21 / 36
21
しおりを挟む
「姉上!」
テラスに置かれたソファーで、ゆったりと手紙を読んでいたルナティアが声のする方を見れば、庭を横切ってルドルフが手を振りながら走ってくる姿が見えた。
「ルー、貴方また仕事をサイラスに押しつけてきたの?」
「押しつけてきたなんて人聞きの悪い。一年後には国王になるんだ。俺に頼ってばかりじゃ、国王になんてなれないだろ?」
そう言いながら、自分が飲むために置かれていたぬるい紅茶を一気に飲み干す弟を見上げ、ちょっと困った様に笑うルナティア。
此処はルナティアの故郷、シェルーラ国。
夫であるフィリップが亡くなり、息子が王位を継いだのを機に故郷へ戻ってきたのだが、筋金入りのシスコンでもあるルドルフが時間を見つけてはルナティアに張り付き、ゆっくりと一人で過ごす時間が中々とれないというのが、今現在の彼女の日常だった。
自分と一才しか違わない弟は、黒髪青目の誰が見ても美しい容姿をしている。
年を重ねそれに落ち着きと渋さが加わり、だが、年齢より遙かに若く見える彼は今だ女性に人気がある。
妻を五年前に亡くし、周りからは再婚を勧められるも、今だ独り身。本人は全くその気はないものの、その地位と容姿に、放っておけというのが無理な話である。
斯く言うルナティアにも婚姻の申込が殺到してるのだが、姉第一主義であるルドルフに全て本人の知らぬ間に握りつぶされているのが現状だ。
亡くなった妻より、次期国王になる息子より、姉であるルナティアが誰よりも大事であり、愛しているルドルフ。
無理矢理姉を掻っ攫った憎きフィリップも居なくなり、無事に生きて故郷に戻ってきた事を誰よりも喜んでいるのだから。
自分も後一年で身軽になる。そうすれば誰に邪魔される事無く、愛おしい姉と四六時中一緒に居られるのだ。
それを楽しみにしているというのに、何故再婚しなくてはならないのかが分からない・・・と言うのがルドルフの偽りない本心。
そんな事など露知らず、当事者であるルナティアは、ちょっと愛情過多よね、くらいにしか思っていないのもシスコンに拍車を掛ける原因となっていた。
そんな、拗らせシスコンのルドルフも暇なわけではない。一年後には彼の息子でもあるサイラスが王位を継ぐ。今はその引継ぎの真っ最中なのだから。
周りからの小言も本人はどこ何処吹く風と聞き流し、ルナティアの隣にどっかりと座り、手に持っている手紙を覗き込んだ。
「クロエから?」
「そうよ。読む?」
「いいの?」
と言いながらも、許可をもらう前にその手から手紙を奪い読み始めた。
その横顔を眺めながら、これでも民からは賢王と呼ばれているのだから、世の中分からないものだと溜息を吐いた。
だが、その賢王の息子も将来的に賢王と呼ばれるだろう事は容易に予想できた。
ジョージなんて、サイラスに比べたらお話にならないくらいダメダメよね。
フルール国も将来どうなるんだか・・・・
どれだけ一生懸命教育しても、どれだけ頭が良くても、くだらない女に引っかかってしまえば、全ての努力が無駄になってしまう。
正にジョージがそうだった。本人は知っているかはわからないが、フルール国民からの評判は最低。他国からも、同じような評価を受けていた。
それほどまでにあの婚約騒動が尾を引き、そしてロゼリンテの無能さが明るみに出てしまった今、王として、親としての資質など全てが最低評価だった。
それを覆すには並大抵の努力では無理だ。それを本人は知っているのか・・・不安しかない。
取り敢えず優秀な側近を数人ほど国に置いてきており、ジョージの補佐をさせている。
マルガリータから開放されて、生まれ変わったかのように真面目になったバカ息子だが、サイラスとは比べものにならない。
フルール国の行く末も気になるが、こればかりは本人の意識の問題だからしようが無いのだろう、と溜息を吐いた。
フルール国にいた頃は、殺される事が分かっていて、その時が近づくにつれ不安と緊張に、そして、それを回避するために誰かを疑い誰かを遠ざけ、心穏やかに暮らすことが出来なかった。
それに比べ故郷はやはり良いもので、今だ問題山積ではあるが、フルール国にいた頃より心に余裕ができていた。それは、第一関門の年齢を超えた事もひとつの要因なのだろう。
不意に庭に目を向ければ、今朝から咲き始めたというこの国の国花でもある、真っ赤な百花王が風に揺れている。
初めて逆行を体験し、全ての始まりだったあの日も、百花王が咲き始めた頃の季節だったなと、感慨深く目を閉じた。
ルナティアが人生の一周目を終え目覚めたのは、三才の時。
次第に意識が薄れるなか、侍女の悲鳴を最後に意識が途切れ、気付けば懐かしい自室で目覚めた。
小さくなって逆行したと気付いた時は、正に絶望感しかなかった。
シェルーラ国には時折不思議な力持つ者が生まれてくる。それは主に王族か最も近い血筋からで、黒髪青目を持つ者しかそれが現れる事は無かった。
王族と血縁関係でも、薄まった血では発現する事はなく、黒髪青目の子供も生まれる事はない。
だが、黒髪青目だからといって必ずしもその力が現れるわけではない。
ルナティアの父親である前国王も黒髪青目だったが、普通に天寿を全うしたのだから。
だが、王族として生まれた者には必ずその不思議な力の事を伝えられる。勿論、門外不出極秘事項として。
これまで力を発現させた先人の手記が残っており、それはどんな怖い話より恐ろしいものだった。
何度も何度も逆行した先人の話は、正にトラウマになってしまうほど悲惨なもの。
ただ、逆行も何らかの原因があるようで、それを解決しなければ天寿を全うする事が出来ないようなのだ。
その我侭な理由に「いじめか?」と思ったのはルナティアだけではない筈だ。
そして過去にもルナティア達の様に、何人かの世界が重なり、問題を解決した時もあったようだ。
だがルナティアの一周目で、彼女の周りに逆行した人はいなかった。毒殺され逆行した時には、何が原因だったのかさっぱり分からない状態で目覚めたのだから。
毒殺された事は確かに色んな意味で問題ではあるが、それが原因ではないような気がしていた。毒殺を回避し、その先に要因があるのかもしれないと。
だが気の強いルナティアは、一方的に毒殺された事にも憤慨していたが、何をさせたいのか全く分からないこの運命に逆らいたくて、絶対にフルール国には嫁がないと心に決めた。
先人でも前とは全く違う運命を辿り、それから脱出した人もいる。
ルナティアの辿った一度目は、毒殺だけではなく息子夫婦との仲も最悪で、二度と体験したくないものだった。
正直、話の通じない馬鹿を相手にするのは疲れる。例えそれが自分の息子であっても、だ。
毒殺に、男好きで怠慢な息子の嫁。それに入れ込む息子。そして、その嫁に瓜二つのバカな方の孫娘。何度も言うが、二度と会いたくないし体験したくない。
目覚めた足で早速、父王と会い状況を話し、フルール国の王太子フィリップが来ても顔を会せないよう画策した。。―――が、それは脆くも崩れ去った事は言うまでも無い―――
そして、彼と出会う前に、そして、国内の王族に近い子息と婚約。これで大丈夫だと胸を撫で下ろしたのだが、運命の強制力というのだろうか、やはりフィリップと結婚せざるおえない状況となったのだ。
という事はフルール国に嫁ぐ事がある意味、辿れねばならない道だったのかもしれない。
そうなるとまた、あのバカ息子家族を相手しなくてはいけないのかと、げんなりした。
どう考えてもフルール国には嫁ぎたくなくて、しつこく迫るフィリップに全てを話したのだが・・・・
「ならば、私がどんな脅威からも貴女を守りましょう!」
と、聞く耳を持たない。恐らくルナティアの話を信じているとは言うものの、心の底から信じていたわけではなかったのだと思う。
ただ信じる、守る、そう言えば頷くと思っていたのだろう。それが分かっていたから、ルナティアは頑として頷く事はなかった。
一周目もそうだったが、フィリップのルナティアに対する執着はある意味病的なもので、結婚してからも、どんなに年を重ねてもそれは衰える事はなかった。
よそ見もせず妻一筋。その点に関しては、理想的な夫だと思う。ただ、その無駄に発揮する一途さがジョージに受け継がれて、良くない方へと作用したのかもしれないと思うと、如何ともし難いものがある。
二周目では父王やルドルフ達と一緒に諍ったが、フィリップの「では、国を捨てシェルーラ国に婿入りします!」宣言に、皆が膝から崩れ落ちた事は言うまでもない。
国際問題は避けたかったので、結局はフルール国へと嫁いだのだが・・・結果は、又も同じだった。
そして三周目。目覚めて懐かしい自室の天井を見た時には、重々しい溜息しかでてこなかった。
「トータル百歳ちょい・・・何年生きたらいいのよ・・・・」
今だ何が逆行の要因となっているのかが分からない事に、後何回逆行すればいいのかと、絶望に涙も出なかった。
*百花王・・・・・牡丹の別名です。
テラスに置かれたソファーで、ゆったりと手紙を読んでいたルナティアが声のする方を見れば、庭を横切ってルドルフが手を振りながら走ってくる姿が見えた。
「ルー、貴方また仕事をサイラスに押しつけてきたの?」
「押しつけてきたなんて人聞きの悪い。一年後には国王になるんだ。俺に頼ってばかりじゃ、国王になんてなれないだろ?」
そう言いながら、自分が飲むために置かれていたぬるい紅茶を一気に飲み干す弟を見上げ、ちょっと困った様に笑うルナティア。
此処はルナティアの故郷、シェルーラ国。
夫であるフィリップが亡くなり、息子が王位を継いだのを機に故郷へ戻ってきたのだが、筋金入りのシスコンでもあるルドルフが時間を見つけてはルナティアに張り付き、ゆっくりと一人で過ごす時間が中々とれないというのが、今現在の彼女の日常だった。
自分と一才しか違わない弟は、黒髪青目の誰が見ても美しい容姿をしている。
年を重ねそれに落ち着きと渋さが加わり、だが、年齢より遙かに若く見える彼は今だ女性に人気がある。
妻を五年前に亡くし、周りからは再婚を勧められるも、今だ独り身。本人は全くその気はないものの、その地位と容姿に、放っておけというのが無理な話である。
斯く言うルナティアにも婚姻の申込が殺到してるのだが、姉第一主義であるルドルフに全て本人の知らぬ間に握りつぶされているのが現状だ。
亡くなった妻より、次期国王になる息子より、姉であるルナティアが誰よりも大事であり、愛しているルドルフ。
無理矢理姉を掻っ攫った憎きフィリップも居なくなり、無事に生きて故郷に戻ってきた事を誰よりも喜んでいるのだから。
自分も後一年で身軽になる。そうすれば誰に邪魔される事無く、愛おしい姉と四六時中一緒に居られるのだ。
それを楽しみにしているというのに、何故再婚しなくてはならないのかが分からない・・・と言うのがルドルフの偽りない本心。
そんな事など露知らず、当事者であるルナティアは、ちょっと愛情過多よね、くらいにしか思っていないのもシスコンに拍車を掛ける原因となっていた。
そんな、拗らせシスコンのルドルフも暇なわけではない。一年後には彼の息子でもあるサイラスが王位を継ぐ。今はその引継ぎの真っ最中なのだから。
周りからの小言も本人はどこ何処吹く風と聞き流し、ルナティアの隣にどっかりと座り、手に持っている手紙を覗き込んだ。
「クロエから?」
「そうよ。読む?」
「いいの?」
と言いながらも、許可をもらう前にその手から手紙を奪い読み始めた。
その横顔を眺めながら、これでも民からは賢王と呼ばれているのだから、世の中分からないものだと溜息を吐いた。
だが、その賢王の息子も将来的に賢王と呼ばれるだろう事は容易に予想できた。
ジョージなんて、サイラスに比べたらお話にならないくらいダメダメよね。
フルール国も将来どうなるんだか・・・・
どれだけ一生懸命教育しても、どれだけ頭が良くても、くだらない女に引っかかってしまえば、全ての努力が無駄になってしまう。
正にジョージがそうだった。本人は知っているかはわからないが、フルール国民からの評判は最低。他国からも、同じような評価を受けていた。
それほどまでにあの婚約騒動が尾を引き、そしてロゼリンテの無能さが明るみに出てしまった今、王として、親としての資質など全てが最低評価だった。
それを覆すには並大抵の努力では無理だ。それを本人は知っているのか・・・不安しかない。
取り敢えず優秀な側近を数人ほど国に置いてきており、ジョージの補佐をさせている。
マルガリータから開放されて、生まれ変わったかのように真面目になったバカ息子だが、サイラスとは比べものにならない。
フルール国の行く末も気になるが、こればかりは本人の意識の問題だからしようが無いのだろう、と溜息を吐いた。
フルール国にいた頃は、殺される事が分かっていて、その時が近づくにつれ不安と緊張に、そして、それを回避するために誰かを疑い誰かを遠ざけ、心穏やかに暮らすことが出来なかった。
それに比べ故郷はやはり良いもので、今だ問題山積ではあるが、フルール国にいた頃より心に余裕ができていた。それは、第一関門の年齢を超えた事もひとつの要因なのだろう。
不意に庭に目を向ければ、今朝から咲き始めたというこの国の国花でもある、真っ赤な百花王が風に揺れている。
初めて逆行を体験し、全ての始まりだったあの日も、百花王が咲き始めた頃の季節だったなと、感慨深く目を閉じた。
ルナティアが人生の一周目を終え目覚めたのは、三才の時。
次第に意識が薄れるなか、侍女の悲鳴を最後に意識が途切れ、気付けば懐かしい自室で目覚めた。
小さくなって逆行したと気付いた時は、正に絶望感しかなかった。
シェルーラ国には時折不思議な力持つ者が生まれてくる。それは主に王族か最も近い血筋からで、黒髪青目を持つ者しかそれが現れる事は無かった。
王族と血縁関係でも、薄まった血では発現する事はなく、黒髪青目の子供も生まれる事はない。
だが、黒髪青目だからといって必ずしもその力が現れるわけではない。
ルナティアの父親である前国王も黒髪青目だったが、普通に天寿を全うしたのだから。
だが、王族として生まれた者には必ずその不思議な力の事を伝えられる。勿論、門外不出極秘事項として。
これまで力を発現させた先人の手記が残っており、それはどんな怖い話より恐ろしいものだった。
何度も何度も逆行した先人の話は、正にトラウマになってしまうほど悲惨なもの。
ただ、逆行も何らかの原因があるようで、それを解決しなければ天寿を全うする事が出来ないようなのだ。
その我侭な理由に「いじめか?」と思ったのはルナティアだけではない筈だ。
そして過去にもルナティア達の様に、何人かの世界が重なり、問題を解決した時もあったようだ。
だがルナティアの一周目で、彼女の周りに逆行した人はいなかった。毒殺され逆行した時には、何が原因だったのかさっぱり分からない状態で目覚めたのだから。
毒殺された事は確かに色んな意味で問題ではあるが、それが原因ではないような気がしていた。毒殺を回避し、その先に要因があるのかもしれないと。
だが気の強いルナティアは、一方的に毒殺された事にも憤慨していたが、何をさせたいのか全く分からないこの運命に逆らいたくて、絶対にフルール国には嫁がないと心に決めた。
先人でも前とは全く違う運命を辿り、それから脱出した人もいる。
ルナティアの辿った一度目は、毒殺だけではなく息子夫婦との仲も最悪で、二度と体験したくないものだった。
正直、話の通じない馬鹿を相手にするのは疲れる。例えそれが自分の息子であっても、だ。
毒殺に、男好きで怠慢な息子の嫁。それに入れ込む息子。そして、その嫁に瓜二つのバカな方の孫娘。何度も言うが、二度と会いたくないし体験したくない。
目覚めた足で早速、父王と会い状況を話し、フルール国の王太子フィリップが来ても顔を会せないよう画策した。。―――が、それは脆くも崩れ去った事は言うまでも無い―――
そして、彼と出会う前に、そして、国内の王族に近い子息と婚約。これで大丈夫だと胸を撫で下ろしたのだが、運命の強制力というのだろうか、やはりフィリップと結婚せざるおえない状況となったのだ。
という事はフルール国に嫁ぐ事がある意味、辿れねばならない道だったのかもしれない。
そうなるとまた、あのバカ息子家族を相手しなくてはいけないのかと、げんなりした。
どう考えてもフルール国には嫁ぎたくなくて、しつこく迫るフィリップに全てを話したのだが・・・・
「ならば、私がどんな脅威からも貴女を守りましょう!」
と、聞く耳を持たない。恐らくルナティアの話を信じているとは言うものの、心の底から信じていたわけではなかったのだと思う。
ただ信じる、守る、そう言えば頷くと思っていたのだろう。それが分かっていたから、ルナティアは頑として頷く事はなかった。
一周目もそうだったが、フィリップのルナティアに対する執着はある意味病的なもので、結婚してからも、どんなに年を重ねてもそれは衰える事はなかった。
よそ見もせず妻一筋。その点に関しては、理想的な夫だと思う。ただ、その無駄に発揮する一途さがジョージに受け継がれて、良くない方へと作用したのかもしれないと思うと、如何ともし難いものがある。
二周目では父王やルドルフ達と一緒に諍ったが、フィリップの「では、国を捨てシェルーラ国に婿入りします!」宣言に、皆が膝から崩れ落ちた事は言うまでもない。
国際問題は避けたかったので、結局はフルール国へと嫁いだのだが・・・結果は、又も同じだった。
そして三周目。目覚めて懐かしい自室の天井を見た時には、重々しい溜息しかでてこなかった。
「トータル百歳ちょい・・・何年生きたらいいのよ・・・・」
今だ何が逆行の要因となっているのかが分からない事に、後何回逆行すればいいのかと、絶望に涙も出なかった。
*百花王・・・・・牡丹の別名です。
33
あなたにおすすめの小説
一級魔法使いになれなかったので特級厨師になりました
しおしお
恋愛
魔法学院次席卒業のシャーリー・ドットは、
「一級魔法使いになれなかった」という理由だけで婚約破棄された。
――だが本当の理由は、ただの“うっかり”。
試験会場を間違え、隣の建物で行われていた
特級厨師試験に合格してしまったのだ。
気づけばシャーリーは、王宮からスカウトされるほどの
“超一流料理人”となり、国王の胃袋をがっちり掴む存在に。
一方、学院首席で一級魔法使いとなった
ナターシャ・キンスキーは、大活躍しているはずなのに――
「なんで料理で一番になってるのよ!?
あの女、魔法より料理の方が強くない!?」
すれ違い、逃げ回り、勘違いし続けるナターシャと、
天然すぎて誤解が絶えないシャーリー。
そんな二人が、魔王軍の襲撃、国家危機、王宮騒動を通じて、
少しずつ距離を縮めていく。
魔法で国を守る最強魔術師。
料理で国を救う特級厨師。
――これは、“敵でもライバルでもない二人”が、
ようやく互いを認め、本当の友情を築いていく物語。
すれ違いコメディ×料理魔法×ダブルヒロイン友情譚!
笑って、癒されて、最後は心が温かくなる王宮ラノベ、開幕です。
【完結】転生したら悪役継母でした
入魚ひえん@発売中◆巻き戻り冤罪令嬢◆
恋愛
聖女を優先する夫に避けられていたアルージュ。
その夜、夫が初めて寝室にやってきて命じたのは「聖女の隠し子を匿え」という理不尽なものだった。
しかも隠し子は、夫と同じ髪の色。
絶望するアルージュはよろめいて鏡にぶつかり、前世に読んだウェブ小説の悪妻に転生していることを思い出す。
記憶を取り戻すと、七年間も苦しんだ夫への愛は綺麗さっぱり消えた。
夫に奪われていたもの、不正の事実を着々と精算していく。
◆愛されない悪妻が前世を思い出して転身したら、可愛い継子や最強の旦那様ができて、転生前の知識でスイーツやグルメ、家電を再現していく、異世界転生ファンタジー!◆
*旧題:転生したら悪妻でした
【完結】家族に愛されなかった辺境伯の娘は、敵国の堅物公爵閣下に攫われ真実の愛を知る
水月音子
恋愛
辺境を守るティフマ城の城主の娘であるマリアーナは、戦の代償として隣国の敵将アルベルトにその身を差し出した。
婚約者である第四王子と、父親である城主が犯した国境侵犯という罪を、自分の命でもって償うためだ。
だが――
「マリアーナ嬢を我が国に迎え入れ、現国王の甥である私、アルベルト・ルーベンソンの妻とする」
そう宣言されてマリアーナは隣国へと攫われる。
しかし、ルーベンソン公爵邸にて差し出された婚約契約書にある一文に疑念を覚える。
『婚約期間中あるいは婚姻後、子をもうけた場合、性別を問わず健康な子であれば、婚約もしくは結婚の継続の自由を委ねる』
さらには家庭教師から“精霊姫”の話を聞き、アルベルトの側近であるフランからも詳細を聞き出すと、自分の置かれた状況を理解する。
かつて自国が攫った“精霊姫”の血を継ぐマリアーナ。
そのマリアーナが子供を産めば、自分はもうこの国にとって必要ない存在のだ、と。
そうであれば、早く子を産んで身を引こう――。
そんなマリアーナの思いに気づかないアルベルトは、「婚約中に子を産み、自国へ戻りたい。結婚して公爵様の経歴に傷をつける必要はない」との彼女の言葉に激昂する。
アルベルトはアルベルトで、マリアーナの知らないところで実はずっと昔から、彼女を妻にすると決めていた。
ふたりは互いの立場からすれ違いつつも、少しずつ心を通わせていく。
前世で私を嫌っていた番の彼が何故か迫って来ます!
ハルン
恋愛
私には前世の記憶がある。
前世では犬の獣人だった私。
私の番は幼馴染の人間だった。自身の番が愛おしくて仕方なかった。しかし、人間の彼には獣人の番への感情が理解出来ず嫌われていた。それでも諦めずに彼に好きだと告げる日々。
そんな時、とある出来事で命を落とした私。
彼に会えなくなるのは悲しいがこれでもう彼に迷惑をかけなくて済む…。そう思いながら私の人生は幕を閉じた……筈だった。
悪女役らしく離婚を迫ろうとしたのに、夫の反応がおかしい
廻り
恋愛
第18回恋愛小説大賞にて奨励賞をいただきました。応援してくださりありがとうございました!
王太子妃シャルロット20歳は、前世の記憶が蘇る。
ここは小説の世界で、シャルロットは王太子とヒロインの恋路を邪魔する『悪女役』。
『断罪される運命』から逃れたいが、夫は離婚に応じる気がない。
ならばと、シャルロットは別居を始める。
『夫が離婚に応じたくなる計画』を思いついたシャルロットは、それを実行することに。
夫がヒロインと出会うまで、タイムリミットは一年。
それまでに離婚に応じさせたいシャルロットと、なぜか様子がおかしい夫の話。
身代わりの公爵家の花嫁は翌日から溺愛される。~初日を挽回し、溺愛させてくれ!~
湯川仁美
恋愛
姉の身代わりに公爵夫人になった。
「貴様と寝食を共にする気はない!俺に呼ばれるまでは、俺の前に姿を見せるな。声を聞かせるな」
夫と初対面の日、家族から男癖の悪い醜悪女と流され。
公爵である夫とから啖呵を切られたが。
翌日には誤解だと気づいた公爵は花嫁に好意を持ち、挽回活動を開始。
地獄の番人こと閻魔大王(善悪を判断する審判)と異名をもつ公爵は、影でプレゼントを贈り。話しかけるが、謝れない。
「愛しの妻。大切な妻。可愛い妻」とは言えない。
一度、言った言葉を撤回するのは難しい。
そして妻は普通の令嬢とは違い、媚びず、ビクビク怯えもせず普通に接してくれる。
徐々に距離を詰めていきましょう。
全力で真摯に接し、謝罪を行い、ラブラブに到着するコメディ。
第二章から口説きまくり。
第四章で完結です。
第五章に番外編を追加しました。
【完結】消された第二王女は隣国の王妃に熱望される
風子
恋愛
ブルボマーナ国の第二王女アリアンは絶世の美女だった。
しかし側妃の娘だと嫌われて、正妃とその娘の第一王女から虐げられていた。
そんな時、隣国から王太子がやって来た。
王太子ヴィルドルフは、アリアンの美しさに一目惚れをしてしまう。
すぐに婚約を結び、結婚の準備を進める為に帰国したヴィルドルフに、突然の婚約解消の連絡が入る。
アリアンが王宮を追放され、修道院に送られたと知らされた。
そして、新しい婚約者に第一王女のローズが決まったと聞かされるのである。
アリアンを諦めきれないヴィルドルフは、お忍びでアリアンを探しにブルボマーナに乗り込んだ。
そしてある夜、2人は運命の再会を果たすのである。
【完結】竜王の息子のお世話係なのですが、気付いたら正妻候補になっていました
七鳳
恋愛
竜王が治める王国で、落ちこぼれのエルフである主人公は、次代の竜王となる王子の乳母として仕えることになる。わがままで甘えん坊な彼に振り回されながらも、成長を見守る日々。しかし、王族の結婚制度が明かされるにつれ、彼女の立場は次第に変化していく。
「お前は俺のものだろ?」
次第に強まる独占欲、そして彼の真意に気づいたとき、主人公の運命は大きく動き出す。異種族の壁を超えたロマンスが紡ぐ、ほのぼのファンタジー!
※恋愛系、女主人公で書くのが初めてです。変な表現などがあったらコメント、感想で教えてください。
※全60話程度で完結の予定です。
※いいね&お気に入り登録励みになります!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる