ゆめも

toyjoy11

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殺人鬼エンドへようこそ

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小さい頃から変なものを私は見ていた。
羽が生えた手のひらサイズの人間だったり、見たこともない変な生き物たち。半透明の人間だったものなどだ。
生活するうえでそれが妖怪とか妖精とか幽霊とかそういったものだと言うのは理解していた。
何故なら、父も母も私と同じで見えていたからだ。
通常見える筈のないものを見る目。

父も母もその目を持っており、様々なものを払う力があったので、除霊師とか呼ばれていた。
私も同じ力を持っていたのだが、事故により右目だけ、その力を失ってしまった。

それからだ。執着し始めたのは。
美しい眼球を見るととても欲しくなる。
何故だか、涎が口の中で溢れてしまう。股間が濡れてしまう。
両親はそんな私には気付くことは無かった。私が死ぬまで。

15歳になった時に見つけたゲーム。
ゲーム屋さんのワゴンセールに突っ込まれた捨て値同然の見たこともないゲームだった。
安かったのと眼球狩りに引き付けられ、即購入した。

いそいそと帰って、早速ゲームをしてみれば、犯人はまさしく私と同じ思考のようだった。自分のための右目を集め、コレクションしていると言うのは実に共感できる。
ぜひ、私もコレクションしたい。

そう、願ってしまった。
そう、考えてしまった。

先程も書いた通り、私の家は、除霊師を仕事にしている。
私自身、小さい頃から手伝っている。
『清く在れ。正しく在れ。』
そう言われながら、育った。
父も母もあまり家には帰ってこず、お手伝いさんが事務的に家事と子守をしてくれた。
良い子だった私は、たまに帰ってきては、同じことしか言わない両親にそう言った誘惑のことを黙ってしまった。

そして、私たちの家系のせいだろうか?私の真なる願いは目の前で偶然と言う名の必然で叶えられてしまった。
実行したのは私ではない。
私の周りにいつもいる妖精と私が呼んでいるもの。
赤い瞳に緑色の髪。浅黄色の肌の手のひらサイズの人間に似た形のもの。背には羽も生えている。
そんな彼らが、目の前でひったくり犯の眼球を一気に取ったのだ。
ひったくり犯は最近、女性や高齢者をターゲットにして持っているカバン等を後方から原付バイクで近づき、かっさらうと言う手口。私が偶然持っていたブランド物のバックをひったくり犯は奪ったのだ。それを見ていた妖精たちが彼の左目をその奥の頭蓋骨ごとクッキーの型抜きみたいに空き缶で切り取ったのだ。
あまりの出来事に私は固まってしまった。
美しく散る血しぶき。手元の眼球が綺麗な光を持ったままこちらを見ていた。
それはもう、絶対知ってはいけないものだったのだ。
でも知ってしまった。
そう、私はその美しさを知ってしまったのだ。

強い願いは、すぐさま私にいつもついていた妖精たちに伝わってしまった。
それからは、つい好みの眼球に出会うと妖精たちがすぐさま持ってきてくれるようになったのだ。空き缶に入れて。
あぁ、困った。
とても困った。
清く在れと言われているのに。
正しく在れと言われているのに。
私は妖精たちを褒めた。喜んで撫でた。
妖精から貰ったエナジーオイルと言うものに眼球を入れると全然その輝きが失われないまま保存されてた。
初めに貰った眼球は衆人達の中で取られたので、警察に取られた。致し方が無いのだが、実に悲しい。
罪人の眼球でもあれは実に美しかったのに。

私は人前では欲求を隠した。
隠すために頑張った。
ゲームはそれにとてもよく役に立った。欲求が分散する。
彼の狩りが成功する度、つい、応援してしまった。
そんなんだから、いつもBADEND。
でも、繰り返しすることで選択肢も覚えてしまった。
テストの点数も育成のパターンも覚えてしまった。
すると困ったことに彼の狩りが失敗するようになる。実に困る。たかがテストでいい点とっただけで欲求が止まるなんて実におかしい。ゲームとしては確かにそれであっているのはわかるんだが、彼の気持ちになると実に不愉快だ。
でも、途中で考えが変わった。
そうさ、これはゲームなんだ。
敵が優秀になれば、その分彼の正体が暴かれやすくなる。それを対策するために彼は一旦、コレクトを中断したんだろう。
・・・たかが学生の成績だぞ?
・・・あ、そう言えば、クリアーしていないから犯人わかんないや。
このことから考えるに、恐らく犯人は学園関係者だろう。
主人公たちの成績が上がったら、コレクトが止まる。なら、基本的に考えられるのは学生の成績優秀者。次点が教師だろう。
ゲームを繰り返しするごとに従魔レベルも上がってきた。画面の中の魔獣たちなのに妖精たちが嫉妬してきたので、多少ゲームの進みが遅くなったが、うちの妖精たちは実に可愛いので仕方ない。
甘えられるとつい、よしよししてしまう。
ゆっくりとではあるが順調にゲームのイベントをクリアーして、犯人にたどり着いた。犯人は生徒会長ガルトだった。
ゲームの世界なのに未だ幸せになれない彼。実に可哀想だった。
その瞳の虹彩は銀色だった。瞳孔は濃い藍色。
実に、実に美しかった。私は彼の瞳も欲しいと思った。

ゲームクリアーのエンディングムービーが流れ、スタッフロールが出てくる。今までのイベントや思い出のスチルがセピア色で流れる。最後に攻略したキャラとの結婚式のムービー。攻略したのは宰相子息クリスだった。宰相が急病で死んだ後、彼が後釜になり、それを支えると言った内容の文が流れた。
・・・ヒロイン、良い根性しているね本当。

そう思わざる得なかった。
宰相家は公爵家。ヒロインは男爵家。
結婚なんて無理なはずなのに、達成しているんだから、笑えない。

周回するかといつもの様に初めからを選択しようとしたら、今までBADENDだから知らなかったのだが、クリアーボーナスとして、従魔などの成長をそのままにして、再度プレイすることが可能になった。

勿論、ボーナス有りで進めた。
2週目は1週目より簡単にクリアーした。だって、従魔の成長が引き継げちゃったら、そりゃ簡単だ。
気になったのは、今度の犯人は魔法学科の教師クレアが犯人だったことだ。ちなみに、その時の攻略キャラは魔法団長候補になっているカレイド子爵子息。

おそらく、攻略キャラによって、犯人が異なるんだろう。しかし、犯人の特徴的な目の色彩は同じだった。虹彩が銀色。瞳孔は濃い藍色。
1週目の時、彼の瞳は虹彩が緑。瞳孔は濃い緑だったはずなのに、エンディングで目の色が変わっていたのだ。

そう考えると犯人は誰かの体を乗っ取っているか入れ替わっているかが考えれられた。となると、ゲーム内でちょいちょい噂としか出てこない魔族が怪しく感じた。
だって、話題に上がるのに存在が見えないのだから。

でも、この話内で出てくる魔族の特徴は紫色の目と言うことだった。それなら、灰色の虹彩はおかしい。じゃあ、誰なんだろう?いや、違うな、彼は一体、何なんだろう?

3週目は騎士団長子息のキンバル公爵子息。犯人は副学園長レイド。エンディングは戦争に向かうキンバルが将軍になっていて、ヒロインも一緒に戦争に向かうと言ったもの。

なにそれ、エグイね。

ちなみに魔法団長候補のカレイド子爵の時は普通に結婚して、3人の子宝に恵まれると言ったもの。今のところ一番ほのぼのエンディングは彼だ。

4週目は双子の兄の公爵子息ダイジェット。彼の妹リリンと向かい合って仲良くお茶会をしていて、中央の席で子息が微笑むムービー。文は彼と結婚して幸せに暮らしたと書いてあるけど、実質、百合エンドにしか見えない感じだった。
イベントもリリンがらみばかりだったし・・・まぁ、リリン公爵令嬢は滅茶苦茶かわいいからいいけど。
犯人は、担任の優男ミスト伯爵子息。

5週目、王太子エンド。犯人は・・・腹違いの弟君。第二王子アレク様。
やはり、どう考えても、おかしい。
彼らしくない。なら、やはり、そうなのだ。乗っ取ったか成り代わられている。

でも、誰によってだろう?
クリアーするとOPで選択肢が増える。アルバムが選択できるようになる。そして、達成したイベントがアルバムに追加されるのだが、そのアルバムに3つだけ、空白があった。
つまり、ゲームは続いている。

6週目・・・私はクリアーした。
しかし、同時に警察が私のところにやってきた。

被害者が亡くなった時、私にはアリバイがある。学校で授業を受けていた。
しかし、警察はほぼ私の犯行と断定して動き始めた。

困ったことに眼球は部屋の隠し扉の中。結構わかりやすいところにしか保存できていない。
しかも、この扉の存在は両親は知っている。本当、困る。
両親は、私のことを信じているようだったので、警察に扉のことは言っていないようだが、時間の問題な気がする。

・・・本当、どうやって、私にたどり着いたんだろうか?私は一切、手を出していないのに。

警察に警察のストーカー被害届を出したが、全く相手にされず、そして、私はストーカー刑事を撒く為に逃げている最中に事故で死んでしまった。
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