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23~慧一視点~。
しおりを挟む離婚は成立した。
私達の主張が通ったのだ。
香織との関係は問題視されたが、腕の良い弁護士が離婚を可能にさせた。
離婚から丁度半年後、私と香織は結婚した。
これで香織は私の妻だ。
誰の遠慮もなく隣に寄り添い妻だと言える。
「ではお父さん、行ってきます。」
結婚式の後、新婚旅行に出掛ける為に式場から出て車に乗り込もうとしていた。
家族全員からの祝福をもらい、香織は既に泣いている瞳から新たな涙を流していた。
「香織、気を付けて行ってらっしゃい。慧一さん、香織を頼みました。」
「はい。お義母さん。」
「お母様、祥弌ちゃんの事をお願いします。」
「ええ、大丈夫よ。あなた達は何も心配せずにゆっくりしてきなさい。」
「行ってらっしゃいな。」
「はい。では行ってきます。」
私は助手席のドアを開けて香織を乗り込ませ、シートベルトを着けてやり自分も乗り込む。
ただそれだけで、とても幸せな気持ちになる。
新婚旅行は、熱海の老舗の常宿だ。
離れの個室で、内風呂と露天風呂もあり誰にも見られずに過ごせる様になっている。
香織と一緒にいると時間が早く進むかの様だ。
あっという間に熱海に着いた。
「香織、疲れたか?」
「いいえ、慧一様。大丈夫です。」
「疲れたと言っても、新婚初夜だから許してやれない。今すぐに襲いたい位だ。」
そう言うと香織は、顔を紅くして私を上目遣いで見つめてくる。
香織のその顔だけで私が催すのが香織には分からないのだろうか?
私は車を停車させ、狭い車の中で香織の唇を奪う。
「・・・!」
香織はいきなりのキスに驚くが、抵抗はせずに身を委ねてくる。
このままでは車の中でしてしまいそうで、名残惜しいがここまでにする。
「香織、続きはまた後だ。」
香織もこくんと頷き、顔を伏せる。
旅館の前に車を着けると、すぐに女将が出てくる。
「いらっしゃいませ。お待ちしておりました。」
私達は部屋に案内され一息吐く。
「香織、疲れたなら先に露天風呂に入って来なさい。」
香織は顔を紅くして「はい。」と素直に露天風呂に行った。
時間も丁度良く夕食になり、仲居が支度をして出ていく。
香織も風呂から上がり、浴衣姿で出てくる。
「香織、ご飯にしよう。」
「はい。」
旅館のご飯は美味で、少食の香織もいつもより沢山食べている。
夕食後、私も露天風呂に入る。
すぐに脱ぐ浴衣を着て出ると、香織は電話をしていた。
「はい、お母様。お夕食もすみました。ええ、美味しかったです。今度は家族全員で来たいですね。はい。はい。慧一様に代わります。慧一様、お母様が代わって欲しいと言っております。」
スマホを受け取り、お義母さんに無事に着いたと報告する。
「はい。ではおやすみなさい。」
電話を切ると、香織に手渡す。
「香織、来なさい。」
「・・・あ。」
香織の手を取り、隣の襖を開けると既に布団が敷かれている。
香織は布団を見ると顔を紅くする。
その何度しても初心な香織を愛している。
「香織、今夜は寝かさない。新婚初夜だからな。」
「慧一様・・・。」
私は香織を抱き寄せてキスをする。
香織は待っていたように私を出迎える。
翌日、失神した香織を抱き露天風呂に入り身体を綺麗にする。
無理をさせたせいか香織は起きないが、私は幸せだった。
香織はもう私のものだ。
私達は夫婦になり、誰の目にも私の妻として恥ずかしくなく紹介できる。
「香織、愛している。」
「・・・はい。」
「起きたか、香織。」
「慧一様、私も慧一様を愛しています。」
「香織!」
その言葉に私は愛しさが増す。
これ以上無い程の愛情。
どれ程の愛を捧げれば、香織にこの気持ちが分かるのか。
「離さない。覚悟しろ。」
「はい。私は慧一様と共にいます。」
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