【R18】嵐 ~愛され過ぎて困惑~

ジミー

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26~慧一視点~。

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あの女!やってくれたな!

また香織を泣かせて!

許さない!



スマホである男に指示を出し、小切手を用意させる。

そしてあの女に電話をする。


「何の用?」


「何の用だと!何でお前が、祥弌の幼稚園に迎えに行ったんだ!」


「あら、悪い?自分の息子を迎えに行って何が悪いのよ!私が産んだ息子よ!金も出さない奴に言われたくないね!」


「お前には何の権利も無いだろう!祥弌を売った癖に!」


「あんなはした金じゃあ売れないんだよ!一億持ってきな!」


「良いだろう。一億だ。後から催促してもそれ以上やらないからな!六時にHホテルの展望デッキに来い!その時に小切手をくれてやる!時間に遅れたらそれまでだ!」


「ええ。いいわ!じゃあ後でね。」


電話を切り、警察にも電話する。

眠る香織の青白い顔を覗き込んで、頬にキスをする。

済まない、香織。

これ以上は泣かさない。







展望デッキに私は珍しくツウピースの背広を着て一人で窓の外を見ていた。

腕時計を見ると、もうすぐ六時になる。

コツコツとハイヒールの音がして振り返ると、美弥子が派手な男を連れてこちらに歩いて来た。

男は最近美弥子と知り合ったやくざの下っ端だ。

美弥子の情報は、逐一探偵に探らせている。

美弥子と縁が切れるまでは情報を掴んでおかなければならない。


「時間通りね。さあ、小切手を寄越しな!一億じゃなきゃ息子は売らないよ!」


全く下品な女だ。

これが私の妻だったなんて最悪だ。


「渡したら、すぐに消えろ。今度目にしたら、ただじゃおかない!後悔させてやる!」


「ふん!いいわ!一億手に入れたら、綺麗に消えてあげる。」


私は内ポケットから小切手の入った封筒を出し美弥子に渡す。

美弥子はすぐに開けて、一億の数字を見てニヤリと下品な笑顔を見せる。

これで美弥子との縁も切れるだろう。


「いいわ!消えてあげる!じゃあね!」


男と共に美弥子は早足に去って行った。

あんな女に一億も渡す筈がない。

あの小切手は罠だ。

換金しようとしたら、盗難された小切手だとすぐに分かるだろう。そうしたら警察行きだ。

これで悪縁も切れるだろう。


私は急いで家に帰る。

香織の事が心配だった。

私が出掛ける時も香織は眠ったままだったのだ。

駆け出したい気持ちを抑えて車に戻る。

運転手に急ぐ様に言い、後部座席に身を預ける。









~香織視点~。




目が覚めると、祥弌ちゃんが泣きそうな顔をして私を覗き込んでいました。


「お母様、おめめあいた~。ぼくが見える~?」


「祥弌ちゃん、泣かないで。お母様はもう大丈夫だから。」


「ほんと?」


「ええ、本当よ。まあ、もう六時半ね。祥弌ちゃん、ご飯は食べた?」


「ちょっとだけたべた。」


「ちょっとだけ?お腹は空いてない?」


「うん!お母様といっしょにたべる~!」


「そうね。一緒に食べましょう。」


ベッドから何とか身体を起こすと、ぐらりと目が廻る。


「香織!大丈夫か!」


身体に腕を回され、慧一様の胸の中に捕らわれて安堵から力が抜けました。


「慧一様、ありがとうございます。もう、大丈夫です。」


「何を言っている!こんなにも顔色が悪いのに!」


「慧一様の腕に抱かれて、安心してしまいました。祥弌ちゃんにも心配を掛けてしまって、母親失格ですね。」


「お母様~。」


泣きそうな祥弌ちゃんの紙を撫で、少しでも安心して欲しかった。


「慧一様、お夕食は召し上がりましたか?祥弌ちゃんが、少ししか食べていないみたいなので、一緒に食べましょう。」


食欲は無いですが、祥弌ちゃんに何か食べさせてあげないと。


「大丈夫か?無理をしているなら、私が祥弌に食べさせてくるが・・・?」


「いいえ、大丈夫です。心配なさらないで。私は母親なのですから、これくらい大丈夫です。」


「分かった。私は着替えてくるから、一緒に食べよう。」


「どこかにお出かけしていたのですか・・・?」


「ああ、近くに大事な用があってな。今帰って来た所だ。」


「そうでしたか。」


良く見ると、あまり着ているのを見ない背広姿でした。

慧一様の普段着は、着物だった為見惚れてしまいます。


「ああ、顔色が戻ってきたな。」


「はい。慧一様のお陰です。その背広、お似合いですね。」


私ははにかんで慧一様に言うと、慧一様はフッと男らしく笑い、私に軽いキスをしてきました。


「その様子なら大丈夫そうだな。」


「はい・・・。」


私は自然に笑顔が出てきました。











~美弥子視点~。





ちくしょう!

あの小切手に騙された!

あの野郎、絶対に許さない!

あの男が大事にしている女を壊してやる!






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