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⑦まずは触れあいましょう
しおりを挟む恐ろしいくらい繊細で緻密なレースで出来た天蓋のカーテンを捲り、二人で寝台に入り、カーテンを閉め、気配の遮断と埃などのゴミから身を守る。
お互い無言で見つめ合い瞳を閉じ、最初は触れあうだけの口付けを交わす。
二度、三度と繰り返すうちに、グレイルの冷えた美貌に朱が入り、艶を増して行き、声が自然と洩れる。
とろんとした熱に浮かされた薄紫の瞳は潤み、薄い唇の端からは透明の、どちらのモノか分からない唾液が伝い、とても性を知らないとは信じられない色香を放っていたが、マリエッタはそんな些末事を気にすることもなく、夫になるであろう男の肩からガウンを落とし、立膝になりながらも、首筋に淡い桃色の己の唇を落とし、寝着の釦の間からほっそりとした手を差し込み、それを見つけ、指先でそっと触れた。
触れられた男はぴくりと背が反り、「ん......っ」と低い声が漏れ、手首を掴まれたが、マリエッタはグレイルの耳朶をパクリと食むことで反抗を無力化し、釦をわざとゆっくり外していくことで、余計に彼の羞恥を煽っていく。
ぷちり、ぷちりと外していく釦と共鳴するかのように、マリエッタのお腹の奥が疼き出し、じわじわと蜜が生まれていくのが解り、それを目の前の人に知られないように必死で顔に力を入れ、平静を保った。
全て外し終え、寝着の上も方から滑り落としてから、マリエッタは、さて、これからどうしようと一瞬悩んだが、予め枕元に用意しておいた幅広のリボンを手に取り。
「あの、それ、どうするつもり、なのでしょう」
戸惑いがちの掠れた低い声音は腰にくるのだったな、と、マリエッタは何かを思い出しかけたが、頭を一つふることでそれを排除し、にっこりと唇を吊り上げ。
「目隠しを、するのですわ。グレイル様」
人は視界が遮られると、他の所が敏感になると言いますでしょ、と、さもこれが当然のことであるかのようにグレイルを丸め込み、キュッと、後頭部でリボンを結び、また唇に口付けを落とす。
今度は気持ち深め、おまけに舌を捻じ込ませ、絡め、じゅっと吸ってみたところ、面白いほど甘い声を上げた男に、愉悦を憶えたマリエッタは、笑い。
「かわいい、わたしだけの、わたしだけの、かわいいひと」
唇から首筋、鎖骨、胸、臍へと唇を移動させていき、とあるところで動きを止め、そのまま躊躇いもなくパクリと、布ごと口に含んだマリエッタの頭に、グレイルの多きな両手が差し込まれた。
男性にしては繊細で、それでも女性よりは大きく頼りがいがある手が、さわさわと頭の形をなぞるようにして髪を撫で、時折マリエッタの耳朶に触れ、肩に移動し、また頭に戻ってゆく。
そういえば、彼もそうだったな、と、マリエッタはもう隣に立つことはない男を思い出し、苦くなったが。
パジャマのズボンの上からでも判るくらい熱く、起ち上った男根を撫でれば、何とも媚びた啼き声が零れたかと思いきや、濡れた感覚が伝わてきて、彼女は己の唇の端が歪むのが解った。
ああ、これが支配欲なのだと自覚したマリエッタは、自らガウンを脱ぎ、男の視界を覆っていたリボンをゆっくりと外した。
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