで噂された元Sランク冒険者。 今は戦わない。名乗らない。ひっそり事務仕事に徹してる。 なぜって、もう十分なんです。命がけで世界を救った報酬は、“おひとりさま晩酌”の幸福。 今日も定時で仕事を終え、路地裏の飯処〈モンス飯亭〉へ直行。 絶品まかないメシとよく冷えた一杯で、心と体をリセットする時間。 それが、いまのレナの“最強スタイル”。 誰にも気を使わない、誰も邪魔しない。 そんなおひとりさまグルメライフ、ここに開幕。

完結 辺境伯様に嫁いで半年、完全に忘れられているようです   

ヴァンドール
恋愛
実家でも忘れられた存在で 嫁いだ辺境伯様にも離れに追いやられ、それすら 忘れ去られて早、半年が過ぎました。

英雄召喚〜帝国貴族の異世界統一戦記〜

駄作ハル
ファンタジー
異世界の大貴族レオ=ウィルフリードとして転生した平凡サラリーマン。 しかし、待っていたのは平和な日常などではなかった。急速な領土拡大を目論む帝国の貴族としての日々は、戦いの連続であった─── そんなレオに与えられたスキル『英雄召喚』。それは現世で英雄と呼ばれる人々を呼び出す能力。『鬼の副長』土方歳三、『臥龍』所轄孔明、『空の魔王』ハンス=ウルリッヒ・ルーデル、『革命の申し子』ナポレオン・ボナパルト、『万能人』レオナルド・ダ・ヴィンチ。 前世からの知識と英雄たちの逸話にまつわる能力を使い、大切な人を守るべく争いにまみれた異世界に平和をもたらす為の戦いが幕を開ける! 完結まで毎日投稿!

処理中です...