野菜士リーン

longshu

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第1章

1-23 王女レティシアの即位 その3

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そして、王女 レティシア・F・エーベルゴードが御小姓にかしずかれて姿を現した。

「おおおっ。」

居合わせた諸侯から、どよめきと堪えきれない嘆声が漏れる。美しい、あくまで美しいのだ。そこに居るのは長くストレートの漆黒の髪を後ろで束ね、シンプルな白のワンピースに身を包まれている聖女であった。女神と見まごうが如き形の良い卵形の顔の輪郭、憂いを帯びた切れ長で少し下を向いた瞳、スレンダーな体つきと均整の取れた長く健康的な足、そして水晶のように透き通った綺麗な白い肌。神話から出来てきた光の女神と言っても過言ではないほど、その姿は暖かく神々しくそして清らかさに満ちていた。

レティシアは、彼女の持つ美しさへの賛美にまったく気がつく風もなく、皆の集まる王座まで恭しく威厳を持って歩を進める。今日のこの日まで幾百度となく練習は積み重ねておいたのであったが、それでも緊張しているのか頬が上気しほんのり紅く染まっている。それでも歩みを滞らせるようなことはなく自身の任務を忠実に全うしようとしている。その初々しさ、それでいて揺るぎない気品に満ち満ちている様は、男性諸侯はもちろん、女性魔道士や住民たちも、現王女そして女王への即位という絶対者の地位に信任を与えるに十分であった。

レティシアが玉座の傍らに着くと、玉座の右横に腰掛けていた老司教が立ち上がった。

彼は『ウェールズ』王国に広く布教されている『光のルーン』信仰の守り神ヨハネ大司教である。『英雄戦争』の始まるずっと前から、『ヴァルヴァンティア』のオーム大聖堂の大司教を務め、貴族たちの間へ熱心に教化を施してきた人物である。教義に極端すぎて政治や世間の動向にはまったく疎く、王政側の平民への弾圧などまったく目に入っていなかったのだが、かといって、貴族の平民虐待に加担したわけではなかったため、『ルーアン』市民には完全に宗教画の中の人物として捉えられており評判はそれほど悪くなかった。

皆を座らせるように軽く動作で促してから、やがて『ミズガルズ』とは遠く海を隔てた異界から伝わる『光の教本』の中の一節の宣誓と祈祷を始めた。

「この時代は邪悪な時代である。それはしるしを求めるが、ヨナのしるしのほかには、なんのしるしも与えられないであろう。というのは、ニネベの人々に対してヨナがしるしとなったように、人の子もこの時代に対してしるしとなるであろう。南の女王が、今の時代の人々と共にさばきの場に立って、彼らを罪に定めるであろう。なぜなら、彼女はソロモンの知恵を聞くために、地の果からはるばるきたからである。しかし見よ、ソロモンにまさる者がここにいる。ニネベの人々が、今の時代の人々と共にさばきの場に立って、彼らを罪に定めるであろう。なぜなら、ニネベの人々はヨナの宣教によって悔い改めたからである。しかし見よ、ヨナにまさる者がここにいる。

だれもあかりをともして、それを穴倉の中や枡の下に置くことはしない。むしろはいって来る人たちに、そのあかりが見えるように、燭台の上におく。あなたの目は、からだのあかりである。あなたの目が澄んでおれば、全身も明るいが、目がわるければ、からだも暗い。だから、あなたの内なる光が暗くならないように注意しなさい。もし、あなたのからだ全体が明るくて、暗い部分が少しもなければ、ちょうど、あかりが輝いてあなたを照す時のように、全身が明るくなるであろう」。 -ルカによる福音書 第十一章 -

「光の教本の予言に示す通り、現在我々『ウェールズ』は<南の女王>から弾圧をほしいままにされ、存亡の危機に瀕しておる。しかし、『光の教本』の予言通り南の女王に勝れる者が出現した事をワシは今ここで宣言する!」

「聖書にこう書いてある、「見よ、わたしはシオンに、選ばれた尊い石、隅のかしら石を置く。それにより頼む者は、決して、失望に終ることがない」。

この石は、より頼んでいるあなたがたには尊いものであるが、不信仰な人々には「家造りらの捨てた石で、隅のかしら石となったもの」、 また「つまずきの石、妨げの岩」である。しかし、彼らがつまずくのは、御言に従わないからであって、彼らは、実は、そうなるように定められていたのである。しかし、あなたがたは、選ばれた種族、祭司の国、聖なる国民、神につける民である。それによって、暗やみから驚くべきみ光に招き入れて下さったかたのみわざを、あなたがたが語り伝えるためである。あなたがたは、以前は神の民でなかったが、いまは神の民であり、以前は、あわれみを受けたことのない者であったが、いまは、あわれみを受けた者となっている。

愛する者たちよ。あなたがたに勧める。あなたがたは、この世の旅人であり寄留者であるから、たましいに戦いをいどむ肉の欲を避けなさい。異邦人の中にあって、りっぱな行いをしなさい。そうすれば、彼らは、あなたがたを悪人呼ばわりしていても、あなたがたのりっぱなわざを見て、かえって、おとずれの日に神をあがめるようになろう。

あなたがたは、すべて人の立てた制度に、主のゆえに従いなさい。主権者としての王であろうと、あるいは、悪を行う者を罰し善を行う者を賞するために、王からつかわされた長官であろうと、これに従いなさい。善を行うことによって、愚かな人々の無知な発言を封じるのは、神の御旨なのである。自由人にふさわしく行動しなさい。ただし、自由をば悪を行う口実として用いず、神の僕にふさわしく行動しなさい。すべての人をうやまい、兄弟たちを愛し、神をおそれ、王を尊びなさい。」 -旧約聖書 ペテロの第一の手紙 第二章 -

「今は、聖都『ヴァルヴァンティア』を蛮民に奪われてしまっておるが信仰を持たぬ奴らにとっては<つまずきの石、妨げの岩>に過ぎぬ! 『レボルテ』からの弾圧を跳ね除け聖都を奪還する唯一無二の手段は、教本に示す通り 『光のルーン』の信仰じゃ。先の大戦争にて我々が敗れ去った原因はおのが欲望のみを肥大化させた団結心の無さじゃ、聖典にも<肉の欲を避けなさい>とある。各々方我欲は少なく<兄弟たちを愛し、神をおそれ、王を尊ぶ>のじゃ!蛮民にそれはなく我々にはそれによる団結がある。『光のルーン』信仰を厚くし、我々祖国の復興を達成しようではないか!」

《ジァフゥグアン、ウェイラレティシアワンニィフゥ『ウェールズ』ワングオ》(光のルーンよ、レティシア王女と『ウェールズ』王国に、光のご加護を!)

何故に遠く海を隔てた異世界の教本がここまで広く『ウェールズ』王国に受け入れられ、多くの支持を集めているかは別議論として、今日の『光の教本』を用いた宣誓については、ジルブレヒトによって演出された無信仰で野蛮な『レボルテ』の蹂躙による『光のルーン』信仰の存亡の危機と、それらの打破を印象付けられている。事情を知らない他国人からすれば宗教を政治利用されているように見える節もあった。

《おいおい、なんだかきな臭い演説になっちまったな~、だいたい『光のルーン』って言ったってオレたちが使う風とか炎のルーンと属性が違うだけだってのに、、、何で、あんな訳の分からない教本が幅を利かせてるんだよ、この国は?》

《それが貴族主体だった『ウェールズ』王国を統治するのに都合のいい手段だったからよ、見なさいよ、フーリエ領主やサイト代表を、感動して涙してるじゃないの。今のところ、これに変わる良い統治手段は無いんだから、四の五の言わないことね。》

《ま、オレは全然関係ないから良いんだけどよ、、、。でも、王都奪還!とか気勢を上げて、また戦争に一枚加わるのはめんどくせぇな~、、、。》

《そうなったら、その時でしょ!どのみち私達もいずれルーンの基に還る身、『ウェールズ』に恩はあるしこの間古代魔道書『とあるイフリートの記録』で見つけた、試してみたい魔法もあるわ。》

《『ウェールズ』に忠誠ってまじかよ、よくやるな~、そうなったらオレはさっさとサヨナラするぜ。》

ヒュードとヴァンが『光のルーン』信仰の種明かしをしている頃、領主や民衆の代表達は光の大司教ヨハネの演説に涙を流さんばかりに感動し、『光のルーン』信仰による国家団結と王女レティシアを冠しての王都奪還を心に誓っているのだった。

続いてヨハネは《光のルーン》の詠唱とともに聖油をレティシアの額に塗ると、『ウェールズ』王国に代々伝わる宝物を授けた。

「神代の時代より『ウェールズ』に伝わる『帝冠』、『輝きの錫杖』、そして『宝剣デュランダル』じゃ!エグバート大公もこれを用いて『ミズガルズ』の中原を平定された。その象徴となる宝具じゃ。我々『ウェールズ』の復権はそなたの威光に掛かっておる、共に手を取り合い、かつてあった王国の栄光を取り戻そうぞ!」

大司教に王位継承の儀式を施され、かねてからファビウス、ジルブレヒトによって練られていた段取り通りに、出来る限りの威厳を保ってレティシアは演説を行う。

「今、ここに大司教ヨハネ様より王家相続の儀礼を施されました、私は『ウェールズ』建国の父、かのエグバート大公から数えて38代目の正当王位継承者、先王エアハルト・F・エーベルゴードの娘、レティシア・F・エーベルゴードです。」

言ったか言わぬかの内に、領主たちから愛国心に満ちた拍手と嘆声が起こる。民衆たちも期待と懐疑の混ざった複雑な面持ちでレティシアの言葉を一言も聞き漏らすまいとしている。

続いて、流麗で聡明な語り口でレティシアは流れるように話を進めた。

「私は先の大戦で王家の血筋をなんとか存続させるように、そこにいるジルブレヒトの手によって7年に渡り辺境の漁村に匿われておりました。私以外の王族たちがすべて抹殺されてしまったのはとても残念な事ですが、私達貴族が採った皆々様への統治策の誤りが引き起こした、いわば自壊です。かつて『ミズガルズ』に比類なき勢力を持っていた私達も民衆蜂起から起こった『革命軍』に敗れ去ってしまった。我々の取っていた厳しい階級制度は過ちだったのです。エーベルゴード家で唯一生き残った私は、これから貴族と民衆の身分の違いを是正し、強力に団結する一国家を作り上げます。私自身の存在の全てを掛けて『ウェールズ』復権のために取り組みます。あなた達もどうか力を貸してください!」

ここまでレティシアが熱意を持って切々と語りかけると、民衆たちから怒号にも似た盛大な大歓声が巻き起こった。涙している者もいる。戦前の長年に及ぶ貴族の横暴に遭い、今となっても王家にとって復讐の念を抱いている者すらいた民衆代表者達も、誠実で表裏のない彼女の言葉に心を動かされたようであった。

ー民衆達の小声での会話ー
(ああ、ここまで明確に決然と『ウェールズ』のかつてのあり方の過ちを認めて、今後の壮大な決意を述べられるとは、レティシア様はこれまでの王族の人間とは全く違うぞ!)

(何より抜群に綺麗で気品があるわね~。)

ーファビウスとジルブレヒトの小声での会話ー
(こ、これは、、、ここ『ルーアン』以外は、まったくもって統制ままならなかった平民たちが、今この式典の中では彼女を中心にまとまっておるわ。ワシらが背後で練っていたとは言え、彼女に実際に言葉を紡ぎ出されると改めて目が覚める思いじゃわい。ジルよ、よくもこんな素晴らしい器を持った者を遺しておいてくれたものじゃ!!)

(ファビウスよ、レイシアの教育係を受け持っていた10年前からオレは見抜いている。100年いや、1000年に一人出るか出ないかの大君の器だと。双子の姉のレイシアに隠れて注目されていなかったが、彼女も相当の能力と資質を内に秘めている。)

(『英雄戦争』の折は敵前でいきなりレティシア様をかっさらって逃げたお前を『革命軍』を差し置いてでも討ち取らん、とも思ったものじゃが、ここまで先を見抜いておったのじゃな、、、)

(ふ、7年前の事だ、もうよい。今ならオレも野蛮民レーネめに対抗する闇魔法を見つけ出し会得している。逃亡するような真似はすまい。捲土重来だ!)

(は、頼もしいの、ここ数年『ルーアン』死守を座右の銘としておったが、反攻する作戦も選択肢の一つに加えないといかんの。)

(元よりそのつもりだ。)

ファビウスとジルブレヒトは、彼女の持つ類まれなる資質と国宝級のカリスマ性を正当に評価して、今は落ちぶれてしまっている『ウェールズ』王国の挽回策を話し合うのだった。


ーヒュードとヴァンのルーンによる会話ー
《ああ、レティシア様のためなら例え火の中水の中、なんでもやります~。》

《何よ、バカ。でも王女様改め女王陛下、とっても誠実だし善良だしカリスマ性抜群ね。これから『ウェールズ』は強くなるわよ。》

そして、伝説的な即位式を終え庭へ出て民衆たちへ笑顔を振りまいたレティシアは一躍、時の人となる。数時間後、初々しくも大歓迎の式典を終え、これまではなかった王家、貴族、平民、共同での晩餐会では『ウェールズ』の再興への道を確認しあう、無邪気で楽しげな笑顔に満ちたレティシアの姿があるのであった。
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