思想学部

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一年生

数字ヒーロー②

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ぶつぶつ何かを呟く男がいた。

みなは彼の名を、ナンバーマンと呼ぶ。

そして、向こうから彼を支えるナンバーウォーマンがやってきた。

2人は、数字界の平和を守るため、日夜奮闘しているのである。

「うぅ…。」

ナンバーマンはそう言って頭をかかえる。

「どうしたの?」

ナンバーウーマンはそれにすぐさま駆けつけた。

「4差別する言い分を聞いて、もっともだと思って…」

「どんなことを言ってたの?」

ナンバーマンは、起こったことを全部話す。

───────

「そんな事があったんだね…!」

ナンバーマンは頷いた。

「そう…」

「武器だった、肯定が使えなくて、もうどうすればいいのか…。」

ナンバーマンのその様子を見て言った。

「あなたは4についてどう思ってるの?」

ナンバーウォーマンはニコッと笑う。

「それは…昔から変わらず好き。」

「どんな意味があろうと、ナンバーマンはどの数字も同じくらい好きだ」

ナンバーウォーマンは「そう。」と頷いた

「そうだよ。忘れてた。数字が好きなんだ…」

彼は行ってくると言い残すと、どこかへと向かった

──────

今日はスペシャルです!

その声とともに、番組が始まる。

司会は変わらず前回と同じ人。

今回も引き続き、人気企画悪しき数字、4について。

そうして、司会の人が始めた。

「今日も沢山の4に対する批判や、クレームを頂いています。」

「一緒に根絶していきましょう!」

前回は乱入者が入って、ちゃんとした議論ができなかった。

けれども、今回は、前回よりも長く時間をとれるため、徹底的に4排他運動ができる。

司会者は強く握りこぶしを作った。

そうして、視聴者からの文を読もうとした時、「まてー」と声が聞こえてくる。

会場は慌てる声で一杯になる。

ナンバーマンがやってきたのだ。

「また懲りずに…」

会場の人はあきれたように言う。

「4差別について言いに来た!」

「それは知ってますよ」

司会者はナンバーマンに近付く。

「何故、また懲りずにやってきたのか。それを聞いている」

「それは…君に、そして、君たちに伝えたいことがあるから…。」

「また肯定ですか?それなら、意味は無いですよ」

「そうじゃない。」

「なんですか?」

会場はナンバーマンに視線を集める。

「僕は4が好きだ。数字に差なんてつけられない。みんなそれぞれなくてはならないもの。」

ナンバーマンは司会にたずねる。

「そこでたずねたい。君、そして、君たちは、何のために数字を嫌いで居るんですか?」

すると、会場から、「嫌な数字だからに決まってるだろ」と声が上がった。

それに同調するように、司会者も「このように、不快な気持ちになってる方が大勢いる。だからこそ、こうして4排斥運動をしているのです。」と。

「本当に嫌だと思う人だけ…?」

ナンバーマンがそう言うと、口角が下がる。

「たとえどうであろうと、この会場にいる方々、そして、これを嫌う大多数がある。」

「サイレントマイノリティがどうであろうと、多くを不快にするこれを排除しなければならない。」

司会者は強くそう言った。

「そんなに囚われる必要なんてないよ。」

「なぜだ?」

「本当に悪いものだったら、なくなっていくから。」

ナンバーマンは上を向いた。

「人は苦しみに快楽を見出しながら、強い苦しみには拒絶を示す生き物だからさ。」

「詭弁だ!」

外野からその声とともに、ものが投げられる。

ナンバーマンはそれに動じず言った。

「平仮名のしなどは、構成要素の1つ。ただ、それだけだよ。

数字も同じさ。」

「しかし、それが存在することによって、苦しむ人がいる。」

ナンバーマンは彼の目を見る

「本当に苦しんでいるのは君じゃないか?」

「なんだと…?」

その瞬間、司会者の心の中でガラスのような何かが割れた。

──────

小さい頃、死は悲しくて、悪いものだと教わった。

周りにも、4が嫌いだと思ってる人も沢山居て、それが当たり前だと思って。

ある日、ノートに間違えて、ボールペンで4と書いた。

僕はそれを消そうと思って、消しゴムで何度も何度も4にぶつけた。

けれども消えない。

それを繰り返してる内に、ノートはビリビリに破れた。

その時、決めたんだ。

4をこの世からなくすって。ビリビリに切り裂いて。

ある日、お便りを見ていた時、こんなものがまざっていた。

4は悪い数字って言われてるけど、野球では希望的なものでもあった。

4番バッターそれは、バトンを引き継いだ期待の星。

だから、悪いものじゃないと思うんだ。

私はそれを見て、中から省いた。

チェリーピッキングとも言われるかもしれない。けれども、この世界では当たり前のこと。

悪いものに対してなら、それは認められる。

──────

「私が苦しんでいる…?」

「うん。数字も自分のために苦しむ必要はないって思ってるはずだ」

司会者の男は頭を悩ませた。

この男は何を言ってる。数字に心はないはず…

しかし…とらわれる…?
 
「嫌なことのために、自分の身を苦しめる必要は無いんだ。」

「君は嫌い、ナンバーマンは好き。それでいいじゃないか。」

「なるほど…そうですか。分かりました」

司会者はそう言って帰った。

その日から、 番組では4差別の放送はしなくなったのである。

ナンバーマン、ナンバーウォーマンは戦う。

それは、数字差別が無くなるまで。

頑張れナンバーペア!
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