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第1章
1-46 海神エーギルとフレーセイ島 その3 水銀のネコ
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リーン達は、それらお持てなしとも思える調度品達の右隅に奇妙な光景を目撃する。幅20cmの正方形で出来た高さ1mほどの四角柱が1m間隔で4本、正方形の頂点にあたる位置に並んで立っている。材質は『ミズガルズ』では見たこともないような明るいメタリックグレーで輝く何らかの金属だ。最近『レボルテ』で流行しているミスリルや、鋼鉄などでは決してない。その輝きは水銀にも似ているが固体だ。
そして、その上に片目ずつ蒼い目と紅い目をしたヘテクロミアのシャム猫が1匹、石の間を等しく時間を置いて乗り移っている。自由奔放を絵に描いた存在が”猫”というものだが、その”猫”はこの場では等しく正確に同じ時間で次の柱に乗り移り、それ以外は背中をなめたり、時には漠然と前を見たりしている。猫はリーン達を認めたが、チラとそちらを見るとまるで興味がないかのように、これまでと同じルーティーンの動きをまたこれまで通り続けた。まるで時計のような規則正しさだ。それはそれはとても奇妙な光景だった。
「あら?あれは何かしら?」
何かを発見したのか、目ざとくメルが言う。食卓の間の中央にある豪奢な長テーブルから間を空けて、壁際にひときわ大きい紅銅色に光り輝く置物が置いてある。銅で出来た横に広い大きなアンティークティーカップのようにも見えるが、サイズが橋渡し5m程とあまりにも大きく何の用途なのかさっぱり分からない。メルが近づいて中を見てみると、何と見た目も鮮やかな淡い燃えるような深紅の上面発酵ビールが沸き上がっている!
「あら~、リーン、すごいわ!大きな置物の中に上品そうなビールがいっぱい!ひょっとして醸造釜かしら!?」
「あ、それは!」
ぴとっ。アンピトリテが驚きの声を上げるのと同時に、メルが大きな銅製のティーカップに触った瞬間だった。
「うぅぅ~!」
定められたルール通り、部屋の隅にある水銀のような四角柱を飛び移っていた左目が蒼、右目が紅のヘテクロミアのシャム猫が、突然うなり声を上げだした。メルの方をまっすぐ見て睨み付けている。
「あれ、な、何?何か怒らせるようなことした!?」
なおも、うなり声を上げると、猫は光沢のある銀色に姿を変えていった!外見は猫そのものながら、内部で銀色の物質が流動しているようにも見える。瞳だけは蒼と紅のままだ。大きなサファイヤとルビーを目にはめた銀色の猫の置物に見えた。
「タ、タ○ミーネーター!?」
「(がくっ)な、変んな事言ってる余裕あるのかよ。そっち行くぞ!?」
「ギャー!」
水銀のような金属で出来た猫は警戒する鳴き声をあげると、弾丸のように流線型に変化しメルへ突進してきた!
「ひぇ~!!!」
カーン!!
メルに走り寄り、愛用の黒のバスタードソードでかろうじて水銀の弾丸をはじき返すガラハド。金属できた猫は一旦打ち落とされると、すぐに体制を立て直し軌道を変えまたもやメルの首筋めがけ飛びかかってきた。今度は前足の爪が鋭く大きく変形している。メルの首部分を剣で守るガラハド、流線型の銀の爪が黒のバスタードソードに打ち当たる、その瞬間激しい火花を散らし刀身が刃こぼれした。『英雄戦争』を戦い抜いた霊身を帯びたかのような分厚い鋼鉄で出来た剣が。
「か、欠けた!?おい、こいつはヤバい、リーン、メル、なんか魔法はないのか、魔法は!!!?」
「や、やってるわよ!!」
《ウージービェンホァン トゥー!》(物性変換魔法 土!)
リーンが詠唱を発すると、彼女の手の先から出た虹色の光線が水銀の猫を晒す。草原の国の移動宮廷『青のオルド』にて、土の精霊モグラのボドが行った土を銅鍋に変えた物性変換魔法の上位版だ。今度は金属を土に変えようとしている。しかし、水銀の猫には全く効いた素振りもない。
「だ、だめね、ただの金属だったら簡単なんだけど、中身はネコちゃんみたいだし、何らかの魔法防護が掛かっているのか、全然効かないわ、、、こんな高度な魔法、誰が、、、?」
「『エーギル』様の娘の女神達かしら?でも、こんな仕掛けがあるなんて全然知らなかったわ、、、。」
「ほ、他にないのかよ?」
メルに猛烈な勢いで襲いかかる金属ネコの攻撃をなんとか凌ぎながら、喘ぎ喘ぎガラハドが聞く。
「外へ出れば防護岩でも束縛蔓でも何でも試せるけど、私の土魔法は自然が周りにないと効果薄いのよ~!」
《イェンフオ》(来たれ炎)
メルの詠唱とともに、水銀の猫へ向けて、火炎放射器のように真っ直ぐに炎の筋が放たれる。が、まったく効き目はない。猫ならば火炎を怖がってよいはずだが、まったく躊躇することなく次に襲いかかる気配を、前脚を揺動させながら伺っている。
「私の初級火魔法くらいじゃ、まったく歯が立たないわ!!」
「ちっ、役立たずが!よし、とりあえず逃げよう!外へ出てリーンの魔法で体制を立て直そう!!」
「了解!」
一目散に食卓の間の扉へ逃げ去ろうとする四人。しかし、逃げようと背中を向けたタイミングを逃さず水銀の猫が襲いかかる!!
「フギャー!!」
ギャガキーン!!!
メルの顔めがけて飛んできた銀の弾丸を黒のバスタードで弾き返すガラハド、その途端に彼と長年一心同体であった先祖伝来の黒のバスタードソードは根元からぽっきりと折れてしまった。
「うわ、オレのバスタードが!!!」
バタン!その瞬間、なんとか扉を閉めて、そのまま大広間を飛び越し外へ逃げ去る三人であった。
そして、その上に片目ずつ蒼い目と紅い目をしたヘテクロミアのシャム猫が1匹、石の間を等しく時間を置いて乗り移っている。自由奔放を絵に描いた存在が”猫”というものだが、その”猫”はこの場では等しく正確に同じ時間で次の柱に乗り移り、それ以外は背中をなめたり、時には漠然と前を見たりしている。猫はリーン達を認めたが、チラとそちらを見るとまるで興味がないかのように、これまでと同じルーティーンの動きをまたこれまで通り続けた。まるで時計のような規則正しさだ。それはそれはとても奇妙な光景だった。
「あら?あれは何かしら?」
何かを発見したのか、目ざとくメルが言う。食卓の間の中央にある豪奢な長テーブルから間を空けて、壁際にひときわ大きい紅銅色に光り輝く置物が置いてある。銅で出来た横に広い大きなアンティークティーカップのようにも見えるが、サイズが橋渡し5m程とあまりにも大きく何の用途なのかさっぱり分からない。メルが近づいて中を見てみると、何と見た目も鮮やかな淡い燃えるような深紅の上面発酵ビールが沸き上がっている!
「あら~、リーン、すごいわ!大きな置物の中に上品そうなビールがいっぱい!ひょっとして醸造釜かしら!?」
「あ、それは!」
ぴとっ。アンピトリテが驚きの声を上げるのと同時に、メルが大きな銅製のティーカップに触った瞬間だった。
「うぅぅ~!」
定められたルール通り、部屋の隅にある水銀のような四角柱を飛び移っていた左目が蒼、右目が紅のヘテクロミアのシャム猫が、突然うなり声を上げだした。メルの方をまっすぐ見て睨み付けている。
「あれ、な、何?何か怒らせるようなことした!?」
なおも、うなり声を上げると、猫は光沢のある銀色に姿を変えていった!外見は猫そのものながら、内部で銀色の物質が流動しているようにも見える。瞳だけは蒼と紅のままだ。大きなサファイヤとルビーを目にはめた銀色の猫の置物に見えた。
「タ、タ○ミーネーター!?」
「(がくっ)な、変んな事言ってる余裕あるのかよ。そっち行くぞ!?」
「ギャー!」
水銀のような金属で出来た猫は警戒する鳴き声をあげると、弾丸のように流線型に変化しメルへ突進してきた!
「ひぇ~!!!」
カーン!!
メルに走り寄り、愛用の黒のバスタードソードでかろうじて水銀の弾丸をはじき返すガラハド。金属できた猫は一旦打ち落とされると、すぐに体制を立て直し軌道を変えまたもやメルの首筋めがけ飛びかかってきた。今度は前足の爪が鋭く大きく変形している。メルの首部分を剣で守るガラハド、流線型の銀の爪が黒のバスタードソードに打ち当たる、その瞬間激しい火花を散らし刀身が刃こぼれした。『英雄戦争』を戦い抜いた霊身を帯びたかのような分厚い鋼鉄で出来た剣が。
「か、欠けた!?おい、こいつはヤバい、リーン、メル、なんか魔法はないのか、魔法は!!!?」
「や、やってるわよ!!」
《ウージービェンホァン トゥー!》(物性変換魔法 土!)
リーンが詠唱を発すると、彼女の手の先から出た虹色の光線が水銀の猫を晒す。草原の国の移動宮廷『青のオルド』にて、土の精霊モグラのボドが行った土を銅鍋に変えた物性変換魔法の上位版だ。今度は金属を土に変えようとしている。しかし、水銀の猫には全く効いた素振りもない。
「だ、だめね、ただの金属だったら簡単なんだけど、中身はネコちゃんみたいだし、何らかの魔法防護が掛かっているのか、全然効かないわ、、、こんな高度な魔法、誰が、、、?」
「『エーギル』様の娘の女神達かしら?でも、こんな仕掛けがあるなんて全然知らなかったわ、、、。」
「ほ、他にないのかよ?」
メルに猛烈な勢いで襲いかかる金属ネコの攻撃をなんとか凌ぎながら、喘ぎ喘ぎガラハドが聞く。
「外へ出れば防護岩でも束縛蔓でも何でも試せるけど、私の土魔法は自然が周りにないと効果薄いのよ~!」
《イェンフオ》(来たれ炎)
メルの詠唱とともに、水銀の猫へ向けて、火炎放射器のように真っ直ぐに炎の筋が放たれる。が、まったく効き目はない。猫ならば火炎を怖がってよいはずだが、まったく躊躇することなく次に襲いかかる気配を、前脚を揺動させながら伺っている。
「私の初級火魔法くらいじゃ、まったく歯が立たないわ!!」
「ちっ、役立たずが!よし、とりあえず逃げよう!外へ出てリーンの魔法で体制を立て直そう!!」
「了解!」
一目散に食卓の間の扉へ逃げ去ろうとする四人。しかし、逃げようと背中を向けたタイミングを逃さず水銀の猫が襲いかかる!!
「フギャー!!」
ギャガキーン!!!
メルの顔めがけて飛んできた銀の弾丸を黒のバスタードで弾き返すガラハド、その途端に彼と長年一心同体であった先祖伝来の黒のバスタードソードは根元からぽっきりと折れてしまった。
「うわ、オレのバスタードが!!!」
バタン!その瞬間、なんとか扉を閉めて、そのまま大広間を飛び越し外へ逃げ去る三人であった。
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