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第25話 さよならへ
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【剣崎】この名字には聞き覚えがあった。
会社に向かう途中にある昔ながらの大きな家。
拓海はすぐにゲームをログアウトし、急いで着替え、向かった。
だが、時刻は3時。電車は動かない。タクシーを呼んで急いで向かった。
インターホンを鳴らし、扉をドンドンと叩いた。
中から大男が出てきた。
「こんな時間に何の用だ。それに貴様は誰だ」
「ソー、か、彼方は居ますか?」
「彼方、そんなゴミはここには居ない」
ゴミ。それはソードの話に出てきた単語だ。
拓海は無理矢理家の敷地へ入った。
「警察を呼ぶぞ」
拓海はお構い無しに叫んだ。
「おーい、彼方、どこにいるんだ!?」
人が集まってきた。
「彼方、彼方ー!!」
拓海は大男に取り押さえられた。
「うちの彼方に何の御用ですか?」
着物を着た母親らしき、女性が来た。
拓海は取り押さえられながら女性に訴えた。
「俺、彼方の友達で。ずっとゲームで話してたんですけど急に居なくなって、嫌な気がしてお邪魔しました」
そして、母親らしき女性は血相を変えて、走って行く。拓海も大男から何とか抜け出し、追いかける。
「彼方、彼方!!」
部屋の扉を開けようとするも扉には鍵がかかっていて開く気配はない。
「なに、母さん」
「誰、その男」
近くにあったほうきで攻撃されかけたが、母親が止めに入る。
「そんなことより彼方の部屋に入る術はないの?」
「彼方の?俺の部屋から行けるけど」
彼方と兄の部屋はベランダが繋がっており、行き来することが出来る。
部屋に入ろうとするももちろん鍵がかかっている。だが力ずくでガラスを割りすぐに部屋の中に入った。
すると、痩せ細った姿の彼方がベッドの上で寝ていた。
「かな…た?」
泣き崩れる母親。信じられないと疑う兄と姉。やっと死んだかと言わんばかりの父親。
その様子に拓海は父親を殴った。
「逮捕だ。暴行罪だ。その前に不法侵入もか」
「彼方は、ずっとお前からの暴力や暴言に苦しんでいた。お前が彼方を殺したんだ」
「は?そいつは自殺したのだ。勝手に苦しみ勝手に死んだ。私には関係ない」
もう1発殴ろうとした時、母親に止められた。母親が父親に平手打ちした。
「出ていって」
「何?」
「聞こえなかった?この家から出ていきなさいと言ったの。私とあなたは今日この時刻を持って無関係です。離婚届も近々出しに行きます」
「ふざけるな」
父親が母親を殴りかかろうとした時、部屋にあった竹刀で兄と姉が父親を止めた。
「母さん、この男を外に出してきます」
「…お願い」
彼方の兄と姉に連れられ父親は部屋から出ていった。父親はずっと何かを叫んでいた。
「この子の、彼方のお友達と仰いましたよね。彼方は自分のことを、あまり話さない子でした。ですが、あなたには話していたようですね。心を許せる大切な人だったのですね。私よりあなたの方が話やすかったのですね。彼方の、友達になってくれて、ありがとうございます」
「いえ、俺の方こそ。…彼方。友達になってくれてありがとう」
その後、葬式は家族と拓海とその他仲の良かった友達数人が呼ばれ早々と終わった。
会社に向かう途中にある昔ながらの大きな家。
拓海はすぐにゲームをログアウトし、急いで着替え、向かった。
だが、時刻は3時。電車は動かない。タクシーを呼んで急いで向かった。
インターホンを鳴らし、扉をドンドンと叩いた。
中から大男が出てきた。
「こんな時間に何の用だ。それに貴様は誰だ」
「ソー、か、彼方は居ますか?」
「彼方、そんなゴミはここには居ない」
ゴミ。それはソードの話に出てきた単語だ。
拓海は無理矢理家の敷地へ入った。
「警察を呼ぶぞ」
拓海はお構い無しに叫んだ。
「おーい、彼方、どこにいるんだ!?」
人が集まってきた。
「彼方、彼方ー!!」
拓海は大男に取り押さえられた。
「うちの彼方に何の御用ですか?」
着物を着た母親らしき、女性が来た。
拓海は取り押さえられながら女性に訴えた。
「俺、彼方の友達で。ずっとゲームで話してたんですけど急に居なくなって、嫌な気がしてお邪魔しました」
そして、母親らしき女性は血相を変えて、走って行く。拓海も大男から何とか抜け出し、追いかける。
「彼方、彼方!!」
部屋の扉を開けようとするも扉には鍵がかかっていて開く気配はない。
「なに、母さん」
「誰、その男」
近くにあったほうきで攻撃されかけたが、母親が止めに入る。
「そんなことより彼方の部屋に入る術はないの?」
「彼方の?俺の部屋から行けるけど」
彼方と兄の部屋はベランダが繋がっており、行き来することが出来る。
部屋に入ろうとするももちろん鍵がかかっている。だが力ずくでガラスを割りすぐに部屋の中に入った。
すると、痩せ細った姿の彼方がベッドの上で寝ていた。
「かな…た?」
泣き崩れる母親。信じられないと疑う兄と姉。やっと死んだかと言わんばかりの父親。
その様子に拓海は父親を殴った。
「逮捕だ。暴行罪だ。その前に不法侵入もか」
「彼方は、ずっとお前からの暴力や暴言に苦しんでいた。お前が彼方を殺したんだ」
「は?そいつは自殺したのだ。勝手に苦しみ勝手に死んだ。私には関係ない」
もう1発殴ろうとした時、母親に止められた。母親が父親に平手打ちした。
「出ていって」
「何?」
「聞こえなかった?この家から出ていきなさいと言ったの。私とあなたは今日この時刻を持って無関係です。離婚届も近々出しに行きます」
「ふざけるな」
父親が母親を殴りかかろうとした時、部屋にあった竹刀で兄と姉が父親を止めた。
「母さん、この男を外に出してきます」
「…お願い」
彼方の兄と姉に連れられ父親は部屋から出ていった。父親はずっと何かを叫んでいた。
「この子の、彼方のお友達と仰いましたよね。彼方は自分のことを、あまり話さない子でした。ですが、あなたには話していたようですね。心を許せる大切な人だったのですね。私よりあなたの方が話やすかったのですね。彼方の、友達になってくれて、ありがとうございます」
「いえ、俺の方こそ。…彼方。友達になってくれてありがとう」
その後、葬式は家族と拓海とその他仲の良かった友達数人が呼ばれ早々と終わった。
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