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⑧まさかの......です
しおりを挟む閉じられている視界に、強い光を感じ、ゆっくりと瞼を押し上げれば、カーテンの隙間から朝日が差し込み、夜がいつの間にか明けていることを知らせていた。
(もう、朝ですか...エヴァはゆっくり休めたでしょうか)
ゆっくりと上半身を寝台の上で起こしたグレイルは、己の下半身が気怠いことに気付きながらも、あえて考えないように努め、宛がわれた自室へと戻ることにした。
その際に気をつけたことは、隣で眠っていた妻となる少女を、物音を立て、起さないように行動したことである。
昨夜は情けないことに、あの後すぐグレイルは、あまりの刺激と快楽による睡魔に負け、最後まで致すことは出来なかった。
そればかりか奉仕されただけで、妻となるはずの少女の肌に直に触れることすら叶わずじまいであった。
今夜から三日三晩、グレイルは神殿に篭り、還俗のための儀式に望まなKれば正式なスーデン家の婿にはなれない。
エヴァも還俗が赦して貰えたので、本来ならば儀式に出なければならないが、エヴァが正式な神官でなかったことから儀式は免除された。
還俗前の儀式は数いる神官の前で、神殿の奥庭にある泉の前で禊をし、三日三晩仕えていた神に祝詞と懺悔を不眠不休で行うと言うもの。
途中で倒れたり眠ってしまったり、言葉を間違えてしまったら還俗は取り消しとなる。
中には厳しすぎると吠える信徒や神官もいるが、神に仕えるとは栄誉であり、同時に生半可な気持ちで神の下僕を名乗らせるにはいかないので、それくらいの気概がなければ還俗は叶わないと言うのが実情だ。
ノリがパリッと効いたアイロンが丁寧に施された純白の神官服を身に纏い、これもまた純白の肘まであるグローブを嵌め、最後にエヴァを鈴で呼び、髪を結ばせれば神官グレールの完成である。
神官の衣に袖を通すのも今回で最後となる。
僅かに寂寥感は感じるが今はそれよりも妻となる少女への情が勝る。
サラサラとした肌触りの上等な絹の神官服に、白杖と言う完璧な出で立ちで公爵家の屋敷内を歩く。
廊下ですれ違った使用人らは頭を下げ、「お帰りをお待ちしております、旦那様」とグレイルを温かく見送ってくれた。
グレイルはそれに鷹揚に頷き、マリエッタ付きの侍女に言伝を頼み、儀式に臨むため、公爵家を後にした。
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