思想学部

ケーキ

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一年生

残された手紙

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すすむはそういちのようだ…。

男はそう思った。

高校を卒業してからもずっと、彼のことを考える。

どうしてあの時…。

しかし、最近、聞いた事で、もしかしたらそういちなのかもしれないと思うこともあった。

優しさについて語った男。

それは、そういちなんじゃないか…。

しかし、根拠も何も無い。

優しさについて語った私と、それの反対を語ったあの時のことに矛盾している。

あいつは何を考えているんだろう。

ところで、私はずっと、親が書いた手紙を読めずにいる。

今更、私に、何を送るのか。

あまり親のことが好きではなかった。

特に名前、敗来。

何度か教えると言ってきたが断ってきた。

聞くのも怖かったが、意味は敗北が来るだろう。

そんなことを正直に、親に聞くことなんて出来なかった。

思えば、自分は負け続けた。

受験でも沢山失敗し、会社もほとんどダメで、その中でもずっと負け続ける。

そうして、いつの日にか、こうして清掃員になっていた。

今は、偶然に、こうして、自分の卒業した学校で顧問をやりながら…。

私はそっと手紙を開いた。

「読むか…」

そこには、“ずっと、言えなかったことそれをここで、ちゃんと書こうと思います“

と書かれていた。

今更何を…

そう思いながらも、男は続きを読んだ。

“あなたの名前、敗来は、敗北と未来を表します”

“つまり、負けても未来にいいことはあるから、諦めずに進んで欲しい。その思いを込めて、あなたの名前を考えました”

私はそれにハッとした。

「ずっと…勘違いしてたんだな…」

そう呟くと、また過去のことを思い出す。

結果はどうであれ、いつも、よくはなっていた。

大学にも受かったし、会社にもつとめていた。

もう一度、頑張ってみるか…。

男はそう言うと、家を後にした───────

学校で、部活時、男は言った。

「この仕事辞めようと思う」

部員はとても驚く。

それも仕方ない…男はそう思うと続けた。

「悪いな。だから、顧問も続けられない。」

その中で、すすむは「大丈夫!」ととても元気にしている。

「すすむ、君はいいな。未来が広がっててさ。私にはもうないよ。」

私は俯きながら言うと、すすむは「思想学部で言うなら…思想家はいつからでも遅くない。いいや、これからが人生だ!」と。

それがとても強い言葉に感じられた。

「そうか…。君はそういちじゃない、すすむだ。」

男はそう言って「じゃあな」と、思想学部に別れを告げた。

すすむは「また会おう」と元気にしている。

思想学部の部員も、皆、彼に別れを告げた。

───────

男は学校から去る中、考えた。

すすむか…。最初は、この学校に、いきのいいやつは居ないと思っていたが、いつの時代も居るんだな。

凄い何かをもったやつが。

そういち、お前が、何をおもって討論部を辞めたのか…

今となっては、もう分からない。

けれども、それでいい。

あんなことを言われてしまえば、またこの道を歩いていくしかないだろう。

男の上に浮かぶ空は、とても青く綺麗だった─────

「みちかちゃん!」

おとねさんは笑顔で近付いた。

「何か手紙を貰ってたみたいだけど!」

「うん、もらったよ!」

「何が書いてあったの?」

「今から見てみるね!」

みちかさんはそっと優しいてづかいで、手紙をあける。

そこには、君は優しいな。いつも話聞いてありがとう。

君なら、仲直り出来ると思う。

と書かれていた。

「前に言ってた友達のこと…?」

「うん…そうだと思う。」

「仲が悪いままじゃ悲しいよね…。みちかちゃんはどう思ってるの?」

「仲直りしたいと思ってるよ!このままじゃ悲しいから…。」

「そうなんだ!」

「でも…。」

そうして、下を向いていると、すすむくんがやってきます。

「2人ともどうしたの?」

「実はね!」

おとねさんはあったことを話しました。

「前の人のことか。なるほど。」

すすむくんはそう言って頷きました。

「仲直りする?」

彼がそう言って、聞くと、「仲直りしたいよ…でも…。」と悲しそうにしています。

「でも…?」

「このままの方がいいかなって!

会っても、悲しい気持ちになっちゃうから…。」

すすむくんは「なるほど」とまた頷きます。

「じゃあ、一つだけ言わせて欲しい!」

「なんでしょう?」

「色々な形の優しさがあってもいい!」

すすむくんは自信満々に言った。

みちかさんはただ「ありがとう」とだけ言う。

すすむくんは相変わらずだった。

何も根拠がないのに、自信満々で、しかし、それでいて強い何かを目指している気がした。

自分の考える理想の世界…?

それは分からない。けれども、これから、彼と居れば良くなる。

そんな気がしていた──────
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