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1章 親友が酷い目に遭わされたので
19話 ブレインの精鋭だそうですよ
しおりを挟む魔王城の中は誰もいないように静かです。
さきほどまで、ブレインの精鋭とやらの足音が沢山聞こえてきていたのですが……。どうやら隠れて私を攻撃する隙を伺っている様です。
しかし、魔王城というのは不思議な空間です。
外観はあまり大きくなかったのに、中は凄く広いです。何か魔法を使っているかもしれませんね。
これは、暴れても通路が崩壊するとかは考えなくていいのでは?
しかし、ブレインの精鋭部隊というのはなかなか優秀なようですね。気配を完全に消せています。
まぁ、私にはどこに隠れているか分かるんですが……。
さて、どう殺しましょうか。
あ、そうです。適当に魔法を投げつけてみましょう。
私は炎の玉を作り出し、精鋭達が隠れているところに炎の玉を投げつけます。
炎の玉は壁に当たると爆発します。すると、精鋭と思われる魔族の悲鳴が聞こえてきました。
「魔法が当たっても壁が壊れないという事は……幻覚魔法でしょうか? まぁ、壊れないのなら壊れないでいいのですが……」
精鋭達は、炎の玉をぶつけられるのが嫌になったのか姿を現し襲ってこようとします。
ダメですよ。姿を現したのなら殺し放題になります。
私は精鋭達を皆殺しにします。
私が精鋭達を皆殺しにして、先に進もうとした時、二人の強い魔力を感じました。
姿を隠して様子を見ましょう。
私は気配を消し、何かが来るのを待ちます。
暫く待つと強そうな二人が話し合いながら部屋に入ってきました。どうやら、精鋭部隊の死体を見て驚いている様です。
「私がここに来ている事はバレているでしょう……姿を現しますか……」
私は二人の前に現れます。いきなり現れた私に驚いているみたいです。
「すいません。貴方達が四天王ですか?」
強い二人は武器を構えます。反応が速いですね。これはかなり強いと思いますよ。流石四天王です。あの筋肉とハヤイの二人は四天王とはいえ出来損ないだったのでしょうか。
「貴様が、ブレイン様を侮辱した人間か!?」
「許さんぞ! あの御方を侮辱するのは我等が許さない!」
ブレイン様? という事は、彼等は精鋭部隊という事ですか?
これは意外です。
あの馬鹿そうな四天王にこんな強そうな部下がいるとは……。
「ブレインを侮辱した人間? あの程度の煽りで侮辱になるのでしたら、煽ったのは私です。貴方達は私を殺しに来たんですよね?」
「外で貴様を待ち構えていたパワー様とハヤイ様はどうなったんだ!?」
「殺しましたよ。私がここにいる事がその証拠でしょう? 何を馬鹿な事を言っているのですか?」
私の答えに二人は青褪めます。
という事は、あの二人はそこそこ強かったという事でしょうか。つまり、目の前にいる二人はたいした事が無いと……。
「ま、まさか……。あのお二人がこんな小娘に殺されるとは……」
おや?
二人のうちの一人がコソコソと何かを指示しています。
はて?
周りを囲まれていますね。いつの間にかに部下を配置していたようですね。
二人は、私を見てニヤケつきます。
「人間。貴様には、もう逃げ道は無い」
「全員、気を抜くなよ。目の前にいるのは勇者だ! 前に半ベソで逃げて行った偽勇者とは違うぞ!」
偽勇者? ウジ虫の事ですかね?
ウジ虫には勇者の力があると聞きましたが、どうやらそんな力を持っていてもウジ虫は所詮ウジ虫という事ですね。
しかし……。
私が勇者?
私は殺気を放出させます。
私はつい不機嫌になり、精鋭達を睨みつけます。
しかし流石は精鋭と言ったところでしょうか。殺気に当てられながらも、逃げ出す真似はしません。
私は、魔族達をじっくり見ます。
一人一人がレッグさんとまでは言いませんが、そこそこ強いようです。
私がじっくりと観察しているのを見て、精鋭の魔族が襲いかかってきました。
あぁ、動いてしまいましたか。
私は襲い掛かってきた魔族を斬り捨てます。魔族と言えど上半身と下半身がおさらばすれば死ぬでしょう。
さて、挑発してみましょうか。
「さぁ、全員で襲いかかってきてください。貴方達のような雑魚は一気に襲いかかってこないと戦いにすらなりませんよ」
挑発にしては、わかりやすかったですかね?
しかし、精鋭達は動こうとしません。
煽り耐性の無いブレインの部下ならば、頭に血が上って襲いかかってくると思ったのですが、意外にも精鋭達は冷静なようです。
「そんな子供だましの様な挑発には乗らん!」
子供だまし?
魔族には幼体は無いと聞きましたが? どうして、「子供」などという言葉を知っているのでしょうか?
まぁ、今はそれはどうでも良いですかね。
魔族達は、編隊を組んで連続に私に襲いかかってきます。今のはいいですよ。避けられないように同時攻撃も繰り出すとは……。なかなかやりますね。魔族で敵でなければ、ファビエ王国にスカウトしたいくらいです。
でも、彼等は魔族。
私は魔族を全て殺すと決めました。
まぁ、紫頭のように面白い魔族であれば生かしておく事も考えたのですがね。
さて殺しましょうか……。
私は精鋭達を斬り殺していきます。
次々におかわりが来るので忙しいです。しかし、死を恐れていないのですね。
おや?
魔族を斬ったのですが、この魔族は剣にしがみ付きます。
「あの。離れてくれませんか?」
「ぐ……ふ……。は、離して……たまるか」
なるほど。こうやって私の剣を使えなくするのが目的ですか。
しかし、自分の命を使ってまで……。素晴らしいです。
ですが、残念ですね。
「貴方がくっついたままでも、魔族くらいは殺せますよ?」
剣にしがみつく魔族にそっと囁くと、死にかけている魔族の見開かれます。
「貴方が……武器になるんです」
更に、そう教えてあげると、魔族は青褪めます……が、もう遅いですよ。
私は、魔族付きの剣を振り回します。
「これはこれで、殺傷能力が上がるんですよ? 魔族は体が硬いですから、良い武器になります」
魔族付きの剣で精鋭達を薙ぎ払います。
悲鳴が沢山聞こえてきます。
……楽しいですねぇ……。
暫く振り回していると、しがみついていた魔族が外れます。残念です。ただの剣に戻ってしまいました。
でも、たいした問題ではないです。今度は剣で斬ればいいだけですから。
暫く魔族を一方的に斬っていると、最初に見た二人のうちの一人が斬りかかってきました。
なかなか速いですが、ハヤイに比べれば遅いです。これでは簡単に返り討ちにできますよ。
私は強そうな魔族を斬ります。すると、指揮官も私の剣にしがみつきます。まさか、再び打撃武器になってくれると思いませんでした。
「今度は、武器にできると思うなよ?」
私の剣にしがみつく魔族の口角が釣り上がります。斬られているのですから、顔色は悪いですが……あ、元々、顔色は緑でしたね。
しかし、武器になったのには変わりは……ん? 空が暗くなりました。雨ですか? いえ、ここは室内です。
「なんでしょう?」
私は空を見上げると、そこには巨人の様に大きな魔族が大斧を振り上げていました。
「お前の死は無駄にせん!!」
そう言って、大斧を振り下ろしてきます。
一瞬何が起こったか理解できませんでしたが、この連携は素直に素晴らしいと思いました。
私は打撃武器に変わった剣で大斧を受け止めようとします。
剣と大斧がぶつかり合い、しがみついていた指揮官は粉々になります。
はぁ……。
パワーに比べれば力はありませんよ。
私は剣で大斧を砕きます。
「な、なにぃ!?」
驚いているのを見逃すほど、私は優しくありませんよ?
私は巨人の脛を斬りつけ、蹲ったところで背中に乗り、首を一気に刎ねます。
これで残りは最初にいた魔族だけです。
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