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第1章
1-110 スキールニルの旅 その1 旅の噂
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自らの国を作るべく、親友でもあり主君でもあった『豊穣神』フレイの元を離れて、『風の馬』と共に『ミズガルズ』の中原をさすらう旅を続けていたスキールニルであったが、ここ数ヶ月考えあぐねていた。
探索を続けている『ミズガルズ』は彼の住んでいた『ヴァナヘイム』や、また巨人の文明圏『ヨトゥンヘイム』とは大幅に異なり国を作るほどには文化も成熟しておらず、人口もまばらで、たまに見かけるのはみすぼらしい岩作りの外壁と茅葺き屋根が数基集まっただけの、古代民の集団くらいなものだった。
「いや~、当てが外れたぜ!」
『風の馬』ブローズグホーヴィに乗り、彼の馬足に任せて歩みを進めていたスキールニルが半ば辟易して言う。
「どうしたのですか?スキールニル殿?」
ブローズグホーヴィは首を後ろに向けてスキールニルの目を見て尋ねる。態度はまるで人間のそれだ。
「いやさ、噂では聞き知っていたが、『ミズガルズ』がこんな辺鄙なところとは実際思わなかったよ。」
「ふむ、そうとも言いますかな?私、風の精霊界の馬にとっては、『ヴァナヘイム』の街であっても、ここ草原であっても大差ありませんな。」
スキールニルといるとブローズグホーヴィはいつでも穏やかだ。
「お前にとってはそうだな、しかしこれじゃ自分の国を建てるなんてとてもじゃないが夢のまた夢だよ、自分たちの食いもんを確保するだけでやっとだな。。。」
「ははは、まぁ、そう焦ることなく、のんびりと行きましょう。少し場所を変えれば、きっとスキールニル殿の手腕を必要とする賑わいと混沌が共にある、ある程度成熟した土地がありましょう。」
と言うと、ブローズグホーヴィはまた踵を返し、ゆっくりと元の道をポクポクと歩むのであった。
スキールニルの活躍した時代は、神話と有史のちょうど境目だ、現在の繁栄を極める『ミズガルズ』は未だ草と木と荒れ地ばかりで、神話時代より『ミズガルズ』中央にそびえる『世界樹』ユグドラシルも、現在の存在感の塊のような威厳ある老女帝のといったよりは、まだ若々しい麗らかな乙女のような印象を与える。また『世界樹』からの落ち葉によって形成された『緑水青山の森』も今よりは少々規模が小さいのであった。
そんな折、とある古代民から、東方に繁栄を極めている国家があることを告げられる。たどたどしい口調の彼が言うには、方眼目をした石造りの巨大な建物が整然と立ち並ぶ立派な都市があるとのことである。彼はまるで異世界でも見てきたかのように、語彙は幼稚で少ないながら熱心にスキールニルに語るのであった。
「よし、草原ばかりのこの辺りにもいい加減飽き飽きしていたところだ、国作りの参考にもなる、そこに行こうぜ!」
「そうしますか、私としては静かな平原が一番くつろげるのですが、おいしい草も豊富にありますし。まぁ、たまにはスキールニル殿に付き合って賑やかな所に行ってみるのも良いかもしれませんな。」
彼にとってはおいしく見える草を静かにぼそぼそ食みながら、ブローズグホーヴィは従順に答える。
こうしてスキールニル達は、旅すがら噂に聞いた古代都市へ向かうのであった。
探索を続けている『ミズガルズ』は彼の住んでいた『ヴァナヘイム』や、また巨人の文明圏『ヨトゥンヘイム』とは大幅に異なり国を作るほどには文化も成熟しておらず、人口もまばらで、たまに見かけるのはみすぼらしい岩作りの外壁と茅葺き屋根が数基集まっただけの、古代民の集団くらいなものだった。
「いや~、当てが外れたぜ!」
『風の馬』ブローズグホーヴィに乗り、彼の馬足に任せて歩みを進めていたスキールニルが半ば辟易して言う。
「どうしたのですか?スキールニル殿?」
ブローズグホーヴィは首を後ろに向けてスキールニルの目を見て尋ねる。態度はまるで人間のそれだ。
「いやさ、噂では聞き知っていたが、『ミズガルズ』がこんな辺鄙なところとは実際思わなかったよ。」
「ふむ、そうとも言いますかな?私、風の精霊界の馬にとっては、『ヴァナヘイム』の街であっても、ここ草原であっても大差ありませんな。」
スキールニルといるとブローズグホーヴィはいつでも穏やかだ。
「お前にとってはそうだな、しかしこれじゃ自分の国を建てるなんてとてもじゃないが夢のまた夢だよ、自分たちの食いもんを確保するだけでやっとだな。。。」
「ははは、まぁ、そう焦ることなく、のんびりと行きましょう。少し場所を変えれば、きっとスキールニル殿の手腕を必要とする賑わいと混沌が共にある、ある程度成熟した土地がありましょう。」
と言うと、ブローズグホーヴィはまた踵を返し、ゆっくりと元の道をポクポクと歩むのであった。
スキールニルの活躍した時代は、神話と有史のちょうど境目だ、現在の繁栄を極める『ミズガルズ』は未だ草と木と荒れ地ばかりで、神話時代より『ミズガルズ』中央にそびえる『世界樹』ユグドラシルも、現在の存在感の塊のような威厳ある老女帝のといったよりは、まだ若々しい麗らかな乙女のような印象を与える。また『世界樹』からの落ち葉によって形成された『緑水青山の森』も今よりは少々規模が小さいのであった。
そんな折、とある古代民から、東方に繁栄を極めている国家があることを告げられる。たどたどしい口調の彼が言うには、方眼目をした石造りの巨大な建物が整然と立ち並ぶ立派な都市があるとのことである。彼はまるで異世界でも見てきたかのように、語彙は幼稚で少ないながら熱心にスキールニルに語るのであった。
「よし、草原ばかりのこの辺りにもいい加減飽き飽きしていたところだ、国作りの参考にもなる、そこに行こうぜ!」
「そうしますか、私としては静かな平原が一番くつろげるのですが、おいしい草も豊富にありますし。まぁ、たまにはスキールニル殿に付き合って賑やかな所に行ってみるのも良いかもしれませんな。」
彼にとってはおいしく見える草を静かにぼそぼそ食みながら、ブローズグホーヴィは従順に答える。
こうしてスキールニル達は、旅すがら噂に聞いた古代都市へ向かうのであった。
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