思想学部

ケーキ

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一年生

顧問②

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私はあの頃から何も変わっていない。

高校生の頃、討論部に入っていた。今となっては、もう完全に無くなってしまった部活。

しかし、その時、入っていたもの達は、とても今を生きている力強いものだった。

今はどうだろうか。この学校には、あの時の討論部のような力強いもの達はいない。

こうして、学校を清掃しているからこそ見えてくる。

何か活きのいいやつは居ないのか。

そうしていると、あの時の討論部のことが浮かんでくる。

あの頃は良かった────

「今日の議題は厳しさと優しさ、どっちの方が必要か?についてです。」

そういい始まった。

私の敵は、最初から、引退するまでずっと変わらない。そういちだった。

彼は自分のついた方を絶対にまげない、とても強い芯を持った男。

あの男が、厳しさについたので、私は優しさについた。

「今日こそは、俺が勝つ」その頃の私はそう言って、とても燃えていた。

私からはじまる。「優しさが無ければ、苦しむことがずっと行われていたはず!

だからこそ、優しさの方が必要だ!」

すると彼は「厳しさ、それがなければ、人は堕ちていくだけだ。」と。

「厳しさでは人はついていかない。」

「優しさであってもそれは事実。」

「う…」私は核心をつかれたようにそう言った。

「厳しさはその時に応じて変えられるが、優しさは違う。どれだけしても優しさは優しさだ。

なら、臨機応変に対応出来る厳しさの方が必要。」

あの時の私はそうして言われ負けてしまった。

────────

彼に負けたことで、今でも厳しさの方が必要だと思っている。

今ではもうあんなに活発に議論をかわす、生徒は居なくなった。

討論部自体、私とそういちが卒業してからというもの、衰えていき廃部になった。

もう一度あの部活があれば…。

そう思うこともある。しかし、そういちは卒業する前に言った。

討論は無駄だ。と。あの言葉になんだか萎えてしまった。

そうして今がある。

あの一言がなければ、きっと、討論部はもっと繁栄していただろう。

そして、活発な人間だけの世界になっていたろう。

私はガッカリしながら、清掃を続ける。

そういえば、そろそろ放送の時間だ。そこでは、生徒が持ってきたCDなどもながされる。

最近流行っている音楽がどんなものなのか、知ることができる。

特にいいものでは無いが、たまに懐かしい曲もあった。

私はそっと耳をすませる。

しかし、今日はなんだか様子がおかしい。

時間になってもながれない。

これだから若いやつは…。

直後、誰かの声が聞こえてきた。

─今から、思想学部の顧問募集をかけようと思う─

そう言って始まる。

─思想学部、それは多くの考えを話し合い、認め合い、更に飛躍させる最高の部活動です。

多くの考えは、子供の頃に、周りの人、空気を読むなど自分の心でフィルターをかけ、消されてしまいます。

だからこそ、この部活がそれを受け入れ、ともにより良い未来へと進んでいこう。そう考えます。

この中では、あなたはその考えを捨てる必要は無い。

僕はあなたの考えを認める─

放送の主はそう沢山のことを言っていきました。

「こんなやつがまだ居たのか…。」清掃員はそう呟き、掃除用具をその場に置いた

──────

「すすむくん、放送室をのっとって、部活勧誘するとはどういうことですか。」

担任のあわて先生がすすむくんに怒る。

「職員室じゃなければいいんだと思って。」

「そんな訳ないでしょ!もうしないでくださいね。」

「はい、しません!全校生徒に聞こえたと思うので!」

すすむくんはそう言って笑顔でした。

──────

その後、僕はすすむくんのもとへとかけよった。

「すすむくん、破天荒にも程があるよ~!」

そう言うと、「何事もやってみないと分からないから」と笑う。

部活内では、おとねさんが、放送を聞いて、とても恥ずかしかった。と、両手で赤くなった顔を覆う。

すると、青野くんがやってきて、「何はともあれ、これで、顧問の募集は最後だろう。」と言った。

僕はこれじゃあ来ないだろうなと心の中で思う。普通の人がさっきの放送を聞いて、入りたいと思うのは有り得ない。

結局、部活にならなかったか…。

僕はそう言って、天井をあおぐ。彼らと一緒に居たらどうなるか。

最初がどうであれ、それを少し楽しみな自分もいた。

すると、1人の清掃員が僕達の前に現れる。

「放送、聞いてきた。感動したよ。

良かったら私が顧問になろう。」

その時の僕はそれに、とても強い衝撃を受けていたのを覚えている─────
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