35 / 190
一年生
数字ヒーロー②
しおりを挟む
ぶつぶつ何かを呟く男がいた。
みなは彼の名を、ナンバーマンと呼ぶ。
そして、向こうから彼を支えるナンバーウォーマンがやってきた。
2人は、数字界の平和を守るため、日夜奮闘しているのである。
「うぅ…。」
ナンバーマンはそう言って頭をかかえる。
「どうしたの?」
ナンバーウーマンはそれにすぐさま駆けつけた。
「4差別する言い分を聞いて、もっともだと思って…」
「どんなことを言ってたの?」
ナンバーマンは、起こったことを全部話す。
───────
「そんな事があったんだね…!」
ナンバーマンは頷いた。
「そう…」
「武器だった、肯定が使えなくて、もうどうすればいいのか…。」
ナンバーマンのその様子を見て言った。
「あなたは4についてどう思ってるの?」
ナンバーウォーマンはニコッと笑う。
「それは…昔から変わらず好き。」
「どんな意味があろうと、ナンバーマンはどの数字も同じくらい好きだ」
ナンバーウォーマンは「そう。」と頷いた
「そうだよ。忘れてた。数字が好きなんだ…」
彼は行ってくると言い残すと、どこかへと向かった
──────
今日はスペシャルです!
その声とともに、番組が始まる。
司会は変わらず前回と同じ人。
今回も引き続き、人気企画悪しき数字、4について。
そうして、司会の人が始めた。
「今日も沢山の4に対する批判や、クレームを頂いています。」
「一緒に根絶していきましょう!」
前回は乱入者が入って、ちゃんとした議論ができなかった。
けれども、今回は、前回よりも長く時間をとれるため、徹底的に4排他運動ができる。
司会者は強く握りこぶしを作った。
そうして、視聴者からの文を読もうとした時、「まてー」と声が聞こえてくる。
会場は慌てる声で一杯になる。
ナンバーマンがやってきたのだ。
「また懲りずに…」
会場の人はあきれたように言う。
「4差別について言いに来た!」
「それは知ってますよ」
司会者はナンバーマンに近付く。
「何故、また懲りずにやってきたのか。それを聞いている」
「それは…君に、そして、君たちに伝えたいことがあるから…。」
「また肯定ですか?それなら、意味は無いですよ」
「そうじゃない。」
「なんですか?」
会場はナンバーマンに視線を集める。
「僕は4が好きだ。数字に差なんてつけられない。みんなそれぞれなくてはならないもの。」
ナンバーマンは司会にたずねる。
「そこでたずねたい。君、そして、君たちは、何のために数字を嫌いで居るんですか?」
すると、会場から、「嫌な数字だからに決まってるだろ」と声が上がった。
それに同調するように、司会者も「このように、不快な気持ちになってる方が大勢いる。だからこそ、こうして4排斥運動をしているのです。」と。
「本当に嫌だと思う人だけ…?」
ナンバーマンがそう言うと、口角が下がる。
「たとえどうであろうと、この会場にいる方々、そして、これを嫌う大多数がある。」
「サイレントマイノリティがどうであろうと、多くを不快にするこれを排除しなければならない。」
司会者は強くそう言った。
「そんなに囚われる必要なんてないよ。」
「なぜだ?」
「本当に悪いものだったら、なくなっていくから。」
ナンバーマンは上を向いた。
「人は苦しみに快楽を見出しながら、強い苦しみには拒絶を示す生き物だからさ。」
「詭弁だ!」
外野からその声とともに、ものが投げられる。
ナンバーマンはそれに動じず言った。
「平仮名のしなどは、構成要素の1つ。ただ、それだけだよ。
数字も同じさ。」
「しかし、それが存在することによって、苦しむ人がいる。」
ナンバーマンは彼の目を見る
「本当に苦しんでいるのは君じゃないか?」
「なんだと…?」
その瞬間、司会者の心の中でガラスのような何かが割れた。
──────
小さい頃、死は悲しくて、悪いものだと教わった。
周りにも、4が嫌いだと思ってる人も沢山居て、それが当たり前だと思って。
ある日、ノートに間違えて、ボールペンで4と書いた。
僕はそれを消そうと思って、消しゴムで何度も何度も4にぶつけた。
けれども消えない。
それを繰り返してる内に、ノートはビリビリに破れた。
その時、決めたんだ。
4をこの世からなくすって。ビリビリに切り裂いて。
ある日、お便りを見ていた時、こんなものがまざっていた。
4は悪い数字って言われてるけど、野球では希望的なものでもあった。
4番バッターそれは、バトンを引き継いだ期待の星。
だから、悪いものじゃないと思うんだ。
私はそれを見て、中から省いた。
チェリーピッキングとも言われるかもしれない。けれども、この世界では当たり前のこと。
悪いものに対してなら、それは認められる。
──────
「私が苦しんでいる…?」
「うん。数字も自分のために苦しむ必要はないって思ってるはずだ」
司会者の男は頭を悩ませた。
この男は何を言ってる。数字に心はないはず…
しかし…とらわれる…?
「嫌なことのために、自分の身を苦しめる必要は無いんだ。」
「君は嫌い、ナンバーマンは好き。それでいいじゃないか。」
「なるほど…そうですか。分かりました」
司会者はそう言って帰った。
その日から、 番組では4差別の放送はしなくなったのである。
ナンバーマン、ナンバーウォーマンは戦う。
それは、数字差別が無くなるまで。
頑張れナンバーペア!
みなは彼の名を、ナンバーマンと呼ぶ。
そして、向こうから彼を支えるナンバーウォーマンがやってきた。
2人は、数字界の平和を守るため、日夜奮闘しているのである。
「うぅ…。」
ナンバーマンはそう言って頭をかかえる。
「どうしたの?」
ナンバーウーマンはそれにすぐさま駆けつけた。
「4差別する言い分を聞いて、もっともだと思って…」
「どんなことを言ってたの?」
ナンバーマンは、起こったことを全部話す。
───────
「そんな事があったんだね…!」
ナンバーマンは頷いた。
「そう…」
「武器だった、肯定が使えなくて、もうどうすればいいのか…。」
ナンバーマンのその様子を見て言った。
「あなたは4についてどう思ってるの?」
ナンバーウォーマンはニコッと笑う。
「それは…昔から変わらず好き。」
「どんな意味があろうと、ナンバーマンはどの数字も同じくらい好きだ」
ナンバーウォーマンは「そう。」と頷いた
「そうだよ。忘れてた。数字が好きなんだ…」
彼は行ってくると言い残すと、どこかへと向かった
──────
今日はスペシャルです!
その声とともに、番組が始まる。
司会は変わらず前回と同じ人。
今回も引き続き、人気企画悪しき数字、4について。
そうして、司会の人が始めた。
「今日も沢山の4に対する批判や、クレームを頂いています。」
「一緒に根絶していきましょう!」
前回は乱入者が入って、ちゃんとした議論ができなかった。
けれども、今回は、前回よりも長く時間をとれるため、徹底的に4排他運動ができる。
司会者は強く握りこぶしを作った。
そうして、視聴者からの文を読もうとした時、「まてー」と声が聞こえてくる。
会場は慌てる声で一杯になる。
ナンバーマンがやってきたのだ。
「また懲りずに…」
会場の人はあきれたように言う。
「4差別について言いに来た!」
「それは知ってますよ」
司会者はナンバーマンに近付く。
「何故、また懲りずにやってきたのか。それを聞いている」
「それは…君に、そして、君たちに伝えたいことがあるから…。」
「また肯定ですか?それなら、意味は無いですよ」
「そうじゃない。」
「なんですか?」
会場はナンバーマンに視線を集める。
「僕は4が好きだ。数字に差なんてつけられない。みんなそれぞれなくてはならないもの。」
ナンバーマンは司会にたずねる。
「そこでたずねたい。君、そして、君たちは、何のために数字を嫌いで居るんですか?」
すると、会場から、「嫌な数字だからに決まってるだろ」と声が上がった。
それに同調するように、司会者も「このように、不快な気持ちになってる方が大勢いる。だからこそ、こうして4排斥運動をしているのです。」と。
「本当に嫌だと思う人だけ…?」
ナンバーマンがそう言うと、口角が下がる。
「たとえどうであろうと、この会場にいる方々、そして、これを嫌う大多数がある。」
「サイレントマイノリティがどうであろうと、多くを不快にするこれを排除しなければならない。」
司会者は強くそう言った。
「そんなに囚われる必要なんてないよ。」
「なぜだ?」
「本当に悪いものだったら、なくなっていくから。」
ナンバーマンは上を向いた。
「人は苦しみに快楽を見出しながら、強い苦しみには拒絶を示す生き物だからさ。」
「詭弁だ!」
外野からその声とともに、ものが投げられる。
ナンバーマンはそれに動じず言った。
「平仮名のしなどは、構成要素の1つ。ただ、それだけだよ。
数字も同じさ。」
「しかし、それが存在することによって、苦しむ人がいる。」
ナンバーマンは彼の目を見る
「本当に苦しんでいるのは君じゃないか?」
「なんだと…?」
その瞬間、司会者の心の中でガラスのような何かが割れた。
──────
小さい頃、死は悲しくて、悪いものだと教わった。
周りにも、4が嫌いだと思ってる人も沢山居て、それが当たり前だと思って。
ある日、ノートに間違えて、ボールペンで4と書いた。
僕はそれを消そうと思って、消しゴムで何度も何度も4にぶつけた。
けれども消えない。
それを繰り返してる内に、ノートはビリビリに破れた。
その時、決めたんだ。
4をこの世からなくすって。ビリビリに切り裂いて。
ある日、お便りを見ていた時、こんなものがまざっていた。
4は悪い数字って言われてるけど、野球では希望的なものでもあった。
4番バッターそれは、バトンを引き継いだ期待の星。
だから、悪いものじゃないと思うんだ。
私はそれを見て、中から省いた。
チェリーピッキングとも言われるかもしれない。けれども、この世界では当たり前のこと。
悪いものに対してなら、それは認められる。
──────
「私が苦しんでいる…?」
「うん。数字も自分のために苦しむ必要はないって思ってるはずだ」
司会者の男は頭を悩ませた。
この男は何を言ってる。数字に心はないはず…
しかし…とらわれる…?
「嫌なことのために、自分の身を苦しめる必要は無いんだ。」
「君は嫌い、ナンバーマンは好き。それでいいじゃないか。」
「なるほど…そうですか。分かりました」
司会者はそう言って帰った。
その日から、 番組では4差別の放送はしなくなったのである。
ナンバーマン、ナンバーウォーマンは戦う。
それは、数字差別が無くなるまで。
頑張れナンバーペア!
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
妻からの手紙~18年の後悔を添えて~
Mio
ファンタジー
妻から手紙が来た。
妻が死んで18年目の今日。
息子の誕生日。
「お誕生日おめでとう、ルカ!愛してるわ。エミリア・シェラード」
息子は…17年前に死んだ。
手紙はもう一通あった。
俺はその手紙を読んで、一生分の後悔をした。
------------------------------
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
慈愛と復讐の間
レクフル
ファンタジー
とある国に二人の赤子が生まれた。
一人は慈愛の女神の生まれ変わりとされ、一人は復讐の女神の生まれ変わりとされた。
慈愛の女神の生まれ変わりがこの世に生を得た時、必ず復讐の女神の生まれ変わりは生を得る。この二人は対となっているが、決して相容れるものではない。
これは古より語り継がれている伝承であり、慈愛の女神の加護を得た者は絶大なる力を手にするのだと言う。
だが慈愛の女神の生まれ変わりとして生を亨けた娘が、別の赤子と取り換えられてしまった。
大切に育てられる筈の慈愛の女神の生まれ変わりの娘は、母親から虐げられながらも懸命に生きようとしていた。
そんな中、森で出会った迷い人の王子と娘は、互いにそれと知らずに想い合い、数奇な運命を歩んで行くこととなる。
そして、変わりに育てられた赤子は大切に育てられていたが、その暴虐ぶりは日をまして酷くなっていく。
慈愛に満ちた娘と復讐に駆られた娘に翻弄されながら、王子はあの日出会った想い人を探し続ける。
想い合う二人の運命は絡み合うことができるのか。その存在に気づくことができるのか……
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
死んだはずの貴族、内政スキルでひっくり返す〜辺境村から始める復讐譚〜
のらねこ吟醸
ファンタジー
帝国の粛清で家族を失い、“死んだことにされた”名門貴族の青年は、
偽りの名を与えられ、最果ての辺境村へと送り込まれた。
水も農具も未来もない、限界集落で彼が手にしたのは――
古代遺跡の力と、“俺にだけ見える内政スキル”。
村を立て直し、仲間と絆を築きながら、
やがて帝国の陰謀に迫り、家を滅ぼした仇と対峙する。
辺境から始まる、ちょっぴりほのぼの(?)な村興しと、
静かに進む策略と復讐の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる