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第2章
第50話 文化祭・前編
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修学旅行も終わり日常に帰ってきた。
6時間目のHRにて。
「今日は文化祭の出し物について話し合いを行う。それじゃあ桐生、進行よろしく」
「はい。皆も知ってると思うけど、我が校は体育祭と文化祭を交互に行うことになってる。昨年は体育祭、今年は文化祭。出し物についてだけど、やりたいものある?」
「やきそば!」
「ダメ。屋台系は3年生の特権になってて、1、2年はそれ以外って決まってるんだ」
「不公平だー、そんなの!俺達の文化祭はこの1回のみだぞ」
「だとしてもそれがルールなんだよ」
「ちぇー」
「じゃあ、喫茶系は?」
「買ってきたものを出すのはOK」
「メイド喫茶やろうぜ!」
「1年に女子がいるんだから1年に任せたらいいだろ」
「男がメイド服着るのがいいんだろうが!」
「うんうん。桐生君とか似合いそうだし」
「佐藤?あーそういやお前蒼に誕プレでメイド服渡してたな」
「誕プレ?」
「え、桐生君の元に届いてないの???」
「あれなら翠兄ちゃんが回収してたな」
「桐生先輩が!?もしかして、桐生先輩の趣味だったりして?」
「違ぇよ」
「待って待って、今はメイド服は置いといて、出し物について話し合おう」
その後、コスプレ喫茶、和風喫茶、猫耳喫茶、お化け屋敷併設の喫茶、筋肉自慢の集いの喫茶、フリマ。という意見がでた。
「うん分かった。皆は喫茶をやりたいんだね」
「そりゃあな、作れないんなら喫茶系だろ」
「第一、俺らは女子にちやほやされた経験がない。つまり、これが良い機会になるはずだ」
そして話し合いは長引き、6時間目終了の鐘がなった。鐘がなるも終わる気配は無い。
「桐生、学級委員のお前が決めろ」
痺れを切らした高槻先生が蒼に決定権を与える。
「うん、じゃあ、コスプレ喫茶にしよう。コスプレ喫茶なら皆のやりたいこと出来ると思うよ。メイド服も和風の服も猫耳筋肉も」
「いや、猫耳と筋肉は別…」
「そっちの方が面白いんじゃない?」
「あ、そうですね」
蒼はメイド服決定になりかけていたため、全員に恥ずかしい思いをと筋肉を見せつけたいクラスメイトには猫耳をつけることを決定した。
そしてあっという間にやってきた文化祭当日。
蒼は執事、佐藤はチャイナドレス、桃山はメイド服、久我は新撰組コスプレ、矢島は猫耳筋肉、旭は騎士のコスプレをした。
「うわぁぁぁ。旭カッコイイ。ギルみたい!」
「まぁ本人だしな」
「蒼くんはなんでメイド服じゃないの?」
佐藤がぶっこんできた。
「なんで蒼くんじゃなくて太陽くんが来てるの?」
太陽とは桃山の名前である。
桃と佐藤は幼なじみでもある。
「桐生が困ってたし、絶対僕の方が似合うと思ったから」
「蒼くんのメイド服が見たかったのに!」
「執事服は似合ってない?」
「似合ってるけど」
「じゃあ許してよご主人様?」
蒼は佐藤の手に口付けをした。
クラスメイト達はその悪ふざけを見て笑い飛ばしていた。
一部クラスメイトは女性が来た時、俺もできるかな?等と考えていた。
「お前ら準備出来たか?」
高槻先生が教室に入る。
その高槻先生をが後ろから取り押さえ、服を脱がし服を着せた。
「な、なんだこれ」
「巫女服~」
「なんで俺が」
「だってここコスプレ喫茶すよ?高槻先生もクラスの一員。ってことはコスプレする義務がある」
「だからってなんで巫女服……。ってこれ逆じゃねぇか!」
「逆?」
「これ!白衣は左が前になるように着るんだよ」
「なんでー?」
「お前らそんなことも知らねぇのか。右を前にするのは死装束。亡くなった人が着るもんだ」
「そんなのあるんだー」
「縁起が悪いとか色々あるんだよ」
「じゃあごめんねー」
「はぁ…」
この白衣の着方講座をしている間に高槻先生は周りを囲まれ逃げられない状態へと追いやられた。
そして逃げることは諦め皆に囲まれてるど真ん中で着替えることとなった。
「それじゃあお前ら開店準備はもう出来てるんだろうな!」
「おう!」
「買出し班!!」
「買出し班・猫耳筋肉担当!ちゃんと午前の紅茶とかジャスミンティーとかプロテインとか他諸々買ってきたぜ」
「食い物は?」
「食い物?」
「え?」
「え?」
「くっそー!やっぱり猫耳筋肉担当はまずかったんだって!飲み物しかないよ?喫茶なのに!ちょっとしたお菓子とかあるじゃん!」
「そういう装飾班には何か言うことはないんですかー!?」
「くっ…」
「装飾班・猫耳筋肉以外担当。男らしさの欠片もないような女性にも入りやすい環境を作りました」
「いやだからって、ファンシーすぎないか?」
水色やピンクをメインに壁には花、テーブルには雲や熊の絵柄の可愛らしいテーブルクロス、入口にも白のレースが施された暖簾。
「男子は入りづらいんじゃ…」
「男らしい威厳ある姿を見せるはずが…」
「そんなことより!!!食べ物だよ!どうするの?」
既にやらかしている猫耳筋肉達は、可愛らしい装飾も相まってこじんまりとしている。
「開店まで時間がないが買いに行くか?」
「そうですね…。じゃあ悪いけど、買出しは矢島、藤田、佐藤。頼んだよ佐藤」
「うん。任せて」
「3人が帰ってくるまで、悪いんだけど綾瀬」
綾瀬慎太郎。料理研究会所属。食べることが大好きで、常にお菓子を持ち歩いている。ロッカーの中にも大量のお菓子を隠し持つ。
「え、なに、嫌な予感」
「綾瀬の持ってるお菓子少し分けてくれない?」
「や、嫌だ」
「綾瀬のお菓子をくれたら、猫耳筋肉達がお菓子をそれぞれ1個づつ買ってくれるよ」
「本当に!?」
「いや…」
「本当に買ってくれるの!!?」
綾瀬の勢いに負け猫耳筋肉達は了承した。
ちなみに、40人クラスなのだが、猫耳筋肉は20人程いる。
「よっしゃー!それじゃあ、頑張ろうね皆!」
お菓子に釣られた綾瀬が目をキラキラさせて宣言する。
そうして、文化祭は幕を開けた。
6時間目のHRにて。
「今日は文化祭の出し物について話し合いを行う。それじゃあ桐生、進行よろしく」
「はい。皆も知ってると思うけど、我が校は体育祭と文化祭を交互に行うことになってる。昨年は体育祭、今年は文化祭。出し物についてだけど、やりたいものある?」
「やきそば!」
「ダメ。屋台系は3年生の特権になってて、1、2年はそれ以外って決まってるんだ」
「不公平だー、そんなの!俺達の文化祭はこの1回のみだぞ」
「だとしてもそれがルールなんだよ」
「ちぇー」
「じゃあ、喫茶系は?」
「買ってきたものを出すのはOK」
「メイド喫茶やろうぜ!」
「1年に女子がいるんだから1年に任せたらいいだろ」
「男がメイド服着るのがいいんだろうが!」
「うんうん。桐生君とか似合いそうだし」
「佐藤?あーそういやお前蒼に誕プレでメイド服渡してたな」
「誕プレ?」
「え、桐生君の元に届いてないの???」
「あれなら翠兄ちゃんが回収してたな」
「桐生先輩が!?もしかして、桐生先輩の趣味だったりして?」
「違ぇよ」
「待って待って、今はメイド服は置いといて、出し物について話し合おう」
その後、コスプレ喫茶、和風喫茶、猫耳喫茶、お化け屋敷併設の喫茶、筋肉自慢の集いの喫茶、フリマ。という意見がでた。
「うん分かった。皆は喫茶をやりたいんだね」
「そりゃあな、作れないんなら喫茶系だろ」
「第一、俺らは女子にちやほやされた経験がない。つまり、これが良い機会になるはずだ」
そして話し合いは長引き、6時間目終了の鐘がなった。鐘がなるも終わる気配は無い。
「桐生、学級委員のお前が決めろ」
痺れを切らした高槻先生が蒼に決定権を与える。
「うん、じゃあ、コスプレ喫茶にしよう。コスプレ喫茶なら皆のやりたいこと出来ると思うよ。メイド服も和風の服も猫耳筋肉も」
「いや、猫耳と筋肉は別…」
「そっちの方が面白いんじゃない?」
「あ、そうですね」
蒼はメイド服決定になりかけていたため、全員に恥ずかしい思いをと筋肉を見せつけたいクラスメイトには猫耳をつけることを決定した。
そしてあっという間にやってきた文化祭当日。
蒼は執事、佐藤はチャイナドレス、桃山はメイド服、久我は新撰組コスプレ、矢島は猫耳筋肉、旭は騎士のコスプレをした。
「うわぁぁぁ。旭カッコイイ。ギルみたい!」
「まぁ本人だしな」
「蒼くんはなんでメイド服じゃないの?」
佐藤がぶっこんできた。
「なんで蒼くんじゃなくて太陽くんが来てるの?」
太陽とは桃山の名前である。
桃と佐藤は幼なじみでもある。
「桐生が困ってたし、絶対僕の方が似合うと思ったから」
「蒼くんのメイド服が見たかったのに!」
「執事服は似合ってない?」
「似合ってるけど」
「じゃあ許してよご主人様?」
蒼は佐藤の手に口付けをした。
クラスメイト達はその悪ふざけを見て笑い飛ばしていた。
一部クラスメイトは女性が来た時、俺もできるかな?等と考えていた。
「お前ら準備出来たか?」
高槻先生が教室に入る。
その高槻先生をが後ろから取り押さえ、服を脱がし服を着せた。
「な、なんだこれ」
「巫女服~」
「なんで俺が」
「だってここコスプレ喫茶すよ?高槻先生もクラスの一員。ってことはコスプレする義務がある」
「だからってなんで巫女服……。ってこれ逆じゃねぇか!」
「逆?」
「これ!白衣は左が前になるように着るんだよ」
「なんでー?」
「お前らそんなことも知らねぇのか。右を前にするのは死装束。亡くなった人が着るもんだ」
「そんなのあるんだー」
「縁起が悪いとか色々あるんだよ」
「じゃあごめんねー」
「はぁ…」
この白衣の着方講座をしている間に高槻先生は周りを囲まれ逃げられない状態へと追いやられた。
そして逃げることは諦め皆に囲まれてるど真ん中で着替えることとなった。
「それじゃあお前ら開店準備はもう出来てるんだろうな!」
「おう!」
「買出し班!!」
「買出し班・猫耳筋肉担当!ちゃんと午前の紅茶とかジャスミンティーとかプロテインとか他諸々買ってきたぜ」
「食い物は?」
「食い物?」
「え?」
「え?」
「くっそー!やっぱり猫耳筋肉担当はまずかったんだって!飲み物しかないよ?喫茶なのに!ちょっとしたお菓子とかあるじゃん!」
「そういう装飾班には何か言うことはないんですかー!?」
「くっ…」
「装飾班・猫耳筋肉以外担当。男らしさの欠片もないような女性にも入りやすい環境を作りました」
「いやだからって、ファンシーすぎないか?」
水色やピンクをメインに壁には花、テーブルには雲や熊の絵柄の可愛らしいテーブルクロス、入口にも白のレースが施された暖簾。
「男子は入りづらいんじゃ…」
「男らしい威厳ある姿を見せるはずが…」
「そんなことより!!!食べ物だよ!どうするの?」
既にやらかしている猫耳筋肉達は、可愛らしい装飾も相まってこじんまりとしている。
「開店まで時間がないが買いに行くか?」
「そうですね…。じゃあ悪いけど、買出しは矢島、藤田、佐藤。頼んだよ佐藤」
「うん。任せて」
「3人が帰ってくるまで、悪いんだけど綾瀬」
綾瀬慎太郎。料理研究会所属。食べることが大好きで、常にお菓子を持ち歩いている。ロッカーの中にも大量のお菓子を隠し持つ。
「え、なに、嫌な予感」
「綾瀬の持ってるお菓子少し分けてくれない?」
「や、嫌だ」
「綾瀬のお菓子をくれたら、猫耳筋肉達がお菓子をそれぞれ1個づつ買ってくれるよ」
「本当に!?」
「いや…」
「本当に買ってくれるの!!?」
綾瀬の勢いに負け猫耳筋肉達は了承した。
ちなみに、40人クラスなのだが、猫耳筋肉は20人程いる。
「よっしゃー!それじゃあ、頑張ろうね皆!」
お菓子に釣られた綾瀬が目をキラキラさせて宣言する。
そうして、文化祭は幕を開けた。
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