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三十三話目 復活した魔王
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ここは、魔王城。
仲間を集めに行かせた竜王が戻ってきたのだけど、瀕死の状態だったという……。
「と、いうわけでございまして……。レムリアも獣王も四天王に戻る意思はなく、それどころか、その暗黒魔法を操る人族の少年が持っていたカリスマ性のスキルで配下になっている始末でございます」
リュカスがとんでもないことを告げてきた。いや、四天王に戻るつもりがないことは何となく察してはいた。城まで連れて来さえすれば、いずれ、わしがカリスマ性のスキルを取り戻した時に戦力になると思っていたのだ。
ところが、リュカスは何と言った。人族の少年がカリスマ性のスキルを持っていたと。しかも、既にレムリアも獣王も配下にしているだと……。
「一応、確認なんだけどさ、カリスマ性のスキルってユニークスキルのはずだよね?」
「はっ、おっしゃられる通りでございます」
つまり、今世のわしにカリスマ性のスキルはないということだ。それどころか、元四天王の内、既に二名が敵にまわっている。これは、勇者を相手にしている場合ではない。戦力をどうにかして増やさなければ元部下たちに殺される……。
「魔剣シュナイダーはどうなっているのだ。エルフの民を人質にとれば、奴もわしに従うほかあるまい。奴らは獣人族と違ってあの場所を離れたがらない」
「し、しかしながら、魔剣シュナイダーもあの二人と交流を持っているはずでして、既に情報は回っている可能性が高く、難しいかと……」
「そんなことはわかっておる。しかし、シュナイダーまで敵にまわってしまうとなると正直厳しいだろう。何でもいいから、とにかく邪魔をしてくるのだ。シュナイダーを四天王にさせてはならぬ」
「か、かしこまりました」
とは言っても、これも難しいのはわしも知っている。確かあの三人は幼馴染だと言っていた。わしが復活するまでの間も交流を続けていただろう。基礎ステータスの高い種族の長だけに、カリスマ性のスキルと合わせることで一騎当千の力を発揮してくれたわけだが、今世では味方に引き込むことは絶望的となってしまった。
こうなってしまっては、気が進まぬがゴブリン族とオーク族を傘下にし、数の暴力で圧倒するしかあるまい。あいつら頭が弱いから、勝手な行動するし作戦とか実行に移すの無理だろうしで、あんまり好きじゃないんだよね。しかしながら、他に手段が思い浮かばない。
あとは気が進まぬが……。いや、待てよ。その人族の少年をさらってしまえば、全部片付いちゃうんじゃない? 何で暗黒魔法使えるのかなわからないけど、今はまだそこまでレベルも上がっていないはず。
「リュカスよ、その人族の少年をさらっては来れぬのか?」
「今はレムリアも獣王も少年の側を離れないでしょうから難しいと思われます。そもそも魔王様、私の腕を消滅させたのはその少年の力であると報告したように、その少年も既にヤバそうな成長を遂げているのです」
「そ、そうか。そういえば、不思議なドレインを使ったと言ってたな。ドレインって、そんな使い方できたっけ?」
「い、いえ、私はわかりませぬが、魔王様はどうなのでしょうか?」
ドレインを影のように潜ませながら敵の目の前まで進ませ、突如、一気に食らいつくように……いや無理っ!
「なんでそんな生き物みたいなドレイン撃てるの? 天才なの? それともわしがダメなの?」
「れ、練習してみてはいかがでしょうか……」
「そ、そうね……。とりあえず、お前はエルフの里へ向かうのだ。最悪、情報だけでも集めてこい。わしはレベル上げがてら、ガジュマズル王と話をつけてくる」
「ガジュマズル……。ゴブリン王でございますか。そ、その、魔王様、お嫌いだったのではと思うのですが……」
「まあ、他に手もないし、贅沢を言っている状況でもないだろ。あれはあれで、使い道はあるのだよ」
「私は他にどのようなことを」
「オークキングのところを頼む。今のレベルのわしが行っても相手にされないと思うから」
「オズワルドピグマンですか……。多少強引に行ってもいいですか? あいつら話通じないじゃないですか」
「うむ、そのあたりは任せる」
「それでは、先にエルフの里を探ってまいります。その後、オークキングの所へ」
あとは、ドラゴンだよな……。リュカスが飛んでいった空を見ながら考える。竜王リュカス、その名の通り、奴はドラゴンの王である。といっても竜族というのは特殊で、お互いに関心が薄いというか、それぞれが独立していて頼ることもない。リュカスの一族がたまたま王を名乗っていただけで、認められて王を名乗っているわけではない。そもそも縄張り意識が過剰なほどに強く、少しでも破ろうものなら世界戦争級の衝撃がどちらかが死ぬまで続くとか言われている。
「普通に考えて、無理っぽいよね。わしのレベルが上がってから考えよっか」
さて、モンスター狩りをしながらゴブリンどもの集落へ向かうとするか。
四天王にするって言えばアホみたいに喜ぶとは思うんだけど。あー、憂鬱だ。あいつらとにかく臭いしなー。まさか、ゴブリン族にお願いしに行くことになるとは思わなかったわー。
仲間を集めに行かせた竜王が戻ってきたのだけど、瀕死の状態だったという……。
「と、いうわけでございまして……。レムリアも獣王も四天王に戻る意思はなく、それどころか、その暗黒魔法を操る人族の少年が持っていたカリスマ性のスキルで配下になっている始末でございます」
リュカスがとんでもないことを告げてきた。いや、四天王に戻るつもりがないことは何となく察してはいた。城まで連れて来さえすれば、いずれ、わしがカリスマ性のスキルを取り戻した時に戦力になると思っていたのだ。
ところが、リュカスは何と言った。人族の少年がカリスマ性のスキルを持っていたと。しかも、既にレムリアも獣王も配下にしているだと……。
「一応、確認なんだけどさ、カリスマ性のスキルってユニークスキルのはずだよね?」
「はっ、おっしゃられる通りでございます」
つまり、今世のわしにカリスマ性のスキルはないということだ。それどころか、元四天王の内、既に二名が敵にまわっている。これは、勇者を相手にしている場合ではない。戦力をどうにかして増やさなければ元部下たちに殺される……。
「魔剣シュナイダーはどうなっているのだ。エルフの民を人質にとれば、奴もわしに従うほかあるまい。奴らは獣人族と違ってあの場所を離れたがらない」
「し、しかしながら、魔剣シュナイダーもあの二人と交流を持っているはずでして、既に情報は回っている可能性が高く、難しいかと……」
「そんなことはわかっておる。しかし、シュナイダーまで敵にまわってしまうとなると正直厳しいだろう。何でもいいから、とにかく邪魔をしてくるのだ。シュナイダーを四天王にさせてはならぬ」
「か、かしこまりました」
とは言っても、これも難しいのはわしも知っている。確かあの三人は幼馴染だと言っていた。わしが復活するまでの間も交流を続けていただろう。基礎ステータスの高い種族の長だけに、カリスマ性のスキルと合わせることで一騎当千の力を発揮してくれたわけだが、今世では味方に引き込むことは絶望的となってしまった。
こうなってしまっては、気が進まぬがゴブリン族とオーク族を傘下にし、数の暴力で圧倒するしかあるまい。あいつら頭が弱いから、勝手な行動するし作戦とか実行に移すの無理だろうしで、あんまり好きじゃないんだよね。しかしながら、他に手段が思い浮かばない。
あとは気が進まぬが……。いや、待てよ。その人族の少年をさらってしまえば、全部片付いちゃうんじゃない? 何で暗黒魔法使えるのかなわからないけど、今はまだそこまでレベルも上がっていないはず。
「リュカスよ、その人族の少年をさらっては来れぬのか?」
「今はレムリアも獣王も少年の側を離れないでしょうから難しいと思われます。そもそも魔王様、私の腕を消滅させたのはその少年の力であると報告したように、その少年も既にヤバそうな成長を遂げているのです」
「そ、そうか。そういえば、不思議なドレインを使ったと言ってたな。ドレインって、そんな使い方できたっけ?」
「い、いえ、私はわかりませぬが、魔王様はどうなのでしょうか?」
ドレインを影のように潜ませながら敵の目の前まで進ませ、突如、一気に食らいつくように……いや無理っ!
「なんでそんな生き物みたいなドレイン撃てるの? 天才なの? それともわしがダメなの?」
「れ、練習してみてはいかがでしょうか……」
「そ、そうね……。とりあえず、お前はエルフの里へ向かうのだ。最悪、情報だけでも集めてこい。わしはレベル上げがてら、ガジュマズル王と話をつけてくる」
「ガジュマズル……。ゴブリン王でございますか。そ、その、魔王様、お嫌いだったのではと思うのですが……」
「まあ、他に手もないし、贅沢を言っている状況でもないだろ。あれはあれで、使い道はあるのだよ」
「私は他にどのようなことを」
「オークキングのところを頼む。今のレベルのわしが行っても相手にされないと思うから」
「オズワルドピグマンですか……。多少強引に行ってもいいですか? あいつら話通じないじゃないですか」
「うむ、そのあたりは任せる」
「それでは、先にエルフの里を探ってまいります。その後、オークキングの所へ」
あとは、ドラゴンだよな……。リュカスが飛んでいった空を見ながら考える。竜王リュカス、その名の通り、奴はドラゴンの王である。といっても竜族というのは特殊で、お互いに関心が薄いというか、それぞれが独立していて頼ることもない。リュカスの一族がたまたま王を名乗っていただけで、認められて王を名乗っているわけではない。そもそも縄張り意識が過剰なほどに強く、少しでも破ろうものなら世界戦争級の衝撃がどちらかが死ぬまで続くとか言われている。
「普通に考えて、無理っぽいよね。わしのレベルが上がってから考えよっか」
さて、モンスター狩りをしながらゴブリンどもの集落へ向かうとするか。
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