黒崎夢音のフリー台本置き場

黒崎 夢音

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拝啓 未来のあなたへ

拝啓 未来のあなたへ1

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時間•••15分~20分
純也:美島 純也《みしま じゅんや》 担当:男性 
麗子:美島 麗子《みしま れいこ》 担当:女性 
愛兎:時空 愛兎《じくう まなと》 担当:男性《女性の方に演じていただいても大丈夫です!》 
ナレ:ナレーション 担当:男女不問 

純也:「麗子《れいこ》…、なんで俺よりも先に逝ってしまったんだ…。こんなことならもういっその事死んでしまえば…。」
ナレ:純也は、首元にナイフを突き立てていたが、ふと麗子の亡くなる前の事を思い出した…。

ナレ:数ヶ月前…。
麗子:「ねぇ、純也《じゅんや》。」
純也:「なんだ?」
麗子:「もし、私に何かあった時のためにあるものを残しているの。どこにあるかは教えないからもしもの時は探し出してね!」
純也:「…。」
ナレ:そして、今に至る。

純也:「そういえば、麗子が亡くなる前にそんな事を言っていたな…。麗子が亡くなってしまった悲しみで大切なことを忘れてしまっていたようだ…。しかし、せっかくならその麗子が残してくれたというものを探してみようか。何もせず逝けば麗子に怒られてしまうだろうしな。」
ナレ:そうして純也は麗子の言葉を思い出し、麗子の残したものを探し出した。      

純也:「ふぅ…。麗子が隠しそうな場所…、書斎も色んな引き出しも探しみたけれど、見つからないなぁ…。あぁ、本当にあの子は俺に探し物をさせるのが好きだな…、生きていた頃も色んなものを隠したから探してって言われてたっけな…。イタズラ好きの子だったな…。思い出したら、涙が…。グスッ。でも、こんなところでへこたれてちゃいけないな。あ、そういえばあの金庫に入ってたりして…。」
ナレ:この金庫というのは麗子が大切にしているものをしまっている金庫である。
純也:「確か番号は俺の誕生日の1029でよし、開いたって、ホントにここにあんじゃねぇかよ…。」
ナレーション:純也の開いた金庫には拝啓 未来のあなたへと書かれた手紙と今まで麗子が大切にしていたものが入っていた。
純也:「こんなに沢山大切なものをなおしてたんだな。で、手紙の内容は…。」

麗子:「拝啓 未来のあなたへ
純也がこの手紙を読んでいるということは、まだちゃんと生きていてくれているということね。良かったわ。そして、私の言葉を思い出してこの手紙を探し出してくれてありがとう。あなたならきっと見つけ出してくれると思っていたわ。まず、あなたを1人にしてしまってごめんなさい。本当ならおじいちゃん、おばあちゃんになってもずっと仲良く暮らしていたかったのだけれど、こんなにも早く死ぬことになるなんて…。人間誰でも病気にはなるものだけれど、もっと早くに気付ければ良かったな…。そうしたら、あなたともっと思い出を作れただろうし、あなたの事をもっと知れたんだろうな…。まぁ、こんな事嘆いてもって話なんだけれどね…。うん、だめね、こんな話していたらきっとまたあなたを泣かせてしまうだろうから、早速本題に入るわね。信じてくれるか分からないのだけれど、私、幽霊とかあやかしの類が見える体質でね今まで色んな目にあってきたんだけど、ある子が護ってくれることになってね。その子もあやかしなんだけど、とってもいい子なの。それで、その子があなたに話をしたいって言っていたからこの手紙を書いています。あなたがこの手紙を読み終わる頃にはあなたのところにその子が行っていると思うわ。私の渡したかったものも預けてあるから、貰ってね。じゃあ、また来世で会えることを願って…。大好きだよ。麗子より」
純也:「麗子…、俺も愛してる…。」
愛兎:「あの~、お取り込み中失礼いたします。」
純也:「!?誰だ!」
愛兎:「おっと、そんなに身構えないでくださいよ。その手紙に書いてあるその子が私《わたくし》のことです。まぁまずは、自己紹介させていただきましょう。私は、時《とき》をすべるあやかし時空 愛兎《じくう まなと》と申します。以後お見知り置きを…。」
純也:「君が…、麗子の手紙に書いてあるその子…、なんだね…。」
愛兎:「はい。その通りでございます。純也様。」
純也:「いや、様付け!?」
愛兎:「我が主、麗子様の旦那様でございますからね。」
純也:「主!?どうゆう状況なんだ…?」
愛兎:「そうなりますよね…。急に私のような者が現れたら…。」
純也:「いやいや、もう現れたどうのこうのはどうでもいいから!説明をくれ!説明を!!」
愛兎:「…。純也様って以外とせっかちなんですね…。まぁ、良いでしょう。まず、私と我が主《わがあるじ》麗子様の出会いから話させていただきましょう。」
純也:「あぁ、頼むよ。」
ナレ:15年ほど前…。
時空:「くっ…。なんとか逃げ出すことは出来たが、果たしてこれからどうするか…。くっ…。」
麗子:「あの…、大丈夫ですか…?」
愛兎:「!?何者だ!!」
ナレ:目の前に麗子が現れた瞬間、愛兎は手に持っていた刀を麗子に突き出した。
麗子:「わぁ!ちょ、ちょっと待ってください…!!私、怪しいものじゃないです!!」
愛兎:「…?あ…、妖力を感じないから人間か…。って、人間!?何故俺が見える!?っつ…、いってぇ…。」
麗子:「もう、動かないで下さい!手当てしますから!!」
ナレ:麗子はそういうと手に持っていた救急箱から消毒液などを取り出し手当てを始めた。
麗子:「ちょっと染みると思いますけど、我慢してくださいね…、せ~の!」
愛兎:「く…、うぅ…。」

麗子:「よし。消毒はできた…。後は包帯を巻いて…、完成!!」
愛兎:「かたじけない…。」
麗子:「いえいえ~!って、ところであなたなんでそんなに怪我を負っていたんですが…?私に刀を向けるくらいだし、だいぶ焦っていたご様子ですし…。」
愛兎:「ハハハ…、君には助けていただいた義理がある話を聞いてくれるかい?」
麗子:「もちろん!聞かないと気になって仕方ないですし!」
愛兎:「では…、まずは俺の力からだな。俺は時をすべるあやかしでな。その力が強大だからと幼少期から牢に閉じ込められ、どこにも出してもらえず、痺れを切らした俺は傭兵をなぎ倒してなんとかここまで逃げてきたんだ…。で、このありさまさ、ハハ、笑えるだろ?」
ナレ:その話を聞いていた麗子は涙を流していた。
麗子:「うぅ…。な、なんなんですかその話!!何も笑えないですよ!!危ないからって牢に閉じ込めて…、ひどいですよ…。」
愛兎:「な、なんで君が泣いているんだ!?君を泣かせるつもりはなかったのだがな…。こんな俺を助けるような子だ。本当に優しい子なんだな…。ほら、顔を上げて、涙を拭いてくれ。」
ナレ:愛兎はそうゆうと麗子にハンカチを手渡した。
麗子:「ふふふ。人のこと優しいとか言っておきながら、あなたも十分優しいじゃないですか。」
愛兎:「ハハハ、そうか?」
麗子:「ええ。」
愛兎:「ふむ…。1つ提案があるのだが…。」
麗子:「…?なんでしょうか?」
愛兎:「俺が見たところ、君はあやかしや幽霊の類に狙われやすいようだ。」
麗子:「あぁ…、確かにそうですね…。」
愛兎:「そこで提案なのだが、俺と契約を交わさないか?」
麗子:「け、契約!?なんか、怪しいものならここから立ち去りますからね!?」
愛兎:「違うよ!君にとっても有益な話だと思うから聞いて欲しい。」
麗子:「わ、分かりましたよ…。」
愛兎:「ありがとう。契約と言うものは、君と俺とで主従関係を結ぶことだ。」
麗子:「しゅ、主従関係…?え、私があなたの従者になったら護ってくれる的な感じですか!?なら、全然従者になるのもありだな…。」
愛兎:「待て待て待て!勝手に話を進めるな!」
麗子:「え…?違うんですか?」
愛兎:「その逆だよ。」
麗子:「え、逆…?え~!?私が主になるってことですか!?」
愛兎:「理解してくれたようで良かったよ…。」
麗子:「いやいやいや、無理ですよ!私のような凡人が、あなたの主なんて!!」
愛兎:「まぁ、話を聞いてくれ。君は俺と契約を結ぶことによってあやかし等から狙われても俺との契約さえあれば大丈夫になる。俺がそこまで行って倒すからな。そして、俺は君と契約を結ぶことによって今の姿と少し変わった姿になることが出来るから追手から逃れることができる。どうだ?いい提案だろ?」
麗子:「う~ん…、確かにすごく助かりますが…。お互いに危険はないんですか?」
愛兎:「あぁ、全くない。強いて言うなら君の心の影響によって俺の見た目がだいぶ変わるかもしれないということだな。」
麗子:「えぇ…?それは、良いんですか…?」
愛兎:「あぁ。構わないよ。むしろ好都合だ。」
麗子:「そうですか…。なら、お願いしようかな…?」
愛兎:「よし。善は急げだ。早速始めるぞ!」
ナレ:愛兎がそう言うと愛兎と麗子はお互いの顔を見られるよう正面同士で座った。
麗子:「…。で…。これからどうするんですか…?」
愛兎:「君は何もしなくて良い。そこに座っていてくれれば良い。」
麗子:「は、はぁ…。」
愛兎:「よし。我、時空 愛兎は人間、桜田 麗子《さくらだ れいこ》と契約を結び、この身が朽ち果てるまであなたを護ることをここに誓う。」
ナレ:愛兎がそう唱えるとみるみるうちに愛兎の姿が変わっていった…。
愛兎:「うむ。やはり君は…、いや…、我が主は心が綺麗な方ですね。見た目はあまり変わっておりませんが、髪が伸び、色が黒髪から綺麗な白髪に変わっておりますよ。」
麗子:「ものすごくきれい…。じゃなくて、なんで私の名前知ってるの!?って言うのと、どうして敬語になってるんですか!?」
愛兎:「そりゃあ、契約を結ぶときに頭の中を少し覗かせていただきますから、その時にお名前は把握しました。あと、敬語になったのは貴方様が我が主だからですよ。麗子様。ですので、麗子様は私《わたくし》に対しての敬語を辞めてくださいね?」
麗子「くっ…!顔が良い…。わ、分かった!これからよろしくね!愛兎!で、良いのかしら…?名前合ってる…?」
愛兎:「えぇ。あっておりますよ。麗子様。こちらこそこれからよろしくお願いいたします。」

愛兎:「と言うのが私と麗子様の出会いと主従関係に至った経緯です。」
純也:「ほう…、なるほど…ってなるか!!なんで、映像が残ってんだよ!!」
愛兎:「えぇ?そりゃあ私の記憶から引っ張り出してきて、映像として出力しているだけですが…。」
純也:「いや、映像の解像度高すぎるだろ!?」
愛兎:「そうでしょうか?まぁ、強いていえば私は、麗子様からかけられたお言葉、行動何一つ忘れたことはございません…!あぁ…、本当に麗子様はお美しい…!!」
純也:「こ、これが巷で言う限界オタクなのか…?って、こんな話ししてる場合じゃねぇ!!愛兎は、俺に何か用があったんじゃないのか…?」
愛兎:「そうなんですが…。純也様も色んな話を聞いてお疲れになったと思いますし、麗子様が亡くなられてからちゃんとおやすみになられていないでしょう。なので、今日はもうおやすみになってください。話の続きはまた明日で。」
純也:「は!?ここまで来て話さないのかよ!?」
愛兎:「今の貴方様には休養が必要です。そのようなお顔のままでは麗子様もご心配なされます。」
純也:「でも…!!」
愛兎:「はぁ…。強情ですね…。それならもう、強制的に…。」
ナレ:愛兎はそう言うと純也の頭に指を置いた。
純也:「っ!?なんだよ!?」
愛兎:「そのまま眠りに落ちなさい…。」
純也:「ふっ…。」
愛兎:「はぁ…。やっと寝てくれましたね…。まぁ、強制的にですが…。麗子様から預かっている物をお渡しするのとあのお話はまた明日にいたしましょう。」
         第1話終
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