思想学部

ケーキ

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一年生

間違えたもの①

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土曜日になった。

僕は気分転換に散歩に出た時のこと。

偶然、すすむくんと鉢合わせた。

そして確定した。

今日が普通の1日にならないことを。

2人で、あてもなく散歩することになった。

そして、沈黙が続いたので「そういえば、思想学部どうするの?」と聞く。

すると、変わらず、思想学部が学校などに貢献することをみんなに見せると言う。

誰かの思想が人のためになるとは思えないけど…。

僕は心の中でそう思った。

でも、それと同時に、楽しみにも思っていた────

そうして歩いていると、前から、少年が泣きながら走ってくる。

すすむくんは、「何かあった?」とその少年に近寄っていく。

すると、怖いお兄さんに悲しいことをされたと言っていた。

「これは!思想学部の出番だ!」すすむくんはそう言って、僕の方を見た。

ここで、あの子を見捨てるのは、普通の人じゃない。

心の中でそう思うと僕は「分かったよ」とすすむくんについていく。
 
すると、僕と歳の近そうな男が、子供に何かを話している。

子供達の様子は、何かとても泣きそうだったり、おびえている。

すすむくんはすぐに子供達の前に立った。

男はすすむくんをみて「なんだ。お前?」と聞く。

「僕は通りすがりの高校生さ。」と笑う。

そうして、すすむくんは、何があったのか彼に背を向けて、子供達に聞いていた。

すると、男が言う。「俺がそいつらに夢を聞いた。」

すすむくんは振り返る。

「で、現実を教えてやったんだ。そんな夢なんて叶わないってさ。」

子供達はそれにまた涙を流した。

「そうか、君はそう思うんだね。」

そう言って、「じゃあ、逆に僕はこう思う」と続けた。

「夢は必ず叶う。」

男は馬鹿にしたような顔で「はぁ?」と言う。

すすむくん、そんなことを言って大丈夫なの…?僕は少し不安で一杯になる。

その様子に気づいたのか彼は「大丈夫。思想学部は、誰か、いいや、全ての人の夢を叶えるものであるから。」と。

彼のその言葉になんだか、僕は安心するようだった。

「俺の尊敬する人の言葉をやるよ。」

男はそう言って続けた「大人とは、夢を与えるものだ。」

僕はそれに拍子抜けする。すすむくんのことを肯定してるじゃないか。

すると、すぐに「そして、その夢を壊すのも大人だ」ととても残酷に言ってのける。

彼の表情はなんだか自信に満ち溢れていた

小さい子の前でなんて酷いことを…。僕がそう思うと、すすむくんが前に出てくる。

「そこからまた手を差し伸ばすのも大人。」と言った。

男はそれに気に食わないような表情を浮かべる。

「じゃあ、手を差し伸べてみろよ。」

そして、男は子供の1人を指さして言った。

「こいつは、大人になったら、動物達に囲まれたいと言った。

そんなことはできないだろう。」

すると、「動物という括りだったら、猫でも犬でもいい。更には虫でもいいって事だよね。」とすすむくんは言う。

男は面を食らったように、他の子供達の夢を指摘していった。

しかし、すすむくんは毅然として、それを全て肯定する。

そうしていると、男は子供達の夢を言いきってしまった。

「これで終わりかな?」

すすむくんはなんだか元気そうにそう言う。

「まだだ。」

男は疲れたそぶりを見せながら「俺の将来の夢は、毎日、いいや好きな時に、100万という大金を手に入れることだ。」と。

すると、すすむくんは少し考える。

「どうだ、もう言い返すことはできないだろう」と言ってやったぜと息を荒らげながら、自信にみちた表情になった。

「それなら、紙に100万と書けばいい。」

すすむくんのそれに、「そんなことで満足できる訳ないだろう。」と彼は怒った。

「そうか…じゃあ」

すすむくんはそう言って悩んで、また言おうとした瞬間、彼のポケットから電話の音がなる。

彼は少しの間、その場から離れると、すすむくんの元へ行って、「また今度会う時まで考えておけ」と言った。

そして、最後に「俺の名前は
非低だ。お前の名前は?」と聞く。

「僕はすすむ!」と返す。

「覚えておこう。」と言って男は去っていった。

すると、彼が居なくなった後、彼の周りに沢山の子供が囲んだ。

僕はそれにそうだよな。と頷いた。

誰だって、自分の考えを否定されるよりも、認めてくれたり、肯定された方が嬉しいに決まってる。

「やっぱり、すすむくんは凄いな。」みんなの前で笑顔の彼を見て、僕はそっと呟いた。

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