18 / 36
18
しおりを挟む
その部屋は誰も近寄らない、というよりも誰も知らない城の奥の奥に存在していた。
室内もさほど広い訳ではなく質素な調度品がわずかに置かれている程度で、皇帝の執務室とは真逆な内装となっていた。
イサークの執務室もさほど華美ではなくどちらかと言えば実務的ではあるが、威厳を示すために家具や調度品はそれなりに贅を凝らしている。
それに対しこの部屋は、家具そのものが少なく、正直寒々しい印象しか受けない。
だが、部屋の中央に置かれている質素ではあるが手の込んだ彫刻の縁が素晴らしい長いテーブルの重厚さが、がらんとした室内では異様に目立っていた。
ここは、ごくごく少人数での会議をする為の、皇族とその関係者以外入る事が許されない秘密の部屋。
そしてまた、本当に信頼できるもの以外、この部屋の存在は知らされていない。
例えば戦争や内乱が起きた場合、実際近々に使われたのは数年前のリージェ国魔薬掃討作戦の時。この様に有事に対処するための、秘密の会議室なのだ。
異様に存在感を醸し出しているテーブルを取り囲むのは、皇帝夫妻を合わせ十二人ほどの主要人物。皆一様にさえない表情をしていた。
集まっているメンバーはイサークの側近だけではなくエドリードの側近もおり、クロエの後ろのはダリアンとリンナ、エレナが控えていた。
クロエは早速、祖母であるルナティアからの手紙の内容を報告。皆に匂い袋を手渡した。
「シェルーラ国の情報網がこれほどまでとは・・・」
エドリードの側近中の側近、元宰相のグラスが硬質な声で呟く。
「シェルーラ国はリージェ国に対する警戒、諜報活動は他国より抜きん出ていますから」
此処に居る者はクロエ達三人の境遇を知っている。
正直な所、エドリードからそれを聞いたところですぐさま信じる事など出来なかったが、ルナティアからの警告がことごとく当たれば信じざるを得なくなる。
それを武器に、数多の国の主要人物を魅了していき、彼女の一声で動く国がどのくらいあるのか。恐らくこの世界での最強は、ルナティアなのかもしれない。
その事実は、疑う事自体がおかしなことだと思ってしまうほどに皆が崇拝しているのだ。
「私達三人で本来起きるであろう事を変えてきました。ですから、歪みの様に形を変えて何かが起きるのかもしれません」
「そうですね・・・・ガルド王子が国王になる来月以降、何かが起きるのかもしれません」
前皇帝近衛隊長ダレンも静かに頷く。
「我々の掴んだ情報はリージェ国の隣国、サハド国が何やら妙な動きをしているらしいという事」
今だエドリードの影として活動しているベレニス。彼はユミルの師匠でもある。
「サハド・・・ですか。魔薬関係でしょうか・・・」
確かサハド国はシェルーラ国と友好条約を結んでいるはず・・・・
「サハド国王はルナティア様を実の姉の様に慕っておられます。しかも、何度か窮地も救ってもらってますし。・・・・ルナティア様なら何か聞いているかもしれないと思い、鷹を飛ばしております」
ユミルが言う鷹とは特別に調教した鷹の事を言い、伝書として使っているのだ。
この広い大陸を馬などで走っても何日かかるか分かったものではないので、王家では急な伝達は主に鳥を使っているのだ。
そしてそれを提案し実現させたのがルナティアだというのだから、驚きである。
「では、祖母の連絡待ちという事ですね。サハド国に関してはシェルーラ国からの連絡が来てから対処するという事で。よろしいでしょうか?陛下」
「あぁ。まずはこの薬草をつくる為の人を厳選し集めよう」
「リージェ国の動きにも今以上に目を光らせないといけませんね」
「内密に王位を継承しようとしていたのか・・・ジャスパー、アドラの動向は?」
「それが、今は大人しいもので国から一歩も出ていません」
ふむ・・・と、考え込む様に顎を撫でていたが、一つ息を吐いた。
「取り敢えず今はできる事をやろう。この匂い袋を城内に居る全ての者に配る。恐らく足りないだろうから薬師の件は最優先事項だ」
「承知しました」と、皆が一斉に頭を垂れ、其々が何をするかを話始めた。
それを見てクロエは大きな安堵の溜息を吐いた。
何時の間にか強く握られていた手からようやく力を抜き、どれだけ緊張していたのかと腕を擦った。
そんなクロエをイサークが優しく抱きしめた。
「大丈夫だ。必ずうまくいく。全て、上手くいくから、心配するな」
その胸に顔を埋めれば彼の匂いが全身を満たし、安堵と共に心強さも感じほっと肩の力を抜いた。
「あちらの出方も気になるが、我々の式もそれほど時間がない。クロエはそちらをメインに動いてくれればいい」
「わかりました。・・・・この城にも間者がいるかもしれません。匂い袋の効能は内緒にしていただけますか?」
「勿論そのつもりだ。クロエを城に招く前に掃除はしたのだが・・・油断は出来ない。愛しい妻の祖母殿からの城の者への祝福だと伝えよう。あの方は他国では幸福の女神の様に讃えられているからね」
「まぁ、そうなんですか?知りませんでした」
「そう言うクロエだって『氷の美姫』や『賢姫』と呼ばれているのに」
「わたしが『美姫』ですか・・・勿体ない。ですが陛下とお揃いの『氷』が付く所は嬉しいですわね」
そんな事を言われるとは思わなかったイサークは、目を瞠りそして力が抜けた様に柔らかく微笑んだ。
「今までは鬱陶しいとしか思わなかった二つ名だが、妻とお揃いと言われると特別に感じてしまう。不思議なものだな」
決して高い声で話していたわけではないが二人の会話は室内のいた皆に聞こえ、彼等は不意に肩の力が抜けていくのを内心驚く。
起こるかもわからない未確定な未来に戦々恐々とし、無駄に想像力だけが先走り緊張感から身体が強張っていたのを改めて感じたのだ。
だが、二人のとりとめのない会話は何ら変わらない日常を思い起こさせ、ほっと息を吐かせてくれる。
先ほどの強張った顔から一変、いつもの調子を取り戻した彼等は先ほどの様にテーブルを囲み互いの意見を交わし合ったのだった。
室内もさほど広い訳ではなく質素な調度品がわずかに置かれている程度で、皇帝の執務室とは真逆な内装となっていた。
イサークの執務室もさほど華美ではなくどちらかと言えば実務的ではあるが、威厳を示すために家具や調度品はそれなりに贅を凝らしている。
それに対しこの部屋は、家具そのものが少なく、正直寒々しい印象しか受けない。
だが、部屋の中央に置かれている質素ではあるが手の込んだ彫刻の縁が素晴らしい長いテーブルの重厚さが、がらんとした室内では異様に目立っていた。
ここは、ごくごく少人数での会議をする為の、皇族とその関係者以外入る事が許されない秘密の部屋。
そしてまた、本当に信頼できるもの以外、この部屋の存在は知らされていない。
例えば戦争や内乱が起きた場合、実際近々に使われたのは数年前のリージェ国魔薬掃討作戦の時。この様に有事に対処するための、秘密の会議室なのだ。
異様に存在感を醸し出しているテーブルを取り囲むのは、皇帝夫妻を合わせ十二人ほどの主要人物。皆一様にさえない表情をしていた。
集まっているメンバーはイサークの側近だけではなくエドリードの側近もおり、クロエの後ろのはダリアンとリンナ、エレナが控えていた。
クロエは早速、祖母であるルナティアからの手紙の内容を報告。皆に匂い袋を手渡した。
「シェルーラ国の情報網がこれほどまでとは・・・」
エドリードの側近中の側近、元宰相のグラスが硬質な声で呟く。
「シェルーラ国はリージェ国に対する警戒、諜報活動は他国より抜きん出ていますから」
此処に居る者はクロエ達三人の境遇を知っている。
正直な所、エドリードからそれを聞いたところですぐさま信じる事など出来なかったが、ルナティアからの警告がことごとく当たれば信じざるを得なくなる。
それを武器に、数多の国の主要人物を魅了していき、彼女の一声で動く国がどのくらいあるのか。恐らくこの世界での最強は、ルナティアなのかもしれない。
その事実は、疑う事自体がおかしなことだと思ってしまうほどに皆が崇拝しているのだ。
「私達三人で本来起きるであろう事を変えてきました。ですから、歪みの様に形を変えて何かが起きるのかもしれません」
「そうですね・・・・ガルド王子が国王になる来月以降、何かが起きるのかもしれません」
前皇帝近衛隊長ダレンも静かに頷く。
「我々の掴んだ情報はリージェ国の隣国、サハド国が何やら妙な動きをしているらしいという事」
今だエドリードの影として活動しているベレニス。彼はユミルの師匠でもある。
「サハド・・・ですか。魔薬関係でしょうか・・・」
確かサハド国はシェルーラ国と友好条約を結んでいるはず・・・・
「サハド国王はルナティア様を実の姉の様に慕っておられます。しかも、何度か窮地も救ってもらってますし。・・・・ルナティア様なら何か聞いているかもしれないと思い、鷹を飛ばしております」
ユミルが言う鷹とは特別に調教した鷹の事を言い、伝書として使っているのだ。
この広い大陸を馬などで走っても何日かかるか分かったものではないので、王家では急な伝達は主に鳥を使っているのだ。
そしてそれを提案し実現させたのがルナティアだというのだから、驚きである。
「では、祖母の連絡待ちという事ですね。サハド国に関してはシェルーラ国からの連絡が来てから対処するという事で。よろしいでしょうか?陛下」
「あぁ。まずはこの薬草をつくる為の人を厳選し集めよう」
「リージェ国の動きにも今以上に目を光らせないといけませんね」
「内密に王位を継承しようとしていたのか・・・ジャスパー、アドラの動向は?」
「それが、今は大人しいもので国から一歩も出ていません」
ふむ・・・と、考え込む様に顎を撫でていたが、一つ息を吐いた。
「取り敢えず今はできる事をやろう。この匂い袋を城内に居る全ての者に配る。恐らく足りないだろうから薬師の件は最優先事項だ」
「承知しました」と、皆が一斉に頭を垂れ、其々が何をするかを話始めた。
それを見てクロエは大きな安堵の溜息を吐いた。
何時の間にか強く握られていた手からようやく力を抜き、どれだけ緊張していたのかと腕を擦った。
そんなクロエをイサークが優しく抱きしめた。
「大丈夫だ。必ずうまくいく。全て、上手くいくから、心配するな」
その胸に顔を埋めれば彼の匂いが全身を満たし、安堵と共に心強さも感じほっと肩の力を抜いた。
「あちらの出方も気になるが、我々の式もそれほど時間がない。クロエはそちらをメインに動いてくれればいい」
「わかりました。・・・・この城にも間者がいるかもしれません。匂い袋の効能は内緒にしていただけますか?」
「勿論そのつもりだ。クロエを城に招く前に掃除はしたのだが・・・油断は出来ない。愛しい妻の祖母殿からの城の者への祝福だと伝えよう。あの方は他国では幸福の女神の様に讃えられているからね」
「まぁ、そうなんですか?知りませんでした」
「そう言うクロエだって『氷の美姫』や『賢姫』と呼ばれているのに」
「わたしが『美姫』ですか・・・勿体ない。ですが陛下とお揃いの『氷』が付く所は嬉しいですわね」
そんな事を言われるとは思わなかったイサークは、目を瞠りそして力が抜けた様に柔らかく微笑んだ。
「今までは鬱陶しいとしか思わなかった二つ名だが、妻とお揃いと言われると特別に感じてしまう。不思議なものだな」
決して高い声で話していたわけではないが二人の会話は室内のいた皆に聞こえ、彼等は不意に肩の力が抜けていくのを内心驚く。
起こるかもわからない未確定な未来に戦々恐々とし、無駄に想像力だけが先走り緊張感から身体が強張っていたのを改めて感じたのだ。
だが、二人のとりとめのない会話は何ら変わらない日常を思い起こさせ、ほっと息を吐かせてくれる。
先ほどの強張った顔から一変、いつもの調子を取り戻した彼等は先ほどの様にテーブルを囲み互いの意見を交わし合ったのだった。
36
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
悪女役らしく離婚を迫ろうとしたのに、夫の反応がおかしい
廻り
恋愛
第18回恋愛小説大賞にて奨励賞をいただきました。応援してくださりありがとうございました!
王太子妃シャルロット20歳は、前世の記憶が蘇る。
ここは小説の世界で、シャルロットは王太子とヒロインの恋路を邪魔する『悪女役』。
『断罪される運命』から逃れたいが、夫は離婚に応じる気がない。
ならばと、シャルロットは別居を始める。
『夫が離婚に応じたくなる計画』を思いついたシャルロットは、それを実行することに。
夫がヒロインと出会うまで、タイムリミットは一年。
それまでに離婚に応じさせたいシャルロットと、なぜか様子がおかしい夫の話。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
【完結】竜王の息子のお世話係なのですが、気付いたら正妻候補になっていました
七鳳
恋愛
竜王が治める王国で、落ちこぼれのエルフである主人公は、次代の竜王となる王子の乳母として仕えることになる。わがままで甘えん坊な彼に振り回されながらも、成長を見守る日々。しかし、王族の結婚制度が明かされるにつれ、彼女の立場は次第に変化していく。
「お前は俺のものだろ?」
次第に強まる独占欲、そして彼の真意に気づいたとき、主人公の運命は大きく動き出す。異種族の壁を超えたロマンスが紡ぐ、ほのぼのファンタジー!
※恋愛系、女主人公で書くのが初めてです。変な表現などがあったらコメント、感想で教えてください。
※全60話程度で完結の予定です。
※いいね&お気に入り登録励みになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる