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しおりを挟む「いやーーーーー!!」
私は半狂乱になり、石橋さんに取りすがります。
石橋さんが死んでしまう!!
救急隊員が私を石橋さんから離そうとしますが、石橋さんから離れたくない・・・!
「皆守!落ち着きなさい!さあ!早く運びなさい!!」
お爺様が私を諌めましたが、耳に入りません・・・!
石橋さん・・・!
「あ、あ・・・。」
運び出される石橋さんを追いかけたかったけれど、足に力が入らず目の前が暗くなっていきました・・・。
はっ!!
目が覚めると、病院とおぼしき場所のベッドにいました。
石橋さんはどこにいるの・・・!!
私は慌ててベッドから出ました!
腕には点滴の針が刺さっていましたが、そんな事に構っていられません!
針を抜こうとすると、お爺様が病室に入って来ました。
「皆守、まだ寝ていなさい!」
お爺様が慌てて私の側に来ます。
「お爺様!石橋さんはどうなったんですか!?」
お爺様は私をベッドに座らせて、落ち着かせようとします。
「大事無いから、そんなに心配するんじゃない。幸い臓器などには傷がつかなかったらしくて、手術も無事に済んだ。今は隣の病室に移っている。」
私は涙が止まりません。
「私を庇ったせいでこんな事に・・・!」
「皆守、石橋君はお前が刺されなくて良かったと思っているはずだぞ。咄嗟にお前を庇ったのだから。」
お爺様は私を慰めようと言ってくれていますが、私なんかを庇って刺される位なら、私が刺された方が良かった・・・!!
「お爺様!お願いです!石橋さんの元に行かせて下さい!早くこの針を抜いて下さい!」
「分かったから落ち着きなさい。」
お爺様がナースコールのボタンを押すとすぐにナースが来ました。
「若潮さん、起きましたか?気分はどうですか?」
「お願いです!早く針を抜いて下さい!」
「はい。落ち着いて下さいね。」
ナースは、手早く私の腕から針を抜いてくれました。
「お爺様!石橋さんの所に連れて行って下さい!」
「・・・分かった。来なさい。」
お爺様は、私のいた病室の右隣の病室に入ります。
「石橋さん!!」
病室に入ると、すぐに石橋さんの元に行きました。
まだ目が覚めてなくて、顔色が悪い石橋さんを見ると涙が出て来ます。
「麻酔が切れれば目を覚ましますよ。」
石橋さんの側に石橋さんの秘書の木村さんがいました。
「石橋さん・・・。」
「若潮副社長が無事で良かったですよ。怪我でもしていたらこいつが悲しみます。」
木村さんが私を慰めてくれますが、私は納得できません。
「私は、石橋さんが怪我などしない方が良かったです。私が石橋さんに庇われなかったら、私が怪我をしていたはずなのに・・・!」
「若潮副社長、そんな事を言わないで下さい。石橋は若潮副社長が無事なら喜びますよ。では、一つ賭けをしますか?石橋が目を覚まして貴方の無事を喜ぶか、なぜ自分が刺されたのかと憤るか。私は無事を喜ぶと思います。」
「・・・あ・・・。」
石橋さんなら・・・。
「その賭け、ワシも乗ろう。無事を喜んだら、正式にお前達の会社に仕事を頼もう。」
「お爺様・・・。」
木村さんはニヤリと笑います。
「ええ、よろしくお願いします。」
木村さんは、すでに仕事を任されたも同然の顔をしています。
私は戸惑います。
石橋さんは喜ぶかしら・・・?
それとも怒るかしら・・・?
悶々と考えていると、石橋さんがうめき声をあげました。
「石橋さん!!」
「う・・・っ。皆守・・・。」
石橋さんの手が、私を探すように伸ばされます。
私はその手を握りしめ、思わず止まっていた涙を流してしまいました。
「・・・皆守、・・・怪我は無いか?無事か・・・?」
石橋さんは、真っ先に私の心配をしてくれます。
「はい!石橋さんのお陰で無事でした!」
「・・・そうか・・・。良かった・・・。」
石橋さんの手が弱々しく私の手を握ります。
「・・・ね?言ったでしょう?こいつは貴方の無事を喜びましたよ。」
木村さんは勝ち誇ったように言います。
「・・・はい。」
「・・・?何の話だ?」
石橋さんは、顔を歪めながら木村さんと私の顔を交互に見ました。
「石橋、俺は若潮副社長と賭けをしたんだ。お前が起きて若潮副社長の無事を喜ぶか、それとも何故自分が刺されたのかと憤るかを。」
「・・・なんだ、そんな当たり前の事を賭けにしたのか。勿論、皆守の無事を喜ぶさ。」
石橋さんは憮然とした顔をします。
「・・・石橋さん・・・。」
「皆守、分かっただろう?石橋君はお前の無事を喜んだ。信頼できる男だ。」
お爺様は、私の肩を叩いて言ってくれました。
「はい・・・。」
「それとな、養子縁組みの手続きが完了した。これからは、若潮雅彦だ。もう石橋姓ではない。だから、これからは名前で呼びなさい。」
お爺様が促すので、名前を呼んでみます。
「・・・雅彦さん・・・。」
「・・・ッ!」
石橋さんは握った私の手に力を入れました。
「・・・なんだか、皆守に名前を呼ばれると照れるな。」
ああ!
神様!!
ありがとうございます!!
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