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Ⅶ 魔女の決意
ix 父の誤算(下)
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レイモンド、アズレイア、カルロス。
三人三様に伯爵の向けた言葉に思うことがあったのだろう。
頭を垂らした伯爵を前に静けさが落ちた。
「ならなぜアズレイアを塔になど閉じ込めたんですか」
その沈黙を破ったのは、カルロスの疑問だ。
「俺はてっきり……」
そう、今回の一件で、カルロスが一番理解し難かったのが父の行動だった。
アズレイアが父親の研究室に入ったらしいと伝え聞いたカルロスは内心かなりホッとしていた。
たとえ能力があろうと、支援があろうと、農民出身のアズレイアが魔術学院で学ぶのは大変な苦労だろう。
差別もあるだろうし、友人もできないかもしれない。
だが、一番の懸念が研究会だった。
学院の研究会は階級社会の縮図だ。
その選択がそのままその後の出世に関わることもあって、権威主義がまかり通っている。
そんな中、アズレイアに入れる研究会があってくれるか。
そう心配していたカルロスにしてみれば、父がアズレイアを選んでくれたことが嬉しく誇らしくさえあった。
だがその同じ父が、アズレイアの論文をつき返し、新しい論文を禁書に回して塔に送ると聞いたときは耳を疑った。
アズレイアの論文にしろ、レイモンドとのことにしろ、カルロスは無論アズレイアをずっと信じていた。
そのカルロスからしてみれば、アズレイアをより近くで見ていた父がそれに気づかないとは思えなかった。
なぜ父はアズレイアをあの塔に送ったのか。
まあ、結果から見ればカルロスがその門番に収まり、色々と都合が良かったわけではあるのだが。
一方アズレイアはカルロスがなぜそれを気にするのかも分からない。なぜなら彼女にとって、あの塔は非常に居心地のよい最高の研究環境でしかないのだ。
カルロスの問いかけにやっと顔を上げたモントレー伯爵は、そんな二人の顔を見比べて、苦笑いを止められない。
そして気を取り直して説明をはじめた。
「アズレイアの論文は非常に危ういものだ。巷の噂に上がっているのはその本質のほんの一部にも満たない。彼女の論文は貴族社会、いやこの国家の土台骨を折りかねない」
「……え?」
突然、恩師に自分の論文が国家転覆レベルで危険と言われ、思わず素で驚きの声が漏れるアズレイア。
それを見たレイモンドが冷ややかに笑い、カルロスが眉をあげる。
「君が出した論文は、魔力の譲渡を行うことで、貴族以外にも魔力の強い者や希少な魔術を使えるものを生み出す可能性を示唆した」
「ああ、そういうことか」
そこまで言われても、アズレイアにはそれの何が危険なのか分からない。
だが、どうやらカルロスにはなにか理解できたらしく、納得した顔で呻いた。
「現在のこの国のバランスは、貴族が主に魔力を有することで成り立っている。平民と貴族の差はその魔力で判然と見分けられてきた」
まだ意味が分からないアズレイアに、伯爵が教授の顔になって説明を続ける。
「ある意味この研究は、慣習的には知られていた事実だ。だが、それをきちんと研究することは、貴族間では忌避されてきた。大体が平民と貴族が交わることなどそうそうない。例え譲渡が起きたとしても、一時的なものならば気づかれることはまずない。だがそれを定着させるとなれば、話は別だ」
「そんなの、完全なる禁忌だよ。禁書にされて当たり前」
言い渡された危険性をやっと理解し始めたアズレイアに、追い打ちをかけるようにレイモンドが付け加えるのを伯爵が止める。
「確かに貴族としては禁忌かもしれない。だが私はその結果に大きな興味を覚えた。もしも国家全体の魔力量を底上げできるのであれば、我々貴族の利益だけには収まらない、より大きな利益がこの国にもたらされる……そんな希望をはらんだ研究結果だ。机上の空論で終わらせるのは耐え難い」
レイモンドの言葉に触発されたのか、いつにもまして熱弁を奮った伯爵は、ふいとアズレイアに視線を移し、そして告げる。
「これは君がやろうとしている、農村での魔法陣の運営にも大きな変革をもたらすだろう。違うかね?」
その通りだ。
アズレイアの研究は水魔法の半無限発動だ。
幼くして、アズレイアはそれが効率化の最たる場所にあるゴールだと信じていた。
だが、効率化を学べば学ぶほど、それは決してゼロにすることができないと気づいた。
そして思い至ったのが、逆の発想。
運用できる人材の増強だ。
アズレイアのように、非常に微かながらも魔力を持つものは農村にもそれなりにいる。
そのままではどんなに効率化しようとも、最も簡単な魔法陣でさえ発動は難しい。
だがもし、魔力の譲渡が可能なのならば、少ない魔力であっても、雨だれの水を集めて杯を満たすように、一定以上の魔力を持つ者を育てることができるかもしれない。
子を生むのは人間の根源的な活動だ。
大多数のものがその営みを繰り返す。
ならば、淫紋を使って、一時的に魔力を増やし、その二人の間で魔力を譲渡させ続ければ──。
師の問いかけにうなずき返す間も、アズレイアの脳内ではいくつもの仮説が積み上げられては崩され検証され……そして今も新しい仮設が膨らみ続ける。
そんなアズレイアの思考は、だけど次のモントレー伯爵の言葉にフツリと途切れた。
「だがいくら私でも、それを公然と推奨することは許されない」
尊敬する師の非情な宣言に、表情を凍らせたアズレイア。
それを見た伯爵は、そこで一度気持ちを立て直すように息を吸い、そして難しい顔で先を続けた。
「あの魔女の塔は以前も同様に禁忌の研究に手を出した学者が幽閉されていた場所だ。私が君をあの場所に置くことで、この国のお歴々さえもその研究の危険さと、同時に重要さを理解し、不可侵を守ってくれる」
師の言葉に、今日振り返って見上げた塔を思い出す。
常にアズレイアが心地よく研究を続けられる環境。
あの塔は、雨風や世間などというアズレイアの知る物からだけではなく、もっと大きなものからアズレイアを守り続けてくれていたのだ。
その居心地だけではなく、もっと沢山のものを与えてくれる場所、それが魔女の塔。
「アズレイア。私は君に研究を続けてほしかったんだ。貴族の私には不可能なその研究を制限なく『正しい』検証例を繰り返して、突き詰めてほしかった。だから淫紋紙の注文が彼女に行くように裏で手配したのは私だよ」
高位貴族の淫紋紙と数々の希少な素材。
その実証と検証結果、事後調査。
確かにアズレイアの手元には、『正しく』研究を進める資金と材料、そして情報が集まっていた。
師はどこまでも師で、今もアズレイアを『正しく』守ってくれていたのだ。
「アズレイアに疚しいところがないのは私が知っている。レイモンドにも努力と理由があったことを私が知っている。カルロス、お前が彼女を愛し、そしてこの家に未練がないのも分かっている。だが、ここにきて、私は再度願う。カルロス、どうかこの家に戻り、当主としてレイモンドやアズレイアを守ってやってくれ」
それぞれに彼の望みを語るモントレー伯爵の顔は、疲労が色濃く影を落とす。
それをアズレイアは、言いようもない不安な気持ちで見返した。
三人三様に伯爵の向けた言葉に思うことがあったのだろう。
頭を垂らした伯爵を前に静けさが落ちた。
「ならなぜアズレイアを塔になど閉じ込めたんですか」
その沈黙を破ったのは、カルロスの疑問だ。
「俺はてっきり……」
そう、今回の一件で、カルロスが一番理解し難かったのが父の行動だった。
アズレイアが父親の研究室に入ったらしいと伝え聞いたカルロスは内心かなりホッとしていた。
たとえ能力があろうと、支援があろうと、農民出身のアズレイアが魔術学院で学ぶのは大変な苦労だろう。
差別もあるだろうし、友人もできないかもしれない。
だが、一番の懸念が研究会だった。
学院の研究会は階級社会の縮図だ。
その選択がそのままその後の出世に関わることもあって、権威主義がまかり通っている。
そんな中、アズレイアに入れる研究会があってくれるか。
そう心配していたカルロスにしてみれば、父がアズレイアを選んでくれたことが嬉しく誇らしくさえあった。
だがその同じ父が、アズレイアの論文をつき返し、新しい論文を禁書に回して塔に送ると聞いたときは耳を疑った。
アズレイアの論文にしろ、レイモンドとのことにしろ、カルロスは無論アズレイアをずっと信じていた。
そのカルロスからしてみれば、アズレイアをより近くで見ていた父がそれに気づかないとは思えなかった。
なぜ父はアズレイアをあの塔に送ったのか。
まあ、結果から見ればカルロスがその門番に収まり、色々と都合が良かったわけではあるのだが。
一方アズレイアはカルロスがなぜそれを気にするのかも分からない。なぜなら彼女にとって、あの塔は非常に居心地のよい最高の研究環境でしかないのだ。
カルロスの問いかけにやっと顔を上げたモントレー伯爵は、そんな二人の顔を見比べて、苦笑いを止められない。
そして気を取り直して説明をはじめた。
「アズレイアの論文は非常に危ういものだ。巷の噂に上がっているのはその本質のほんの一部にも満たない。彼女の論文は貴族社会、いやこの国家の土台骨を折りかねない」
「……え?」
突然、恩師に自分の論文が国家転覆レベルで危険と言われ、思わず素で驚きの声が漏れるアズレイア。
それを見たレイモンドが冷ややかに笑い、カルロスが眉をあげる。
「君が出した論文は、魔力の譲渡を行うことで、貴族以外にも魔力の強い者や希少な魔術を使えるものを生み出す可能性を示唆した」
「ああ、そういうことか」
そこまで言われても、アズレイアにはそれの何が危険なのか分からない。
だが、どうやらカルロスにはなにか理解できたらしく、納得した顔で呻いた。
「現在のこの国のバランスは、貴族が主に魔力を有することで成り立っている。平民と貴族の差はその魔力で判然と見分けられてきた」
まだ意味が分からないアズレイアに、伯爵が教授の顔になって説明を続ける。
「ある意味この研究は、慣習的には知られていた事実だ。だが、それをきちんと研究することは、貴族間では忌避されてきた。大体が平民と貴族が交わることなどそうそうない。例え譲渡が起きたとしても、一時的なものならば気づかれることはまずない。だがそれを定着させるとなれば、話は別だ」
「そんなの、完全なる禁忌だよ。禁書にされて当たり前」
言い渡された危険性をやっと理解し始めたアズレイアに、追い打ちをかけるようにレイモンドが付け加えるのを伯爵が止める。
「確かに貴族としては禁忌かもしれない。だが私はその結果に大きな興味を覚えた。もしも国家全体の魔力量を底上げできるのであれば、我々貴族の利益だけには収まらない、より大きな利益がこの国にもたらされる……そんな希望をはらんだ研究結果だ。机上の空論で終わらせるのは耐え難い」
レイモンドの言葉に触発されたのか、いつにもまして熱弁を奮った伯爵は、ふいとアズレイアに視線を移し、そして告げる。
「これは君がやろうとしている、農村での魔法陣の運営にも大きな変革をもたらすだろう。違うかね?」
その通りだ。
アズレイアの研究は水魔法の半無限発動だ。
幼くして、アズレイアはそれが効率化の最たる場所にあるゴールだと信じていた。
だが、効率化を学べば学ぶほど、それは決してゼロにすることができないと気づいた。
そして思い至ったのが、逆の発想。
運用できる人材の増強だ。
アズレイアのように、非常に微かながらも魔力を持つものは農村にもそれなりにいる。
そのままではどんなに効率化しようとも、最も簡単な魔法陣でさえ発動は難しい。
だがもし、魔力の譲渡が可能なのならば、少ない魔力であっても、雨だれの水を集めて杯を満たすように、一定以上の魔力を持つ者を育てることができるかもしれない。
子を生むのは人間の根源的な活動だ。
大多数のものがその営みを繰り返す。
ならば、淫紋を使って、一時的に魔力を増やし、その二人の間で魔力を譲渡させ続ければ──。
師の問いかけにうなずき返す間も、アズレイアの脳内ではいくつもの仮説が積み上げられては崩され検証され……そして今も新しい仮設が膨らみ続ける。
そんなアズレイアの思考は、だけど次のモントレー伯爵の言葉にフツリと途切れた。
「だがいくら私でも、それを公然と推奨することは許されない」
尊敬する師の非情な宣言に、表情を凍らせたアズレイア。
それを見た伯爵は、そこで一度気持ちを立て直すように息を吸い、そして難しい顔で先を続けた。
「あの魔女の塔は以前も同様に禁忌の研究に手を出した学者が幽閉されていた場所だ。私が君をあの場所に置くことで、この国のお歴々さえもその研究の危険さと、同時に重要さを理解し、不可侵を守ってくれる」
師の言葉に、今日振り返って見上げた塔を思い出す。
常にアズレイアが心地よく研究を続けられる環境。
あの塔は、雨風や世間などというアズレイアの知る物からだけではなく、もっと大きなものからアズレイアを守り続けてくれていたのだ。
その居心地だけではなく、もっと沢山のものを与えてくれる場所、それが魔女の塔。
「アズレイア。私は君に研究を続けてほしかったんだ。貴族の私には不可能なその研究を制限なく『正しい』検証例を繰り返して、突き詰めてほしかった。だから淫紋紙の注文が彼女に行くように裏で手配したのは私だよ」
高位貴族の淫紋紙と数々の希少な素材。
その実証と検証結果、事後調査。
確かにアズレイアの手元には、『正しく』研究を進める資金と材料、そして情報が集まっていた。
師はどこまでも師で、今もアズレイアを『正しく』守ってくれていたのだ。
「アズレイアに疚しいところがないのは私が知っている。レイモンドにも努力と理由があったことを私が知っている。カルロス、お前が彼女を愛し、そしてこの家に未練がないのも分かっている。だが、ここにきて、私は再度願う。カルロス、どうかこの家に戻り、当主としてレイモンドやアズレイアを守ってやってくれ」
それぞれに彼の望みを語るモントレー伯爵の顔は、疲労が色濃く影を落とす。
それをアズレイアは、言いようもない不安な気持ちで見返した。
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