23 / 25
23. ミネルヴァの言葉責め手コキ②
「貴様は、自らをあたかも“正義の使者”であるかのように装い、虚言を弄して国王を、民を、果てはこの私までも欺いた。」
魔王が去った後も、ミネルヴァの俺に対する非難の言葉は一向に止まなかった。その眼差しには、冷たい怒りが静かに燃えている。狂信にも似たその声色に、演技や迷いの影はない。
「本来ならば貴様など、とっくに刑に処されて然るべき大罪人なのだ。」
淡々と、それでいて抑えきれぬ憤怒が滲んだ口調。彼女は本心からそう思っているのだ。俺にはその確信だけが、何よりも重くのしかかっていた。
「この世界の真実に照らせば、貴様の価値など家畜以下。人として扱われる価値すらない。誰からも疎まれ、蔑まれ、踏み躙られる――それが、貴様がこれから生きる“新たな世界”だ。」
その瞬間、ミネルヴァの口から不気味な呪文が低く紡がれはじめた。聞き覚えのない、禍々しさすら感じさせる異界の詠唱。空気が張り詰め、胸に重い圧力がかかる。
「貴様のような者が、服など着ていること自体おかがましい。その衣服は人が着るためのものだ」
彼女が言い終えた刹那、俺の目前に六芒星が浮かび上がり、淡く紫の光を放つ。そして間髪入れずに、そこからぬるりと、どす黒い粘液状のスライムが現れ、猛然と俺に襲いかかってきた。
「うわああぁっ!」
「安心しろ、ただのスライムだ。怯えることはない。貴様は“正義”を名乗りながら、ためらいもなくスライムの命を幾度となく奪ってきただろう?」
異変はすぐに起きた。装備が……いや、衣服だけが、みるみるうちに溶けていく。革の胸当てまでがジュウ、と音を立てながら溶解し、粘液に飲み込まれていくのに、皮膚も拘束具もまるで無傷のままだ。
「多少の改良は加えてある。人間界と魔界、双方の魔法を融合させれば――この程度の芸当、造作もない。」
装備は次々とスライムに侵食され、最後の一片が溶け落ちた時、俺の身体はまるで晒し者のように剥き出しになった。だが、それでも拘束具だけは残ったまま。手足の自由も奪われ、ただ立ち尽くすしかない。
「……ふふっ」
沈黙を破ったのは、ミネルヴァの喉の奥から漏れるような嘲笑だった。その瞳は凍てつくように冷たく、どこか楽しげですらある。
「見苦しいな。いやお似合いというべきか。かくも滑稽な姿をした勇者がいるとはな。今の貴様を見ていると、英雄気取りで人々の前に立っていたあの姿はただの茶番だったと思いしらされる」
彼女の声は、どこまでも冷静で、どこまでも容赦がなかった。まるで裁く者としての絶対的な優越を、全身で楽しんでいるかのようだ
「ようやく貴様は“本物”になった。恥も、矜持も、尊厳も――すべて剥ぎ取られ、そのくせ股間だけは固く膨らましている。低俗な下衆。これが貴様の真の姿だ」
その目は一点の同情も宿していなかった。ただ、断罪者として、冷たく、そして残酷に。
「――だが、安心しろ。すぐに貴様を壊したりはしない。」
その囁きは優しいほどに静かで、それゆえにぞっとするほど冷たい。
「さあ、貴様がどこまで醜くなれるか。私に見せてみろ。新世界の勇者に相応しい無様な姿を晒すのだ」
彼女のその微笑みは、慈悲ではなく、むしろ愉悦――壊す過程そのものを楽しむ者のものだった。俺は、羞恥と屈辱、そして己の無力さに押し潰されながら、ただ立ち尽くすことしかできなかった。
魔王が去った後も、ミネルヴァの俺に対する非難の言葉は一向に止まなかった。その眼差しには、冷たい怒りが静かに燃えている。狂信にも似たその声色に、演技や迷いの影はない。
「本来ならば貴様など、とっくに刑に処されて然るべき大罪人なのだ。」
淡々と、それでいて抑えきれぬ憤怒が滲んだ口調。彼女は本心からそう思っているのだ。俺にはその確信だけが、何よりも重くのしかかっていた。
「この世界の真実に照らせば、貴様の価値など家畜以下。人として扱われる価値すらない。誰からも疎まれ、蔑まれ、踏み躙られる――それが、貴様がこれから生きる“新たな世界”だ。」
その瞬間、ミネルヴァの口から不気味な呪文が低く紡がれはじめた。聞き覚えのない、禍々しさすら感じさせる異界の詠唱。空気が張り詰め、胸に重い圧力がかかる。
「貴様のような者が、服など着ていること自体おかがましい。その衣服は人が着るためのものだ」
彼女が言い終えた刹那、俺の目前に六芒星が浮かび上がり、淡く紫の光を放つ。そして間髪入れずに、そこからぬるりと、どす黒い粘液状のスライムが現れ、猛然と俺に襲いかかってきた。
「うわああぁっ!」
「安心しろ、ただのスライムだ。怯えることはない。貴様は“正義”を名乗りながら、ためらいもなくスライムの命を幾度となく奪ってきただろう?」
異変はすぐに起きた。装備が……いや、衣服だけが、みるみるうちに溶けていく。革の胸当てまでがジュウ、と音を立てながら溶解し、粘液に飲み込まれていくのに、皮膚も拘束具もまるで無傷のままだ。
「多少の改良は加えてある。人間界と魔界、双方の魔法を融合させれば――この程度の芸当、造作もない。」
装備は次々とスライムに侵食され、最後の一片が溶け落ちた時、俺の身体はまるで晒し者のように剥き出しになった。だが、それでも拘束具だけは残ったまま。手足の自由も奪われ、ただ立ち尽くすしかない。
「……ふふっ」
沈黙を破ったのは、ミネルヴァの喉の奥から漏れるような嘲笑だった。その瞳は凍てつくように冷たく、どこか楽しげですらある。
「見苦しいな。いやお似合いというべきか。かくも滑稽な姿をした勇者がいるとはな。今の貴様を見ていると、英雄気取りで人々の前に立っていたあの姿はただの茶番だったと思いしらされる」
彼女の声は、どこまでも冷静で、どこまでも容赦がなかった。まるで裁く者としての絶対的な優越を、全身で楽しんでいるかのようだ
「ようやく貴様は“本物”になった。恥も、矜持も、尊厳も――すべて剥ぎ取られ、そのくせ股間だけは固く膨らましている。低俗な下衆。これが貴様の真の姿だ」
その目は一点の同情も宿していなかった。ただ、断罪者として、冷たく、そして残酷に。
「――だが、安心しろ。すぐに貴様を壊したりはしない。」
その囁きは優しいほどに静かで、それゆえにぞっとするほど冷たい。
「さあ、貴様がどこまで醜くなれるか。私に見せてみろ。新世界の勇者に相応しい無様な姿を晒すのだ」
彼女のその微笑みは、慈悲ではなく、むしろ愉悦――壊す過程そのものを楽しむ者のものだった。俺は、羞恥と屈辱、そして己の無力さに押し潰されながら、ただ立ち尽くすことしかできなかった。
あなたにおすすめの小説
ブラック企業を退職したら、極上マッサージに蕩ける日々が待ってました。
イセヤ レキ
恋愛
ブラック企業に勤める赤羽(あかばね)陽葵(ひまり)は、ある夜、退職を決意する。
きっかけは、雑居ビルのとあるマッサージ店。
そのマッサージ店の恰幅が良く朗らかな女性オーナーに新たな職場を紹介されるが、そこには無口で無表情な男の店長がいて……?
※ストーリー構成上、導入部だけシリアスです。
※他サイトにも掲載しています。
女の子がほとんど産まれない国に転生しました。
さくらもち
恋愛
何番煎じかのお話です。
100人に3~5人しか産まれない女の子は大切にされ一妻多夫制の国に産まれたのは前世の記憶、日本で亭主関白の旦那に嫁いびりと男尊女卑な家に嫁いで挙句栄養失調と過労死と言う令和になってもまだ昭和な家庭!でありえない最後を迎えてしまった清水 理央、享年44歳
そんな彼女を不憫に思った女神が自身の世界の女性至上主義な国に転生させたお話。
当面は2日に1話更新予定!
義姉と押し入れに隠れたら、止まれなくなった
くろがねや
恋愛
父の再婚で、義姉ができた。
血は繋がっていない。でも——家族だ。そう言い聞かせながら、涼介はずっと沙耶から距離を取ってきた。
夏休み。田舎への帰省。甥っ子にせがまれて始まったかくれんぼ。急いで飛び込んだ押し入れの中に、先客がいた。
「……涼介くん」
薄い水色の浴衣。下ろした髪。橙色の光に染まった、沙耶の顔。
逃げ場のない暗闇の中で、二人分の体温が混ざり合う。
夜、来て。
その一言が——涼介の、全部を壊した。
甘くて、苦しくて、止まれない。
これは、ある夏の、秘密の話。
極上イケメン先生が秘密の溺愛教育に熱心です
朝陽七彩
恋愛
私は。
「夕鶴、こっちにおいで」
現役の高校生だけど。
「ずっと夕鶴とこうしていたい」
担任の先生と。
「夕鶴を誰にも渡したくない」
付き合っています。
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
神城夕鶴(かみしろ ゆづる)
軽音楽部の絶対的エース
飛鷹隼理(ひだか しゅんり)
アイドル的存在の超イケメン先生
♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡-♡
彼の名前は飛鷹隼理くん。
隼理くんは。
「夕鶴にこうしていいのは俺だけ」
そう言って……。
「そんなにも可愛い声を出されたら……俺、止められないよ」
そして隼理くんは……。
……‼
しゅっ……隼理くん……っ。
そんなことをされたら……。
隼理くんと過ごす日々はドキドキとわくわくの連続。
……だけど……。
え……。
誰……?
誰なの……?
その人はいったい誰なの、隼理くん。
ドキドキとわくわくの連続だった私に突如現れた隼理くんへの疑惑。
その疑惑は次第に大きくなり、私の心の中を不安でいっぱいにさせる。
でも。
でも訊けない。
隼理くんに直接訊くことなんて。
私にはできない。
私は。
私は、これから先、一体どうすればいいの……?
魚人族のバーに行ってワンナイトラブしたら番いにされて種付けされました
ノルジャン
恋愛
人族のスーシャは人魚のルシュールカを助けたことで仲良くなり、魚人の集うバーへ連れて行ってもらう。そこでルシュールカの幼馴染で鮫魚人のアグーラと出会い、一夜を共にすることになって…。ちょっとオラついたサメ魚人に激しく求められちゃうお話。ムーンライトノベルズにも投稿中。
幼馴染みのメッセージに打ち間違い返信したらとんでもないことに
家紋武範
恋愛
となりに住む、幼馴染みの夕夏のことが好きだが、その思いを伝えられずにいた。
ある日、夕夏のメッセージに返信しようとしたら、間違ってとんでもない言葉を送ってしまったのだった。