【R-18】魔王を倒したはずなのに〜勇者に待っていたのは洗脳悪堕ちNTR地獄でした〜

ミズガメッシュ

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7.再会

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魔王を倒したはずなのに7話



「んん…こ、ここは…?」

 目が覚めると、そこはきらびやかな装飾が施された寝室だった。ここは一体どこなんだ。俺はどうしてこんなところにいるんだ…そうだ、マチルダが俺を…
 
「ふふふ。お目覚めのようだな」

 背後から聞き慣れた女性の声がする。その声を聞いて俺はハッとした。この声の主は…そう思い慌てて振り向くと、そこにはミネルヴァがいた。

「ミネルヴァか!?無事なのか!」

 俺は咄嗟にミネルヴァに駆け寄ろうとした。しかし、それは叶わなかった。立ち上がって歩こうとした途端、身体がまるで何かに縛り付けられているかのように動かなくなったのだ。

「なっ!?」
「下手に動かない方がいいぞ。その拘束は強力だ。お前がどれだけ動き回ろうとも、外れることはない」

 ミネルヴァの言葉に慌てて自分の体を見渡す。すると、禍々しい邪気を纏ったリングが俺の身体を縛り付けていた。リングは両手、両腕、両もも、両すねに巻き付けられており、俺の身体をがっちりと縛り付けている。

「何だよ…!これはっ!?」
「これは暗黒魔法の一つだ。相手を拘束して痛ぶるための魔法だ。魔法をかけた私が言うのもなんだが、中々強力な代物だろう?」
「なっ!?これ…お前がかけたのか!?」

 頭を殴られたかのような衝撃が襲った。マチルダのみならず、ミネルヴァまでもが俺を攻撃してきた。そして、魔族しか使えない暗黒魔法をなぜミネルヴァが使っているのだ。一体何が起きたというんだ。

「どういうことだよ!離せよ!!」

 俺は拘束を解こうと、無理やり身体を動かそうとした。すると、俺の力に反発するように、圧力が拘束具から身体にかけられた。

「ぐあっ…!!」

 凄まじい激痛が俺の身体を襲う。それでも屈してたまるか。俺は痛みに耐えて、力を振り絞って抵抗を続けた。
 ミネルヴァは、そんな俺を冷ややかに見ていた。まるでゴミか虫けらを見るような暗くて冷たい目。こんな目をしたミネルヴァは初めて見る。いくら冷静で淡々としていても、ミネルヴァは優しく温かい目をしていたのに。

「やれやれ、私は最初に『下手に動かない方がいい』と忠告したぞ。それでも抵抗を続けるなら仕方がない」

 そしてミネルヴァは呪文を詠唱した。すると邪気を纏ったリングがもう一つ出現して…俺の首を強く締め付けた。

「ぐうぅうぅぅっ!?」
「どうだ?苦しいか?恨むなら聞き分けの悪い自分を恨むんだな」

 苦痛に悶絶する俺の声をよそに、ミネルヴァはいつも通りの口調で冷静に淡々と話を続ける。

 俺が悶え苦しんでいるのに、なんでそんなに冷静なんだ…

 体の力が抜けていく。苦痛に耐えられなくなったからなのか。それとも抵抗をやめたからなのか…それは俺自身にも分からなくなっていた



「ようやく大人しくなったか。全く…お前の言う通り、しっかりと拘束して正解だったな」
「ああ、どうやらそのようだ」

 一瞬記憶が飛んでいたのだろうか。気がついた時には、ミネルヴァの横に筋骨隆々の大男が立っていた。その男の姿を視界にとらえた瞬間、朦朧としていた意識がハッキリとした。

「っ!?どうしてお前が!!」
「ふふふ。久しぶりだな、勇者クン。確か名前は…アレンと言ったかな」

 そこにはいたのは、あの三下盗賊ヤーザムだった。
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