思想学部

ケーキ

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一年生

挽回

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僕はいつものように学校へ行って、自分の席に座った。

その時に感じた違和感。

今日は特に部活で何かをする予定もないので、遅くならない程度の普通の時間でやってきた。

周りに居る人達も、部活なくはやく来る人がそれなりだ。

しかし、なんだか、様子がおかしい。

いいや、これは昨日も少し感じていた。

同級生の視線、先生からの視線、なんだか、苦しくなってくる。

すると、その中から誰かが話しかけてきた。

僕はその人を見て、頭の中にある名簿と照らし合わせた。

「かけるくん…?

どうしたの、僕に何か用?」

彼は「お前、あの思想学部に入ってるらしいな。」と。

「そうだよ。」

僕は少し暗く肯定した。

「思想学部って、お前もすすむってやつと同類なのか。」

心がズキッと傷んだ。

普通であることを目指していたが、それも叶わず、更にはすすむくんのことを悪く言われてる気がした。

まだ少ししか過ごしてないけど、彼はいい人だと思っている。

悪いところはあるけど…。

そうして、かけるくんがまた何かを言おうとした時、呼び出しが入った。

主はおとねさん。僕はすぐに彼女の元へ向かった。

かけるはあいだの方を見えなくなるまで目で追う。

─────

「おとねさん、どうしたの?」

僕がそう言うと、彼女はたまったものを吐き出すように言う。

「今日の朝ね、おとねちゃんは変わった人だったんだねって言われたの…」

僕はすぐに察した。

昨日の朝から、放送のことで、うわさされていたんだ。

昨日ははじめての日だったから、大丈夫だったけど、昨日よりも思想学部について穿った見方が広まって、今に至るという訳か。

僕はそっと納得すると、悲しそうなおとねさんと一緒に、すすむくんが居る空きクラスに向かった。

途中、みちかさんが合流し、おとねさんの背中を優しくさすったり、慰めていた。

───────

「やぁ、集まったね」

すすむくんはそういって、朝にも関わらず元気だ。

ちなみに、僕の到着した時間は、普通であることを目標とし、余裕が結構あったので、部活の時間にさけるのだ。

ここから何を話し合うのか…。僕は少し身構える。

「これから、挽回しようと思う!思想学部は一気に人気ものの部活になるんだ!」

僕はそれにあきれてしまった。

「流石にそれは厳しいんじゃあ…?」

「大丈夫!もし、無理そうなら、進んでいく最中に変えていけばいい。

それに、今、僕はなんだか出来ると思うんだ」

彼は自信満々にそう言った。

「すごい自信…。」

「うん、悪い方向に見られていると、後はプラスにしかならないからいいと思うんだ。」

どこかで聞いた事のあるようなこと。彼は、相手のポジティブな考えを自分に取り入れていく。

そして、今を強く肯定しているんだ。僕はすすむくんのことをとても強いひとだなと改めて思った。

「それでこれから何するの?」

「決まっているさ!今度は学校中に張り紙貼りまくって、思想学部の凄さをアピールするんだ!」

すると、あおのくんからストップがはいる。

「やっぱり、こういうことは向き不向きがあるよ。他の人がどうするか考えた方がいいと思うんだ。」

そうして、考えていると、おとねさんが前に出てきた。

「私の考えを言いたいな!」

「いいよ!教えて!」あおのくんはおとねさんの方へ。

「お人形さんを配ったらどうかな!」

「なるほど…いいね。」

あおのくんは上を向いて、「なるほど…」と呟いた。

僕は「それよりも…」と前に出る。

「何か他にアイディアあるの?」

「うん。お人形もいいけど、お金かかっちゃうから。」

申し訳なさそうにおとねさんを見る。

「どんなものなの?」

おとねさんが興味を持っているのを感じると、言うのを再開した。

「僕は普通を目指している。だからこそ、思うことがあるんだ。」

「それは…?」

おとねさんは首をかしげる。

「相手のことを知ること。僕は普通になるために、特にそれが必要だと思ってる。」

「なるほど…」

あおのくんはコクコクと頷いた。

「つまり、困っている人のことを知って、あった思想を考えるってこと?」

「そう!」

僕は考えていたことを分かってくれたようで、とても嬉しくなった。

「相手のことを知ること、大事だよね。僕はいいと思うんだ」

あおのくんは笑顔で言う。

おとねさんも「しずくちゃんみたいにならないと思うから、私もいいと思う!」と。

みちかさんは、変わらず遠くからそっと皆を見守り、微笑んでいる。

「よし、決まったな!」

すすむくんは周りの様子を見て出てきた。

「相手を知って、思想を作る。誰かの役に立ちながら、新しい考えを作り出せる。

とてもいいこと!」

そういって、変わらない元気な彼が居た。

僕はなんだかそれに今日も励まされる────────
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