素晴らしい世界から脱却を

秋霧ゆう

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第16話 イベントへ⑦Lv上限なしギルド対抗戦

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『それでは、BWO式大運動会。最終日となりました!!泣いても笑っても最後の戦い。そんなラスト種目はLv上限なし、ギルド対抗戦となります!!!』

 最終日は今までにないほど盛り上がる。
 高レベル同士のぶつかり合い。
 高レベル同士の戦いは勉強にもなるし、今までの戦いは見にこなくてもこれだけはという人が多いのだ。

『それでは、くじ引きしま~す』

 このくじ引きでは個人戦かグループ戦かが決まる。ちなみに第1回大運動会ではグループ戦だった。

『どれにしようかな~。てやっ。これは、個人戦だ~!!それでは、各ギルド10分間の作戦タイムに入って下さい』

「作戦タイム?」
「そうそう。グループで組んできたギルドは誰が出るかここで話し合うんだ」
「へぇ」
「で、全員が出揃ったら組み分け発表」
「なるほどな」

 10分後。

『決まったようですね!それでは、組み分け発表します。第1組魚人VS人間。第2組エルフVS獣人となります。それでは、魚人、人間の出場者は前に出てきてください!!』

 魚人からは魚群リーダーのサカナ。人間からは社畜リーダーのガンバルンバ。

『ガンバルンバさんといえば、盾の人ですよね。守ることしか出来ないのに何をするんですかね』

 なかなか、酷いことを言っているが、このイベントももう7日目。皆、聞き慣れてしまい、特に何も思わなかった。

『一方のサカナさんは魚人の中では珍しい拳での戦いが得意とされてますね。今回の戦い、どうなるのか楽しみです!!それでは、開始致します』

3・2・1 START

「サカナ君、よろしくね」
「こちらこそ、お願いします。ルンさん」
「どっからでもかかっておいで」

 先制攻撃はサカナ。ガンバルンバの持つ盾に向かって思いっきり殴る。
 ガンガンと音が鳴り響く。
 一度距離を取り一言。

「やっぱ、硬いっすね」
「そりゃあね、課金武器だから。頭使わないと勝てないよ」

 また、サカナが走り出した。

「はぁ。また同じ手?」

 すると、目の前に辿り着いた瞬間、地面に潜りガンバルンバの後ろから思いっきり殴る。

「はぁ。こんなもん?」
「チッ」
「舌打ちした!?!?」
「してないっす」
「そう?それならいいんだけど」

 ガンバルンバの持つ盾と鎧は課金武器として簡単には破れないのだ。

『思ったより、強かったんですね、あの人。新人を追い回すだけの人かと思っていたんですが、ちゃんと実力のある人だっんみたいですね!!』

「馬鹿にされてますよ?」
「あとで、絞める」
「そうすか。頑張ってください」
「うん。ありがとう」

『何やら、怖い会話ですね』

 するとまた、サカナが仕掛けた。
 地面に潜り、ガンバルンバの周りを泳ぐ。

「なにをしてるのかな。そんなことしてたって勝てないよ」

 無視するサカナ。

「無視はよくないよ」

 無視するサカナ。

「話をちゃんと聞きたまえ」

 無視するサカナ。

「これだから、最近の若者は」

 怒りを見せるガンバルンバ。

「私の話を聞け」

 ガンバルンバがこの戦いで初めて動いた。
 その隙を見逃さなかったサカナ。
 ガンバルンバは片足を上げた瞬間に地面についている足を地面の中へ引っ張る。

「そんなことしても無駄だ…うん?」

 足を抜け出すことが出来なかった。
 通常の魚人の攻撃は引っ張ってるだけのため、頑張れば抜け出させる。
 分かりやすく言うのなら田んぼに足を取られた。そんな感じだ。
 だが、今ガンバルンバは抜け出せなかった。
 ガンバルンバの前にサカナが姿を見せる。

「何をしたのかな?」
「ハァハァ。俺はリーダーなんすよ。リーダーは皆を引っ張る存在。強くないといけない。なので、魔法を覚えました。あなたを倒します」

 この言葉を聞いていた観客。泣きそうになる人が多かった。

「俺、魚人にすれば良かった」
「うちのリーダーとは全然違う」
「あんな上司が欲しい」
などなど。

「足を止めたところでどうしようも出来ないでしょ」
「いいえ、魔法を覚えたって言いましたよね?」
「言ってたね」
毒雨アシッドレイン
「!?」

 毒雨アシッドレインとは名前の通り毒の雨。
 全てを溶かす力で使える人は極わずか。

「動けないあなたに勝ち目はない」
「く、くそー!!!!」

『しょ、勝者は!!魚群ギルドリーダー、サカナ!!!!』

ワァァァァ。

 競技場が盛り上がる。
 途中、誰もがサカナの勝利はないと思ったものの勝利を勝ち取ったのはサカナだ。

『この盛り上がりのまま次の戦いへ行きましょう!!次は獣人VSエルフです。どんな盛り上がりを見せてくれるのか!』


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