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一章 統制のフォウンド 1
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人々が行き交う朝のスクランブル交差点。
やがて時間が経って交差点の信号機が切り替わると、人々は足を止めて再び信号が変わるのを待ち始めた。それと同時に交差点の中央上空に女性のホログラムが出現し、彼らはそのホログラムを見上げた。
『FCN。フォウンド・セントラル・ニュースです』
それはニュースだった。ホログラムの女性はニュースキャスターであり、彼女は淡々とニュースを紹介していった。
『本日の早朝、エリア12東部の廃工場に潜伏していたロストのモンスターを我らフォウンドのライダーが駆除しました』
そしてホログラムが切り替わり、青いヘルメットとボディスーツを纏う〈ブルーライダー〉と六本の腕を持つ巨大蜘蛛のような人型モンスター〈ネィマーディプス〉が廃工場で対峙する場面が映し出された。
「クソがああああああああああああああぁぁぁぁぁぁァ!!俺はただァ!!生きたかっただけなのにィ!!何故ェ!!それがダメなんだああああああああああぁぁぁぁァ!?」
「プロビデンスが決めたことだ。モンスターに生きる権利などない」
半ば狂ったように叫ぶネィマーディプスに対し、冷徹に答えるブルーライダー。
「ならテメェも道連れにしてやるよォ!!」
するとネィマーディプスは叫びながら、全ての腕を天井に向けて掌からワイヤーのような糸を発射した。
「オラァ!!」
糸は天井の鉄板や鉄骨等の建材に付着し、ネィマーディプスは掛け声と共に糸を引っ張って強引にそれらを引き抜いた。引き抜かれた建材はブルーライダーに降り注いでいく。
「ふむ」
対するブルーライダーは焦った様子もなく、悠々と落下物を受け流していく。彼はダメージを受けることがない細々とした飛来物を無視し、避けられない大きさの鉄板は横に蹴り飛ばした。そして最後に降り注いできた鉄骨は真正面から受け止めてしまう。
「なッ……」
「受け取れ」
ブルーライダーはそう言うと、手に持つ鉄骨をその圧倒的な腕力で投げ飛ばした。弾丸のような勢いで飛ぶ鉄骨はネィマーディプスの右肩に直撃し、右肩とそこから生える三本の腕を引き千切った。
「ぐあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁァ!!」
右肩から赤い鮮血を吹き出しながら痛みに悶えるネィマーディプス。しかしブルーライダーは容赦することなく二本目の鉄骨を拾ってネィマーディプスに投げ付け、その胴体を突き飛ばし、叩き潰した。
「ま、だ……死……たく……」
そしてネィマーディプスは倒れ、もう起き上がることはなかった。
(さて、ここも時期に崩れるな)
ブルーライダーがネィマーディプスを倒したところで再びホログラムが切り替わり、また先程のニュースキャスターを映し出した。
『フォウンドの敵であるロストの侵略行為を許してはなりません。もしモンスターを見かけた方は速やかにフォウンド当局まで通報をお願いします』
ニュースキャスターが言い終えると、今度はホログラムが消滅して再び信号機が切り替わった。
歩き出す民衆の中で、先程のニュースを見ていたセーラー服の少女は思う。
(いくら敵だとしても……違う)
と。しかし、それでも彼女はいつもの学校に向けて歩き始めた。
やがて時間が経って交差点の信号機が切り替わると、人々は足を止めて再び信号が変わるのを待ち始めた。それと同時に交差点の中央上空に女性のホログラムが出現し、彼らはそのホログラムを見上げた。
『FCN。フォウンド・セントラル・ニュースです』
それはニュースだった。ホログラムの女性はニュースキャスターであり、彼女は淡々とニュースを紹介していった。
『本日の早朝、エリア12東部の廃工場に潜伏していたロストのモンスターを我らフォウンドのライダーが駆除しました』
そしてホログラムが切り替わり、青いヘルメットとボディスーツを纏う〈ブルーライダー〉と六本の腕を持つ巨大蜘蛛のような人型モンスター〈ネィマーディプス〉が廃工場で対峙する場面が映し出された。
「クソがああああああああああああああぁぁぁぁぁぁァ!!俺はただァ!!生きたかっただけなのにィ!!何故ェ!!それがダメなんだああああああああああぁぁぁぁァ!?」
「プロビデンスが決めたことだ。モンスターに生きる権利などない」
半ば狂ったように叫ぶネィマーディプスに対し、冷徹に答えるブルーライダー。
「ならテメェも道連れにしてやるよォ!!」
するとネィマーディプスは叫びながら、全ての腕を天井に向けて掌からワイヤーのような糸を発射した。
「オラァ!!」
糸は天井の鉄板や鉄骨等の建材に付着し、ネィマーディプスは掛け声と共に糸を引っ張って強引にそれらを引き抜いた。引き抜かれた建材はブルーライダーに降り注いでいく。
「ふむ」
対するブルーライダーは焦った様子もなく、悠々と落下物を受け流していく。彼はダメージを受けることがない細々とした飛来物を無視し、避けられない大きさの鉄板は横に蹴り飛ばした。そして最後に降り注いできた鉄骨は真正面から受け止めてしまう。
「なッ……」
「受け取れ」
ブルーライダーはそう言うと、手に持つ鉄骨をその圧倒的な腕力で投げ飛ばした。弾丸のような勢いで飛ぶ鉄骨はネィマーディプスの右肩に直撃し、右肩とそこから生える三本の腕を引き千切った。
「ぐあああああああああああああああああああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁァ!!」
右肩から赤い鮮血を吹き出しながら痛みに悶えるネィマーディプス。しかしブルーライダーは容赦することなく二本目の鉄骨を拾ってネィマーディプスに投げ付け、その胴体を突き飛ばし、叩き潰した。
「ま、だ……死……たく……」
そしてネィマーディプスは倒れ、もう起き上がることはなかった。
(さて、ここも時期に崩れるな)
ブルーライダーがネィマーディプスを倒したところで再びホログラムが切り替わり、また先程のニュースキャスターを映し出した。
『フォウンドの敵であるロストの侵略行為を許してはなりません。もしモンスターを見かけた方は速やかにフォウンド当局まで通報をお願いします』
ニュースキャスターが言い終えると、今度はホログラムが消滅して再び信号機が切り替わった。
歩き出す民衆の中で、先程のニュースを見ていたセーラー服の少女は思う。
(いくら敵だとしても……違う)
と。しかし、それでも彼女はいつもの学校に向けて歩き始めた。
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