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2.魔王撃破
※
ここは魔王城の謁見の間。先ほどから俺たち勇者一行は魔王と激闘を繰り広げていた。そしてたった今、勝敗が決した。
「ぐはあっ!この、私がっ!」
「これが俺たちの力だ!」
最後に立っていたのは俺たちだった。魔王はこの世のものとは思えぬ呻き声を上げながらもがき苦しんでいる。身体は傷だらけで消失を始めている。誰の目にも勝敗は明らかだろう。
「お、おのれええぇぇぇっ!!」
「っ!!くるぞ!」
それでも魔王は最期の力を振り絞る。消えかかった手から火炎を放出し、俺たちを焼き払おうとしてきた。
「そうはさせない」
しかし魔王の火炎攻撃は未然に終わった。呪文の詠唱とももに出現した六芒星のマークが、たちまち炎を吸収したのだ。
「ミネルヴァ、ありがとう!」
「お礼なら後だ。最後の最後まで油断は禁物だ」
魔法吸収の呪文を唱えたのは俺の後ろにいる栗色のセミロングヘアの女魔道士、ミネルヴァだ。ミネルヴァは華奢で、驚くほどに白い肌をしている。切長の鋭い目と筋の通った鼻、どこか幼さを感じる小さく薄い唇もあいまって、高貴で神秘的な印象を受けるだろう。ミネルヴァを初めて見る人は「こんな女性が戦えるのか」と疑問に思うかもしれない。
しかし、ミネルヴァはは当代きっての天才魔道士なのだ。回復魔法も攻撃魔法も修めており、戦闘における状況把握も的確。今もそうなのだけど、俺はミネルヴァに幾度となく救われてきたのだ。
「ぐうぅぅ!!ならばっ!!」
すると魔王は大きな岩石を出現させた。そしてその巨岩を俺たちに向けて射出した。俺たちを潰してしまおうという算段なのだろう。
「アタシに任せな!」
しかし、魔王の攻撃はまたしても失敗に終わってしまった。筋肉質な女戦士が跳び上がると、大斧で巨岩を粉々に砕いてしまったのだ。
「マチルダ、ありがとう!」
「へへへ。こういうのはアタシに任せな!」
女戦士はウェーブのかかった金髪ミディアムヘアをなびかせながら、俺に向かって屈託のない笑顔を見せた。こんな場面でも、相変わらず明るく元気なようだ。
ミネルヴァとは対照的に、マチルダはまさに「戦う女性」という印象を受けるだろう。なにせ男性の俺と同じくらいの長身に筋肉質な身体。腹筋なんかバキバキに割れていて、力こぶもかなりのものだ。それでいて、女性的なしなやかさや柔軟性が残っているのだ。
この恵まれた身体を駆使した、野生味溢れる豪快なファイトスタイルがマチルダの持ち味だ。実際のところ、武器術や体術の腕前だけなら、勇者の俺よりマチルダの方が遥かに上だ。マチルダのおかげで、俺たちはどんな絶体絶命の窮地に陥っても、突破口を見出せてきたのだ。
「ぐううぅぅっ!なぜだあぁぁ!!」
「俺とお前の差は、仲間だ!俺には仲間がいるからこそ、お前を打ち破ることができたのだ、」
そうだ。俺一人では魔王には勝てなかっただろう。だけど俺は一人じゃない。仲間がいるんだ。ミネルヴァとマチルダと力を合わせてきたから、強大な敵を倒すことができたのだ。
「おのれ、おのれえぇぇ!勇者アレンめえぇっ!」
「もう打つ手がないようだな!とどめだ!」
そして俺は聖剣を構え、瀕死の魔王に飛びかかった。長きに渡る魔王と人間との因縁に決着をつけるために。
ここは魔王城の謁見の間。先ほどから俺たち勇者一行は魔王と激闘を繰り広げていた。そしてたった今、勝敗が決した。
「ぐはあっ!この、私がっ!」
「これが俺たちの力だ!」
最後に立っていたのは俺たちだった。魔王はこの世のものとは思えぬ呻き声を上げながらもがき苦しんでいる。身体は傷だらけで消失を始めている。誰の目にも勝敗は明らかだろう。
「お、おのれええぇぇぇっ!!」
「っ!!くるぞ!」
それでも魔王は最期の力を振り絞る。消えかかった手から火炎を放出し、俺たちを焼き払おうとしてきた。
「そうはさせない」
しかし魔王の火炎攻撃は未然に終わった。呪文の詠唱とももに出現した六芒星のマークが、たちまち炎を吸収したのだ。
「ミネルヴァ、ありがとう!」
「お礼なら後だ。最後の最後まで油断は禁物だ」
魔法吸収の呪文を唱えたのは俺の後ろにいる栗色のセミロングヘアの女魔道士、ミネルヴァだ。ミネルヴァは華奢で、驚くほどに白い肌をしている。切長の鋭い目と筋の通った鼻、どこか幼さを感じる小さく薄い唇もあいまって、高貴で神秘的な印象を受けるだろう。ミネルヴァを初めて見る人は「こんな女性が戦えるのか」と疑問に思うかもしれない。
しかし、ミネルヴァはは当代きっての天才魔道士なのだ。回復魔法も攻撃魔法も修めており、戦闘における状況把握も的確。今もそうなのだけど、俺はミネルヴァに幾度となく救われてきたのだ。
「ぐうぅぅ!!ならばっ!!」
すると魔王は大きな岩石を出現させた。そしてその巨岩を俺たちに向けて射出した。俺たちを潰してしまおうという算段なのだろう。
「アタシに任せな!」
しかし、魔王の攻撃はまたしても失敗に終わってしまった。筋肉質な女戦士が跳び上がると、大斧で巨岩を粉々に砕いてしまったのだ。
「マチルダ、ありがとう!」
「へへへ。こういうのはアタシに任せな!」
女戦士はウェーブのかかった金髪ミディアムヘアをなびかせながら、俺に向かって屈託のない笑顔を見せた。こんな場面でも、相変わらず明るく元気なようだ。
ミネルヴァとは対照的に、マチルダはまさに「戦う女性」という印象を受けるだろう。なにせ男性の俺と同じくらいの長身に筋肉質な身体。腹筋なんかバキバキに割れていて、力こぶもかなりのものだ。それでいて、女性的なしなやかさや柔軟性が残っているのだ。
この恵まれた身体を駆使した、野生味溢れる豪快なファイトスタイルがマチルダの持ち味だ。実際のところ、武器術や体術の腕前だけなら、勇者の俺よりマチルダの方が遥かに上だ。マチルダのおかげで、俺たちはどんな絶体絶命の窮地に陥っても、突破口を見出せてきたのだ。
「ぐううぅぅっ!なぜだあぁぁ!!」
「俺とお前の差は、仲間だ!俺には仲間がいるからこそ、お前を打ち破ることができたのだ、」
そうだ。俺一人では魔王には勝てなかっただろう。だけど俺は一人じゃない。仲間がいるんだ。ミネルヴァとマチルダと力を合わせてきたから、強大な敵を倒すことができたのだ。
「おのれ、おのれえぇぇ!勇者アレンめえぇっ!」
「もう打つ手がないようだな!とどめだ!」
そして俺は聖剣を構え、瀕死の魔王に飛びかかった。長きに渡る魔王と人間との因縁に決着をつけるために。
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