16 / 62
第1章
第14話 告白
しおりを挟む
1人寂しそうにする暁。何も言わず後ろを着いてくる蒼だったが、遂に口を開く。
「なぁ、暁」
「なんだよ」
「…僕にはさ前世の記憶があって」
「何の話…」
「前世でとある偉大な剣士を殺した」
「だから何の…」
「そいつの名はギルベルト」
「……は?」
「暁の恋人を殺したのは、俺だ」
「何言って…」
「お前のことも初めて会った時から見えてる」
「何言ってんだよ、お前」
「ごめんな。ずっと早く真実を言わないとって思っていてもお前らとの時間が楽しくてこの時間を無くしたくなくて、なかなか言えなくて」
「意味分かんねぇって」
「僕は王国軍の一兵士だった」
「は?」
「戦争を終わらせるためにお前らを狙った」
下を向き淡々と話す蒼に怒りの感情と蒼のことを認め始めていたからこその悲しみの感情がぐちゃぐちゃに混ざり合う暁。
「何なんだよ。何でそんな話を急に…」
「ずっと考えていたんだ。2人の人生を奪い取った僕が2人の傍に居続けて良いわけがない。旭は前世の記憶が無いみたいだったから暁には、暁だけには言わないとって」
「だからって、何で今」
「暁はさ、絶対に旭の傍を離れないじゃん。こんな話、旭を前には言えなかった」
「当たり前だろ」
「旭と暁が離れたタイミングで言わなきゃって思ってて」
「それで今」
「うん」
「…お前の顔当分見たくない」
「うん。嫌ならもう二度と会わない」
「…」
「転校もするしお前らの生活範囲には近づかない」
蒼の話に落ち着いて聞いていた暁だったが、『二度と会わない』この言葉に怒りを見せる。
「無理に決まってんだろ。ギルは、旭は記憶ないのに。お前は旭にとって親友で、お前が急に旭の元を去ったら…!」
「ごめん」
旭と蒼が出会ってから10年。
離れなければと思いながらも築きあげてしまった2人の関係。
暁に言われて気づいた蒼。自分のことしか考えていなかったと後悔する。
「…桐生蒼、また話そう」
そう言うと、暁は旭を探しに行った。
花火の音が鳴り響くなか、蒼は1人立ち尽くしていた。
今から15分前のこと。
旭は千夏と屋台を回っていた。
「旭君!あたしはやきそばを買いに行くから旭君はりんご飴買ってきてもらってもいい?」
「それなら一緒に」
「うーん、でも混んでるし、別々に動いた方がよくない?」
「そ、それもそうですね。じゃあ連絡先だけでも」
「おっけー」
嬉しそうな表情でりんご飴の屋台に並ぶ旭。暁と蒼が2人で、距離を保って神社に続く階段を登っているのを見た。
「あれは暁と蒼か?」
そんなことを言いつつ、自分の順番が回ってきて、大・中・小を1本づつ買った。
「どのサイズが良いか分からないしな。余ったら暁にあげて~。……告白したら付き合ってくれるかな?」
ワクワクしながら旭は千夏の元へと向かう。
「千夏さ~ん!」
千夏を目の前に突如現れた壁。
この壁240cmの黒人だった。
「千夏、こいつ誰?」
いや、日本生まれ日本育ちの日本国籍の黒人だった。
「今日一緒に回ってたんだぁ」
「一緒に?俺を断って?」
この言葉に場の空気が冷たくなるのを感じた。
「うん!ゆっかちゃんに頼まれちゃって」
「由香里ちゃんね…」
「うん!」
「でも坊や、こっからは俺と千夏が一緒に回るから君はお帰り」
「は、はい」
千夏は別に追いかけてきたりはしなかった。旭は3つのりんご飴を持って2人を見かけた神社へ階段を登って行った。
そこで蒼と暁の話が聞こえてきた。
「前世でとある偉大な剣士を殺した」
旭は蒼と暁が何かの物語を話しているんだと思った。俺も混ぜてと、2人の話に割り込もうとする。
「そいつの名はギルベルト」
旭の足が止まった。
胸の中で何かが動いた感じがした。ギルベルト。物語ではよくある名で、今までは特に気にしたことはなかった。
けれど、蒼と暁が呼ぶギルベルトには少しの違和感を感じとった。
今までに聞いたことがない見たことがない暁と蒼の声色、表情にその場で立ち尽くしていた。
「嫌ならもう二度と会わない」
(二度と会わない?何言って早く、早く2人の前に行かないと)
けれど、旭の足は動かなかった。
だが、暁が蒼を止めたことにホッとした。
「…桐生蒼、また話そう」
暁が移動し始めた瞬間、旭と遭遇する。
「あ、旭…」
蒼もすぐに後ろを振り向く。
「今の話…」
「話?話ってなんだ?」
暁も蒼も今にも死ぬんじゃないかと思うほど顔が青ざめていた。
旭は咄嗟に嘘をついた。
この嘘に暁も蒼も安心したように顔が緩んだ。
心臓が大きく鳴り響いてる気がした。それとも花火の音なのか、確実に何かが動き出した、そんな夏となる。
旭と蒼と別々になった由香里と千夏。
「ちーちゃん」
由香里は泣きながら千夏の元へやってきた。
「どうしたの?ゆっかちゃん」
「私さ蒼君に一目惚れしちゃって告白するぞーって思ってたのに人混みではぐれちゃって…」
「そっかそっか」
「ちーちゃんは?」
「何が?」
「旭君」
「旭君は好みじゃないかな」
「旭君も相当イケメンだったと思うけど」
「うん。でもね私好きな人いるし」
「え?ボブ!?」
「ボブじゃないよ。ボブは旭君以下」
笑いながら話す千夏に落ち着きを取り戻す由香里。
「え、ごめん!じゃあ、今日の夏祭り、その好きな人と一緒に回りたかったんじゃない?」
「ううん、大丈夫だよ」
「ごめん、ごめんね!」
「あはは、本当に大丈夫なんだって~」
「そう?」
「よーし!もう2人はどっか行っちゃったし、ちーちゃんの大事な時間奪っちゃったし、なんか奢ってあげる!!」
「あはは、ありがと」
花火が上がる。
「ゆっかちゃん、好きだよ」
「ん?なんか言った?」
「なんでもなーい」
その後由香里と千夏は夏祭りをいっぱい楽しんだ。
その告白をボブは聞いていて失恋を感じていた。
「なぁ、暁」
「なんだよ」
「…僕にはさ前世の記憶があって」
「何の話…」
「前世でとある偉大な剣士を殺した」
「だから何の…」
「そいつの名はギルベルト」
「……は?」
「暁の恋人を殺したのは、俺だ」
「何言って…」
「お前のことも初めて会った時から見えてる」
「何言ってんだよ、お前」
「ごめんな。ずっと早く真実を言わないとって思っていてもお前らとの時間が楽しくてこの時間を無くしたくなくて、なかなか言えなくて」
「意味分かんねぇって」
「僕は王国軍の一兵士だった」
「は?」
「戦争を終わらせるためにお前らを狙った」
下を向き淡々と話す蒼に怒りの感情と蒼のことを認め始めていたからこその悲しみの感情がぐちゃぐちゃに混ざり合う暁。
「何なんだよ。何でそんな話を急に…」
「ずっと考えていたんだ。2人の人生を奪い取った僕が2人の傍に居続けて良いわけがない。旭は前世の記憶が無いみたいだったから暁には、暁だけには言わないとって」
「だからって、何で今」
「暁はさ、絶対に旭の傍を離れないじゃん。こんな話、旭を前には言えなかった」
「当たり前だろ」
「旭と暁が離れたタイミングで言わなきゃって思ってて」
「それで今」
「うん」
「…お前の顔当分見たくない」
「うん。嫌ならもう二度と会わない」
「…」
「転校もするしお前らの生活範囲には近づかない」
蒼の話に落ち着いて聞いていた暁だったが、『二度と会わない』この言葉に怒りを見せる。
「無理に決まってんだろ。ギルは、旭は記憶ないのに。お前は旭にとって親友で、お前が急に旭の元を去ったら…!」
「ごめん」
旭と蒼が出会ってから10年。
離れなければと思いながらも築きあげてしまった2人の関係。
暁に言われて気づいた蒼。自分のことしか考えていなかったと後悔する。
「…桐生蒼、また話そう」
そう言うと、暁は旭を探しに行った。
花火の音が鳴り響くなか、蒼は1人立ち尽くしていた。
今から15分前のこと。
旭は千夏と屋台を回っていた。
「旭君!あたしはやきそばを買いに行くから旭君はりんご飴買ってきてもらってもいい?」
「それなら一緒に」
「うーん、でも混んでるし、別々に動いた方がよくない?」
「そ、それもそうですね。じゃあ連絡先だけでも」
「おっけー」
嬉しそうな表情でりんご飴の屋台に並ぶ旭。暁と蒼が2人で、距離を保って神社に続く階段を登っているのを見た。
「あれは暁と蒼か?」
そんなことを言いつつ、自分の順番が回ってきて、大・中・小を1本づつ買った。
「どのサイズが良いか分からないしな。余ったら暁にあげて~。……告白したら付き合ってくれるかな?」
ワクワクしながら旭は千夏の元へと向かう。
「千夏さ~ん!」
千夏を目の前に突如現れた壁。
この壁240cmの黒人だった。
「千夏、こいつ誰?」
いや、日本生まれ日本育ちの日本国籍の黒人だった。
「今日一緒に回ってたんだぁ」
「一緒に?俺を断って?」
この言葉に場の空気が冷たくなるのを感じた。
「うん!ゆっかちゃんに頼まれちゃって」
「由香里ちゃんね…」
「うん!」
「でも坊や、こっからは俺と千夏が一緒に回るから君はお帰り」
「は、はい」
千夏は別に追いかけてきたりはしなかった。旭は3つのりんご飴を持って2人を見かけた神社へ階段を登って行った。
そこで蒼と暁の話が聞こえてきた。
「前世でとある偉大な剣士を殺した」
旭は蒼と暁が何かの物語を話しているんだと思った。俺も混ぜてと、2人の話に割り込もうとする。
「そいつの名はギルベルト」
旭の足が止まった。
胸の中で何かが動いた感じがした。ギルベルト。物語ではよくある名で、今までは特に気にしたことはなかった。
けれど、蒼と暁が呼ぶギルベルトには少しの違和感を感じとった。
今までに聞いたことがない見たことがない暁と蒼の声色、表情にその場で立ち尽くしていた。
「嫌ならもう二度と会わない」
(二度と会わない?何言って早く、早く2人の前に行かないと)
けれど、旭の足は動かなかった。
だが、暁が蒼を止めたことにホッとした。
「…桐生蒼、また話そう」
暁が移動し始めた瞬間、旭と遭遇する。
「あ、旭…」
蒼もすぐに後ろを振り向く。
「今の話…」
「話?話ってなんだ?」
暁も蒼も今にも死ぬんじゃないかと思うほど顔が青ざめていた。
旭は咄嗟に嘘をついた。
この嘘に暁も蒼も安心したように顔が緩んだ。
心臓が大きく鳴り響いてる気がした。それとも花火の音なのか、確実に何かが動き出した、そんな夏となる。
旭と蒼と別々になった由香里と千夏。
「ちーちゃん」
由香里は泣きながら千夏の元へやってきた。
「どうしたの?ゆっかちゃん」
「私さ蒼君に一目惚れしちゃって告白するぞーって思ってたのに人混みではぐれちゃって…」
「そっかそっか」
「ちーちゃんは?」
「何が?」
「旭君」
「旭君は好みじゃないかな」
「旭君も相当イケメンだったと思うけど」
「うん。でもね私好きな人いるし」
「え?ボブ!?」
「ボブじゃないよ。ボブは旭君以下」
笑いながら話す千夏に落ち着きを取り戻す由香里。
「え、ごめん!じゃあ、今日の夏祭り、その好きな人と一緒に回りたかったんじゃない?」
「ううん、大丈夫だよ」
「ごめん、ごめんね!」
「あはは、本当に大丈夫なんだって~」
「そう?」
「よーし!もう2人はどっか行っちゃったし、ちーちゃんの大事な時間奪っちゃったし、なんか奢ってあげる!!」
「あはは、ありがと」
花火が上がる。
「ゆっかちゃん、好きだよ」
「ん?なんか言った?」
「なんでもなーい」
その後由香里と千夏は夏祭りをいっぱい楽しんだ。
その告白をボブは聞いていて失恋を感じていた。
0
あなたにおすすめの小説
人族は一人で生きられないらしい――獣人公爵に拾われ、溺愛されて家族になりました
よっちゃん
BL
人族がほとんど存在しない世界に、
前世の記憶を持ったまま転生した少年・レオン。
獣人が支配する貴族社会。
魔力こそが価値とされ、
「弱い人族」は守られるべき存在として扱われる世界で、
レオンは常識の違いに戸惑いながらも必死に生きようとする。
そんな彼を拾ったのは、
辺境を治める獣人公爵アルト。
寡黙で冷静、しかし一度守ると決めたものは決して手放さない男だった。
溺愛され、守られ、育てられる日々。
だが、レオンはただ守られるだけの存在で終わることを選ばない。
学院での出会い。
貴族社会に潜む差別と陰謀。
そして「番」という、深く重い絆。
レオンは学び、考え、
自分にしかできない魔法理論を武器に、
少しずつ“並び立つ覚悟”を身につけていく。
獣人と人族。
価値観も、立場も、すべてが違う二人が、
それでも選び合い、家族になるまでの物語。
溺愛×成長×異世界BL。
読後に残るのは、
「ここに居場所があっていい」と思える、あたたかな幸福。
運命の番は僕に振り向かない
ゆうに
BL
大好きだったアルファの恋人が旅先で運命の番と出会ってしまい、泣く泣く別れた経験があるオメガの千遥。
それ以来、ずっと自分の前にも運命の番があらわれることを切に願っていた。
オメガひとりの生活は苦しく、千遥は仕方なく身体を売って稼ぐことを決心する。
ネットで知り合った相手と待ち合わせ、雑踏の中を歩いている時、千遥は自分の運命の番を見つけた。
ところが視線が確かに合ったのに運命の番は千遥を避けるように去っていく。彼の隣には美しいオメガがいた。
ベータのような平凡な見た目のオメガが主人公です。
ふんわり現代、ふんわりオメガバース、設定がふんわりしてます。
【WEB版】監視が厳しすぎた嫁入り生活から解放されました~冷徹無慈悲と呼ばれた隻眼の伯爵様と呪いの首輪~【BL・オメガバース】
古森きり
BL
【書籍化決定しました!】
詳細が決まりましたら改めてお知らせにあがります!
たくさんの閲覧、お気に入り、しおり、感想ありがとうございました!
アルファポリス様の規約に従い発売日にURL登録に変更、こちらは引き下げ削除させていただきます。
政略結婚で嫁いだ先は、女狂いの伯爵家。
男のΩである僕には一切興味を示さず、しかし不貞をさせまいと常に監視される生活。
自分ではどうすることもできない生活に疲れ果てて諦めた時、夫の不正が暴かれて失脚した。
行く当てがなくなった僕を保護してくれたのは、元夫が口を開けば罵っていた政敵ヘルムート・カウフマン。
冷徹無慈悲と呼び声高い彼だが、共に食事を摂ってくれたりやりたいことを応援してくれたり、決して冷たいだけの人ではなさそうで――。
カクヨムに書き溜め。
小説家になろう、アルファポリス、BLoveにそのうち掲載します。
この手に抱くぬくもりは
R
BL
幼い頃から孤独を強いられてきたルシアン。
子どもたちの笑顔、温かな手、そして寄り添う背中――
彼にとって、初めての居場所だった。
過去の痛みを抱えながらも、彼は幸せを願い、小さな一歩を踏み出していく。
サラリーマン二人、酔いどれ同伴
風
BL
久しぶりの飲み会!
楽しむ佐万里(さまり)は後輩の迅蛇(じんだ)と翌朝ベッドの上で出会う。
「……え、やった?」
「やりましたね」
「あれ、俺は受け?攻め?」
「受けでしたね」
絶望する佐万里!
しかし今週末も仕事終わりには飲み会だ!
こうして佐万里は同じ過ちを繰り返すのだった……。
バツイチ上司が、地味な僕を特別扱いしてくる
衣草 薫
BL
理性的でクールなバツイチ上司・桐原恒一は、過去の失敗から、もう誰も必要としないと決めて生きてきた。
男が好きだという事実を隠し、「期待しなければ傷つかない」と思い込んできた部下・葉山直。
すれ違いと誤解の果てに、直が職場を去ろうとしたとき、恒一は初めて“追いかける”ことを選ぶ。
選ばれないと信じてきた直と、逃げないと決めた恒一。
二人の距離が近づくことで、直は「ここにいていい」と思える場所を見つけていく。
元ノンケ上司×自己肯定感低め部下の社会人BL。※ハッピーエンド保証。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる