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しおりを挟む鳩が飛んで来る。
「女王陛下!ユイナからの密書では、女王陛下のご推察の通りになるそうです!」
タナソーリアが顔を上気させて言う。
「ふむ。何処までも阿呆じゃのう・・・。罠とも考えられず、側近の状況も分からんとは。」
「仕方がありません。ユイナは私の娘ですが、オリンタール様は私と同じくユイナがオリンタール様に忠誠を誓っていると思っているのですから。」
タナソーリアが言う。
「我が子ながら、此処迄来ると哀れじゃのう。」
「マルガリーテ様!何を言うのです!あの様な者が次の女王陛下になるなど、論外です!第一王女というだけで、女王になどなれる訳がありません!マルガリーテ様も第一王女でしたが、能力を示して女王陛下となったのです!王妹殿下達はマルガリーテ様のご気性を良くご理解されております。だからこそ政からは離れておいでですし、オリンタール様が私兵を集めていると教えて頂いたのもそうです。マルガリーテ様は、何の後悔もせずにお子を御産み下さい。王女様でも、王子様でも皆受け入れます。」
タナソーリアが力説する。
複雑な内心は隠し頷く。
「タナソーリア、ユイナと第二王子の結婚は王子の14の誕生日と同時にしようぞ。ユイナは良い働きをした。これからも王家に尽力してくれ。」
タナソーリアは頭を下げる。
「女王陛下!有り難くお受け致します!」
「うむ。」
子供よりも国を考えるのが女王としての役割だ。
女を捨て、為政者として皆の上に立つ。
それが女王に求められるのだ。
だが・・・。
腹を擦る。
この子の為にも膿は早く出す方が良い。
膿・・・。
それも又我が子なのだが・・・。
「マルガリーテ様、そろそろカロン様にお会いなさっても良いのでは?あれから一度もお会いしていないとアーサンに聞きました。カロン様がお淋しそうにしていると。何故お会いにならないのですか・・・?」
「・・・何故か・・・。」
私は考える。
「・・・この手に血が付く所を見せとうない。腹の子はカロンの子だろう。だが、同時に私の子なのじゃ。子を宿しているのに、自分の子を裁くのは例えカロンといえども見せれば怖がらせるだけじゃろう・・・。だが、会わねば私も淋しい・・・。何ともやるせないのう・・・。」
私の顔を見たタナソーリアは頷く。
「分かっておいでならば良いのです。ご自覚が無いようですが、ため息を何度も吐いています。会いたいのならば、会えば良いのです。マルガリーテ様が我慢なさる必要は無いのです。為政者というものは、血塗られた存在なのですから。」
ため息を飲み込む。
「・・・ああ。カロンの顔を見に行こうかのう・・・。」
私が言うと、タナソーリアも頷く。
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