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第1章
1-91 ロック参入
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『炎の巨人』ゾンビ達をやり過ごしたリーン達は『とこしえのダンジョン』から枝分かれして続いている『ミルスラン枝窟』に歩を進めた。『ミルスラン枝窟』は神秘的な『とこしえのダンジョン』とは打って変わり、永年樹『ユグドラシル』の根の周辺空間を往来する土中生物たちによって自然発生的に形成された洞窟だけに、薄暗くじめじめして非常に入り組んでいた。地脈を知り尽くした熟練の金鉱夫でなければ一度入れば二度と抜け出せないような地下迷宮を形成している。
「フィリさんの言っていたとおり、オレ達だけじゃとても通り抜けられるような洞窟じゃないですね。ロックさんありがとうございます。」
「な~に、金鉱夫時代は『瞬間移動のロック』と異名を取っておったもんじゃわい。『ユグドラシル』の根の織り成す枝窟を通って、稼ぎ時のいろんな金鉱を渡り歩いていたもんよ。」
「へぇ~、ロッちんってお金持ちなのね!?今度おごってよ!!」
「(無視して)それでお前達、どうやってそのレーネとやらを正気に戻すつもりなのじゃ?」
いつも激怒しているロックにしては珍しく、リーン達の行く末を案じるような口調で問い掛けた。
「うまくレーネの居る執政室とかに潜入した後は、おじいちゃんの話では、ガラハドと二人で真心を以て説得に当たれ、ただそれだけだそうよ。」
「た、たったそれだけか?聞くところによると、レーネは『七賢』にも匹敵するような能力を持っておるんじゃろ?」
「うん、それでも『真心』って通じると思うの、それにおじいちゃんの秘策をメルに伝授してあるみたいよ。」
「それは、蓋を開けてみてのお楽しみね。私だっていろんな属性の魔法が込められているみたいな、小さな小瓶を数個渡されただけで中身は何も知らないんだから。」
「そんな行き当たりばったりでいいんかいのぅ、、、。」
「レーネの凶行を目撃してしまって以来、ずっと行き当たりばったりなんだもん、仕方ないわよ。おじいちゃんと、奥底に眠っているはずのレーネの本心を信じるしかないわ!」
「う~む、一本気な奴らじゃ。。。(やはりワシが付いておらんと心配で仕方ないわい)」
やがて、リーン達は革命国家『レボルテ』の王都『イスティファルド』の地下に根を這わしている地下迷宮まで辿り着いた。ここまで来れば、『レボルテ』に君臨している最上階にあるレーネの執政室までは数時間で行けるはずだ。リーンとガラハドも元働いていた場所だ。特にリーンは旧時代の魔法遺物の発掘で何度か地下迷宮を訪れた事がある。ある程度は勝手を知っていた。
途中ミルスラン枝窟では、散発ではあったが同じような『炎の巨人』ゾンビに襲われる事2回、土着の『ベヒーモス』や『火山竜』といった強力なモンスターに度々不意打ち食らう、と言った惨憺たる有り様であったが、正しく無敵の比喩がふさわしいザイラートの操剣術と、メルが洗いざらい持ってきたイルトトの強烈アイテムで、まったく無傷で切り抜けていた。
一つ不可解だったのが、当初想定していた『レボルテ』の手勢が地下迷宮ーミルスラン枝窟付近に配備されていなかった事である。ノーレルンの『青の解呪法』が効いているのか、彼女達の言うようにリーンが『時空水晶』を破壊したためレーネが探りを入れられなくなっているのか、はたまたもっと大きな要因が働いているのか、リーン達には皆目見当がつかなかったが、途中強力なモンスターに遭遇した事を除けば、侵入作戦成功と言えばそう言えなくもなかった。
「ザイラートさん、ロックさん、ありがとう。私たち絶対レーネの真意をただして、そして取り戻してくるから。」
いつになく確固とした口調で、しかし静かな覚悟を決めて、リーンは近衛兵長と元金鉱夫へ語りかけた。
「うむ、金掘りにはこういう格言がある。<この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ> ってな。」
(メル)[え、それってアン〇ニオ猪木じゃぁ、、、(笑)]
(リーン)[一休〇師でしょ!、ご、ごほん。]
、、、
「じゃ、行くね!」
「おい、ちょっと待て。これからの事なんじゃが、お前達を見ていると心配じゃから、レーネとやらを退治するまで付いて行ってやろうかと思うがどうじゃ?また勢いでなんかの『真理の顕現』でも壊されたら世界の危機じゃしの~(笑)。」
珍しくロックが冗談を言っている。彼女達に対するこれまでのぶっきらぼうな態度に似ず、殊の外、彼女達を気に入っている様子である。
「え? 申し出はうれしいけど、身内の争いに巻き込んで何だか悪いわ?みんな、どう思う?」
「せっかく付いてきてくれるって言ってんのよ、いいじゃないの!?ロッティーの年長者としての知見はきっと役に立つわよ!」
「う~ん、この先どんな危険が待っているか分からないし、オレは何かあったら申し訳ないと思うよ。」
「この ひよっ子が何言っとる!?金鉱掘りに危険などネコに鰹節じゃ!ワクワクするわい!!」
「そうまで言ってくれるなら、お手伝い頂く事にする?」
「ロックさんに異存が無ければ、オレは何も言う事無いよ。」
「決定じゃな!レーネとやら、この『爆炎槌』でギッタギタにしてやろうわい!ハッハッハ(笑)!!」
「いえ、レーネは私の親友で、正気に戻させるだけだから、何かあっちゃ困るんですけど。。。」
「そうじゃったか、まぁ、どっちでもいいわい、万事、ワシに任しておけ!!」
「決まりのようですね、では私は、一路『ライラックガーデン』に戻ります。多少気がかりな事もありますので、、、。」
「ザイラートさん、ホントにありがとうございます。フィリさんにもよろしくお伝えください。」
「ええ、ではこれから先、お気を付けて。人生の先達のロックさんを十二分に使うと良いですよ(笑)。」
「何じゃと!!」
なぜだか、異様に乗り気のロックに気圧されつつも、いよいよレーネの待つ『イスティファルド』王宮へ足を踏み入れるリーン達であった。
「フィリさんの言っていたとおり、オレ達だけじゃとても通り抜けられるような洞窟じゃないですね。ロックさんありがとうございます。」
「な~に、金鉱夫時代は『瞬間移動のロック』と異名を取っておったもんじゃわい。『ユグドラシル』の根の織り成す枝窟を通って、稼ぎ時のいろんな金鉱を渡り歩いていたもんよ。」
「へぇ~、ロッちんってお金持ちなのね!?今度おごってよ!!」
「(無視して)それでお前達、どうやってそのレーネとやらを正気に戻すつもりなのじゃ?」
いつも激怒しているロックにしては珍しく、リーン達の行く末を案じるような口調で問い掛けた。
「うまくレーネの居る執政室とかに潜入した後は、おじいちゃんの話では、ガラハドと二人で真心を以て説得に当たれ、ただそれだけだそうよ。」
「た、たったそれだけか?聞くところによると、レーネは『七賢』にも匹敵するような能力を持っておるんじゃろ?」
「うん、それでも『真心』って通じると思うの、それにおじいちゃんの秘策をメルに伝授してあるみたいよ。」
「それは、蓋を開けてみてのお楽しみね。私だっていろんな属性の魔法が込められているみたいな、小さな小瓶を数個渡されただけで中身は何も知らないんだから。」
「そんな行き当たりばったりでいいんかいのぅ、、、。」
「レーネの凶行を目撃してしまって以来、ずっと行き当たりばったりなんだもん、仕方ないわよ。おじいちゃんと、奥底に眠っているはずのレーネの本心を信じるしかないわ!」
「う~む、一本気な奴らじゃ。。。(やはりワシが付いておらんと心配で仕方ないわい)」
やがて、リーン達は革命国家『レボルテ』の王都『イスティファルド』の地下に根を這わしている地下迷宮まで辿り着いた。ここまで来れば、『レボルテ』に君臨している最上階にあるレーネの執政室までは数時間で行けるはずだ。リーンとガラハドも元働いていた場所だ。特にリーンは旧時代の魔法遺物の発掘で何度か地下迷宮を訪れた事がある。ある程度は勝手を知っていた。
途中ミルスラン枝窟では、散発ではあったが同じような『炎の巨人』ゾンビに襲われる事2回、土着の『ベヒーモス』や『火山竜』といった強力なモンスターに度々不意打ち食らう、と言った惨憺たる有り様であったが、正しく無敵の比喩がふさわしいザイラートの操剣術と、メルが洗いざらい持ってきたイルトトの強烈アイテムで、まったく無傷で切り抜けていた。
一つ不可解だったのが、当初想定していた『レボルテ』の手勢が地下迷宮ーミルスラン枝窟付近に配備されていなかった事である。ノーレルンの『青の解呪法』が効いているのか、彼女達の言うようにリーンが『時空水晶』を破壊したためレーネが探りを入れられなくなっているのか、はたまたもっと大きな要因が働いているのか、リーン達には皆目見当がつかなかったが、途中強力なモンスターに遭遇した事を除けば、侵入作戦成功と言えばそう言えなくもなかった。
「ザイラートさん、ロックさん、ありがとう。私たち絶対レーネの真意をただして、そして取り戻してくるから。」
いつになく確固とした口調で、しかし静かな覚悟を決めて、リーンは近衛兵長と元金鉱夫へ語りかけた。
「うむ、金掘りにはこういう格言がある。<この道を行けば どうなるものか 危ぶむなかれ 危ぶめば道はなし 踏み出せば その一足が道となり その一足が道となる 迷わず行けよ 行けばわかるさ> ってな。」
(メル)[え、それってアン〇ニオ猪木じゃぁ、、、(笑)]
(リーン)[一休〇師でしょ!、ご、ごほん。]
、、、
「じゃ、行くね!」
「おい、ちょっと待て。これからの事なんじゃが、お前達を見ていると心配じゃから、レーネとやらを退治するまで付いて行ってやろうかと思うがどうじゃ?また勢いでなんかの『真理の顕現』でも壊されたら世界の危機じゃしの~(笑)。」
珍しくロックが冗談を言っている。彼女達に対するこれまでのぶっきらぼうな態度に似ず、殊の外、彼女達を気に入っている様子である。
「え? 申し出はうれしいけど、身内の争いに巻き込んで何だか悪いわ?みんな、どう思う?」
「せっかく付いてきてくれるって言ってんのよ、いいじゃないの!?ロッティーの年長者としての知見はきっと役に立つわよ!」
「う~ん、この先どんな危険が待っているか分からないし、オレは何かあったら申し訳ないと思うよ。」
「この ひよっ子が何言っとる!?金鉱掘りに危険などネコに鰹節じゃ!ワクワクするわい!!」
「そうまで言ってくれるなら、お手伝い頂く事にする?」
「ロックさんに異存が無ければ、オレは何も言う事無いよ。」
「決定じゃな!レーネとやら、この『爆炎槌』でギッタギタにしてやろうわい!ハッハッハ(笑)!!」
「いえ、レーネは私の親友で、正気に戻させるだけだから、何かあっちゃ困るんですけど。。。」
「そうじゃったか、まぁ、どっちでもいいわい、万事、ワシに任しておけ!!」
「決まりのようですね、では私は、一路『ライラックガーデン』に戻ります。多少気がかりな事もありますので、、、。」
「ザイラートさん、ホントにありがとうございます。フィリさんにもよろしくお伝えください。」
「ええ、ではこれから先、お気を付けて。人生の先達のロックさんを十二分に使うと良いですよ(笑)。」
「何じゃと!!」
なぜだか、異様に乗り気のロックに気圧されつつも、いよいよレーネの待つ『イスティファルド』王宮へ足を踏み入れるリーン達であった。
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