週末限定☆伯爵令嬢と黒髪の騎士

こみあ

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プロローグ

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 幼い頃、杏里あんりは夢見る少女だった。

 両親は常に忙しく、祖母の店で過ごす一日はひたすら長かった。
 遊び道具も大してない古い道具屋で、駄菓子を買いに来る子供と遊ぶ以外はひたすら本を読むしかない日々。

 だからあれは夢だったのだろうか。
 一面の青々とした草原で出会った自分より少しだけ年上の男の子。
 サラサラの黒髪と深い青の瞳が印象的な男の子。
 一緒に草原を駆け回り、ブランコを揺らし、彼の駆る馬に乗ってどこまでも走ったあの幸せな日の思い出。
 あれは本の中の創造だったのか、白昼夢だったのか。

 たとえそれが刹那の夢であろうとも、間違いなくあの青い瞳の男の子こそが、杏里の淡い初恋の君だった。
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