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しおりを挟む明日慧一様がご結婚される。
そう思うと涙が止まらない。
子供ができる身体だったら、慧一様の花嫁は私だったのかしら・・・。
もう決まってしまっている事にうじうじしていても仕方がないのに・・・。
その時、部屋の襖がノックされる。
「香織、ちょっと良い?」
「お母様・・・。」
部屋に入って来たお母様は、泣いている私を見て苦悩の表情をされます。
「・・・やはり、貴女を上野宮に連れて来るべきではなかったわ・・・。いつから、慧一さんの事がお好きになったの?」
私は涙をこぼし、首を横に振ります。
「分かりません・・・。多分、初めてお会いした時から、すでに好意があったのだと思います・・・。」
お母様は、私と慧一様の関係をご存知の様でした。
「・・・これからどうするつもりなの。このまま、一緒に暮らしていくつもり?辛くなるのは貴女なのよ。お嫁に来る美弥子さんもいつかは気が付いて、貴女に辛く当たるでしょう。今の内なら実家に帰っても誰も不審に思わないはず。貴女の為よ。お帰りなさい。これ以上深みにはまる前に行きなさい。」
お母様の目にも涙が溢れておりました。
「・・・ごめんなさい、お母様・・・。もう無理なのです。慧一様と離れては生きていけません・・・。」
私はそのまま泣き崩れ、畳に膝を付いてしまいました。
その様子を見たお母様は、私を抱き締めて泣き出しました。
「分かりました。貴女はこれからもっと辛くなるでしょうが、私は貴女の見方です。貴女を守ります。」
そうして、私とお母様は抱き合って泣いたのでした。
~慧一視点~。
式当日、朝から既にうんざりしていた。
これが香織との結婚式なら、心も弾んだかもしれないが、あんな女との結婚式だと思うと、うんざりを通り越して辟易する。
それよりも、昨日の香織が気になっていた。
泣き張らした目をしていて、誰に泣かされたのかも結局言わなかった。
その時、ドアがノックされた。
「・・・はい。」
「それではお婿様、ご用意できましたでしょうか。そろそろお時間です。」
私はぞんざいに頷き、椅子から立ち上がり式場に歩き出す。
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