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第六章 早漏マゾ男にされるとは、情けない!
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「はあはあっ…何とか辿り着いたぞ…!」
スカーレット様という天才神官に会うために、僕は北の山の修練場にやってきた。道中、強力なモンスターに襲われて、何度も危ない場面があったけど、命からがら逃げ切ることができた。
「これが修練場かぁ…」
何だか想像と違って、随分と寂れて閑散としている。もっとこう、屈強な強者たちがたくさんいて、盛大に鍛錬に励んで、己を高めあっているみたいな…そんなのを想像していたんだけどなあ。
「あなたは?」
「!?」
不意に後ろから女性の声がして、驚きの声が漏れそうになる。慌てて振り返ると、そこには神官服に身を包んだ黒髪の長身美女が立っていた。
切長の目と高く締まった鼻がエキゾチックだ。すらりと手足も長くて、背は僕よりも高い。何というか、綺麗だけどどこか無機質で…まるで彫刻がそのまま人間になったようだ。思わず僕は圧倒されてしまい、大事なことを忘れてぽかんと眺めるのが精一杯だった。
「あなたは、修行に来たのですか?残念ながら今は修行者は誰もいません。それとも他に用件があるのですか?」
神官の女性が僕に話し始めたことで、僕は慌てて色々と伝えなければならないことを思い出す。
「あ、あの!スカーレット様で、よろしいでしょうか?」
「はい。私はスカーレットと申します」
「私は勇者として旅を続けております、エルドと申します」
「まあ、噂の勇者様ですね」
まさか僕が勇者とは思わなかったのだろう。スカーレット様の目が少し見開いた。そんなスカーレット様の反応を見て、僕はようやく落ち着くことができた。
とはいえ、こんな綺麗な人に僕の身体を蝕む呪いを説明するのは、やっぱり気が引ける。それでと言わなければ、ここまで来た意味がない。意を決して僕は用件を伝えることにした。
「その、私の身体を蝕む呪いのことで相談をしたく参りました」
「…どうやら、ただならぬことが起きているようですね。詳しい話はここの宿舎でお聞きします。ついて来てください」
スカーレット様はひときわ真剣な表情になると、僕を宿舎へと案内する。大丈夫だ。このお方なら、きっと僕の身体を治してくれる。僕はそう確信して、スカーレット様の後ろを歩いた。
「はあはあっ…何とか辿り着いたぞ…!」
スカーレット様という天才神官に会うために、僕は北の山の修練場にやってきた。道中、強力なモンスターに襲われて、何度も危ない場面があったけど、命からがら逃げ切ることができた。
「これが修練場かぁ…」
何だか想像と違って、随分と寂れて閑散としている。もっとこう、屈強な強者たちがたくさんいて、盛大に鍛錬に励んで、己を高めあっているみたいな…そんなのを想像していたんだけどなあ。
「あなたは?」
「!?」
不意に後ろから女性の声がして、驚きの声が漏れそうになる。慌てて振り返ると、そこには神官服に身を包んだ黒髪の長身美女が立っていた。
切長の目と高く締まった鼻がエキゾチックだ。すらりと手足も長くて、背は僕よりも高い。何というか、綺麗だけどどこか無機質で…まるで彫刻がそのまま人間になったようだ。思わず僕は圧倒されてしまい、大事なことを忘れてぽかんと眺めるのが精一杯だった。
「あなたは、修行に来たのですか?残念ながら今は修行者は誰もいません。それとも他に用件があるのですか?」
神官の女性が僕に話し始めたことで、僕は慌てて色々と伝えなければならないことを思い出す。
「あ、あの!スカーレット様で、よろしいでしょうか?」
「はい。私はスカーレットと申します」
「私は勇者として旅を続けております、エルドと申します」
「まあ、噂の勇者様ですね」
まさか僕が勇者とは思わなかったのだろう。スカーレット様の目が少し見開いた。そんなスカーレット様の反応を見て、僕はようやく落ち着くことができた。
とはいえ、こんな綺麗な人に僕の身体を蝕む呪いを説明するのは、やっぱり気が引ける。それでと言わなければ、ここまで来た意味がない。意を決して僕は用件を伝えることにした。
「その、私の身体を蝕む呪いのことで相談をしたく参りました」
「…どうやら、ただならぬことが起きているようですね。詳しい話はここの宿舎でお聞きします。ついて来てください」
スカーレット様はひときわ真剣な表情になると、僕を宿舎へと案内する。大丈夫だ。このお方なら、きっと僕の身体を治してくれる。僕はそう確信して、スカーレット様の後ろを歩いた。
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