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第1章
1-88 スイカ爆弾
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《シーグアジャーダン!》(スイカ爆弾!)
突如としてリーンが叫ぶと、ダンジョンの床のスキマからみるみるうちに蔦が茂り、その中からヴィーヴィルの体長を超える10mはあろうかという巨大なスイカが何個も姿を現した。往年の大根戦士よろしく手足が付いている。そして示し合わせると、弾ける砲弾のように、一斉にヴィーヴィル向かって飛びかかっていった。ほとんどが水で出来ている巨大スイカの重量の衝撃が炎のドラゴンにぶち当たる。スイカは砕け散るのであったが、『ヴィーヴィル』達もその水と衝撃と何より驚きでダメージを負っているようだった。
「アタリだわ!炎の精霊なら水を直接浴びるだけでもきついはずなのよ!ガラハド、弱っているわ、今よ!」
「あ、そうだった。」
あまりの奇想天外ぶりに、ぽかんと見ていたガラハド達だったが、はっ、と我に帰った。ヴィーヴィル達も頭や身体に巨大質量の水が当たったものだから、もんどり打っている。ガラハドはその隙を突いて、急いで炎のドラゴンに走り寄り『白銀の剣』で心臓を一突きにする。あっけなく勝負は付いた。
「な、何?そのファンタジー小説にあるまじき発想!?」
「え、だって別名ウォーターメロンよ、絶対効くでしょ!?」
「こ、これで大真面目なんだから救えないよな、まぁ、効いたから良かったようなものの。。。」
「何よ、『英雄戦争』だって、大根戦士やら巨大人面樹やらで乗り切ったんじゃないの!?」
「いや、そうなんだけどな、なんかな~、絵的にな~。。。」
「どうせ私は石化とかの普通の土魔法が使えないのよ、それでも勝ってるからいいじゃないの!?あんまり期待しないでよね!!!」
「小娘、面白い魔法を使うの~(笑)、だが一瞬であの質量を生み出す魔力は、『土の賢者』仕込みと『森のチュニック』のおかげかな?」
憤慨しているリーンであったが、ロック一人はエキセントリックな戦法と、リーンの持つ魔力に素直に感心している様子であった。
リーン達が口論している間にザイラートは一人仕事を進める。疾風のように数千体のゾンビ達の間を縫い回り、狙い澄まして炎の魔道士と思われる独特なローブを着た炎の巨人達の首を跳ねていく。戦士達と違って詠唱の必要な魔道士達は、首を落とされると一瞬で無力化するのであった。往年の『首刈り紳士』の本領発揮である。
「うわっ、怖っ!絶対敵にしたくないわね。。。」
メルがその体術に恐れをなす。
「うん、ちょっとあのスピードと正確さは尋常じゃないな。。。一騎打ちしても絶対勝てないよ。。。」
「さぁ、うるさい魔道士も始末したようじゃし、残敵掃討じゃ!!」
「はいっ!!」
こうして、リーン達はロック隊長の統制の元、残った炎の巨人達に戦いを挑むのであった。
、、、それから小一時間、最後の炎の巨人のゾンビを無力化して、無事先へ歩を進めるリーン達の姿があった。
わいわい騒ぎながら先を行くリーン達の後ろで、ノーム二人は静かに話をしていた。
「あんなにも大量の『炎の巨人』のゾンビが、居るはずの無い『とこしえのダンジョン』に屯しているとは?『炎の巨人領』か『ニヴルヘル』に何かあったのかもしれません。任務を終えたら早々に『ライラックガーデン』に戻り、フィリ様に相談を入れようと思います。」
「うむ、何やらきな臭い匂いがするな。お前は早いところ戻ってやれ。」
「お前は、と言うと、ロックさんは戻らないのですか?」
「あいつら、なかなか面白いからな、ワシがついておらんと若すぎて危ういところもあるし。後見人として目的を果たすまで面倒見てやろうかと思っとるよ。フィリ様によろしくな。」
「ふふふ、ロックさんは言い出したら聞きませんからね、フィリ様もロックさんの性分は分かってますから、気にしないでしょうね(笑)。」
「そうかの、はっはっは(笑)。」
こうして、爆発する岩石のような元金鉱夫ロックは、その後リーン達の仲間に加わる事になるのであった。
突如としてリーンが叫ぶと、ダンジョンの床のスキマからみるみるうちに蔦が茂り、その中からヴィーヴィルの体長を超える10mはあろうかという巨大なスイカが何個も姿を現した。往年の大根戦士よろしく手足が付いている。そして示し合わせると、弾ける砲弾のように、一斉にヴィーヴィル向かって飛びかかっていった。ほとんどが水で出来ている巨大スイカの重量の衝撃が炎のドラゴンにぶち当たる。スイカは砕け散るのであったが、『ヴィーヴィル』達もその水と衝撃と何より驚きでダメージを負っているようだった。
「アタリだわ!炎の精霊なら水を直接浴びるだけでもきついはずなのよ!ガラハド、弱っているわ、今よ!」
「あ、そうだった。」
あまりの奇想天外ぶりに、ぽかんと見ていたガラハド達だったが、はっ、と我に帰った。ヴィーヴィル達も頭や身体に巨大質量の水が当たったものだから、もんどり打っている。ガラハドはその隙を突いて、急いで炎のドラゴンに走り寄り『白銀の剣』で心臓を一突きにする。あっけなく勝負は付いた。
「な、何?そのファンタジー小説にあるまじき発想!?」
「え、だって別名ウォーターメロンよ、絶対効くでしょ!?」
「こ、これで大真面目なんだから救えないよな、まぁ、効いたから良かったようなものの。。。」
「何よ、『英雄戦争』だって、大根戦士やら巨大人面樹やらで乗り切ったんじゃないの!?」
「いや、そうなんだけどな、なんかな~、絵的にな~。。。」
「どうせ私は石化とかの普通の土魔法が使えないのよ、それでも勝ってるからいいじゃないの!?あんまり期待しないでよね!!!」
「小娘、面白い魔法を使うの~(笑)、だが一瞬であの質量を生み出す魔力は、『土の賢者』仕込みと『森のチュニック』のおかげかな?」
憤慨しているリーンであったが、ロック一人はエキセントリックな戦法と、リーンの持つ魔力に素直に感心している様子であった。
リーン達が口論している間にザイラートは一人仕事を進める。疾風のように数千体のゾンビ達の間を縫い回り、狙い澄まして炎の魔道士と思われる独特なローブを着た炎の巨人達の首を跳ねていく。戦士達と違って詠唱の必要な魔道士達は、首を落とされると一瞬で無力化するのであった。往年の『首刈り紳士』の本領発揮である。
「うわっ、怖っ!絶対敵にしたくないわね。。。」
メルがその体術に恐れをなす。
「うん、ちょっとあのスピードと正確さは尋常じゃないな。。。一騎打ちしても絶対勝てないよ。。。」
「さぁ、うるさい魔道士も始末したようじゃし、残敵掃討じゃ!!」
「はいっ!!」
こうして、リーン達はロック隊長の統制の元、残った炎の巨人達に戦いを挑むのであった。
、、、それから小一時間、最後の炎の巨人のゾンビを無力化して、無事先へ歩を進めるリーン達の姿があった。
わいわい騒ぎながら先を行くリーン達の後ろで、ノーム二人は静かに話をしていた。
「あんなにも大量の『炎の巨人』のゾンビが、居るはずの無い『とこしえのダンジョン』に屯しているとは?『炎の巨人領』か『ニヴルヘル』に何かあったのかもしれません。任務を終えたら早々に『ライラックガーデン』に戻り、フィリ様に相談を入れようと思います。」
「うむ、何やらきな臭い匂いがするな。お前は早いところ戻ってやれ。」
「お前は、と言うと、ロックさんは戻らないのですか?」
「あいつら、なかなか面白いからな、ワシがついておらんと若すぎて危ういところもあるし。後見人として目的を果たすまで面倒見てやろうかと思っとるよ。フィリ様によろしくな。」
「ふふふ、ロックさんは言い出したら聞きませんからね、フィリ様もロックさんの性分は分かってますから、気にしないでしょうね(笑)。」
「そうかの、はっはっは(笑)。」
こうして、爆発する岩石のような元金鉱夫ロックは、その後リーン達の仲間に加わる事になるのであった。
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