星野にて竜を駆るもの

思考機械

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24話「暗躍」

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「アーシェハイザーとタモンが合流した?」
 目覚めと同時に警務隊長から嫌な報告を受ける。
「……一時は交戦した状況でしたが、私の部下達の襲撃に対して協力して応戦、そのまま軌道上に退避した様です」
 通信機の向こうで警務隊長が告げる。
「それと、面白い報告があります」
「面白い?これ以上事態が厄介になったのではないだろうな?」
「タモンはドラゴンと行動を共にしているようです」
「ほほう……」
 取り敢えずベッドから身を起こす。
「なるほど。それは面白い」
(私の『目』を持ってすれば、そいつを意のままに操ることも可能か)

「しかし、軌道上は厄介です。手が出せません」
「……手持ちの駆逐艦は3……いや、2隻になったか」
 その2隻は万が一の為、このアステロイドの研究所防衛に残しておきたい。
「なんとかそのドラゴンと会いたいものだな」
 少し考える。
「あいつを使うか……」
 私の持つカードの中でも重要なものだが、これを使うに値する。
「なにせ2頭目のドラゴンだ。手に入れずになんとする」
 そう自分に言い聞かせ、通信機を切り替えてそのカードを呼び出した。



「エリス、まぁそこに座れ」
 白いドレスを纏って部屋に現れたエリスをベッドに座らせる。
「早速だが、お前にやって欲しい事がある」
 隣に座り、肩を抱く。
「タモン・ミチヤマを籠絡できるか?」
 耳元で囁く。
 エリスはピクッと身体を震えさせる。
「……私は、彼に同行するドラゴンをなんとしても手に入れたい。彼を籠絡するか攫え。もしくはそのドラゴンを私のもとまで連れてこい」
 耳元でそう指示しながら、エリスの豊かな胸を掴む。
「あっ……男の……ろ、籠絡は……恐らく可能……です。私の精神魔術と……この身体を使えば……ひっ!」
 乳頭を強く摘む。
「よし。タモンを連れて来さえすれば、そのドラゴンを誘き出す事も容易いであろう。そうすれば手に入れたも同然」
 乳首を捻りあげる。
「あぁぁぁぁ……!」
「お前に宇宙艇を預ける。何とかしてタモンとドラゴンが乗る仮装巡洋艦と接触しろ」
 そう言って惚けた表情でこちらを見るエリスに口づけをする。
「……身体を許してもいいが、これだけは許さん。お前の唇を吸ってもいいのは私だけだ」
 そう告げて、もう一度唇を重ねる。そして激しく口内を舌で犯した。
(くだらぬ男の見栄だが……コイツの所有者としての意地もあるからな)
 エリスを部下達の慰みものにはしているが、口づけだけは許していない。
(恋する若者でもあるまいが、それだけはな)
 60を過ぎた男ではあるものの、私自身のそういった一面を自分でも青臭く思う。
「わかり……ました」
 唇を離すと、エリスはうっとりとした表情でそう答えた。
「成功したら……思いきり可愛がってやる」
 もう一度乳首を捻り上げた。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



(ドラゴンを連れた男……ライダーなのか?)
 提督の部屋を出た私は、研究所のポートに向かう。私の搭乗する宇宙艇が用意されてるらしい。
(どんな男なのだろうか……)
 気にはなるが、とにかく提督の命令を遂行しなければならない。
 私の身体……というか、ドラゴンとのセックスは人間にとって中毒性があるらしい。そのタモンという男も抗えまい。
(それに私達『ホワイトドラゴン』の得意とする精神魔術もある)
 警戒しなければならないのは、その男と行動をともにするというドラゴンだ。
 研究所から逃走してきた風に装えば接触は容易い。
 私が研究所に囚われた経緯も大まかになら説明しても良いと許可も得ている。信用させる為だ。
(提督に抱いて貰うため、その男を籠絡する)
 提督との激しいセックスを思い出し、股間を濡らす。また、壊れる程乱暴にされたい。
(もう……抗えない……)
 なるべく迅速に任務を遂行し、提督にメチャクチャにされる事だけを考えて宇宙艇に向かった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



「まだ眠っておるのか……『シリウスの瞳を持つ男』は」
 アーシェハイザーの様子を見ていた私にフィーアが声を掛けてきた。
「シリウス?あぁ、アーシェハイザーの事か……リイナが治してくれたとはいえ、かなりの重症だったからな」
 そういって、アーシェハイザーの胸元を見る。
 衣服は破れているものの、傷は無い。あれだけ出血していたのだが。
「凄まじいな。回復魔術ってのは……フィーアはもう良いのか?」
「妾はもうなんともない。リイナ嬢のおかげじゃ。……まぁ少し睡眠不足ではあるがのぅ」
 フィーアはそういってにやりと笑う。
「エルマ嬢、其方はよく眠れたのかぇ?」
「!」
 意味ありげに笑うフィーア。
「えっ……えっと……」
 なんとか言い訳しようとしどろもどろになってしまう。
「ほほほ。慌てんでも良い。主様と情事に至っておった事は察しておった。……安心せい。事細かに聴き耳たてておったわけではない」
 フィーアは近づいてきて、私の頬を撫でる。
「……良かったのう。長く想っておったのじゃろ?主様の事を」
「知ってた……のか?」
 フィーアは頷き、優しく微笑む。
「……すまない……フィーアやリイナを裏切ってしまった様で……申し訳ないというか……」
「良い良い。想いが通じたのじゃろ?本当に良かったぇ」
 そう言って、包み込むように抱きしめるフィーア。
「……本当に……良いのか?」
「エルマ嬢も漸く想いを遂げたのじゃ。妾たちと同じように主様に愛してもらおうぞ」
 そう言って、思わず涙ぐんだ私の背中を擦る。
「まぁ……リイナ嬢に説明するのはちぃと難儀じゃがの」
 そう言って笑うフィーア。
「ま、それをするのは主様じゃ。それぐらい覚悟して其方を受け入れたのじゃろうからの」
「いや……昨夜は私がタモンに夜這いをかけたんだ……彼は悪くない。ちゃんと私からリイナに説明を」
 言いかけた私の唇に人差し指をあてるフィーア。
「エルマ嬢、其方が無理やり主様を犯したのかぇ?彼は嫌々受け入れたのかぇ?」
「それは……」
「どうした?主様から愛してると言ってもらえなかったのか?」
「言って……貰った……フィーアやリイナと同じ様に……愛すると……言ってもらえた」
 私はフィーアに抱きつき、子どもの様に泣き声を上げてしまった。
「そうじゃろ?主様はそういうお方じゃ。愛も優しみも尋常ではなく深い。……甘えればよいのじゃ」
 フィーアの優しい言葉に、私は何度も何度も頷いた。


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