思想学部

ケーキ

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一年生

これから

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冬休みがあけた。

部活では、相変わらず、すすむくんの元気がなかった。

なにかしてあげたい…。

そう思えども、何もできない自分がいた。

無力だ…。

いつも助けて貰ってたのにごめん…。

すると、そんな僕に後ろから誰かがポンと背中をポンと押す。

振り返ってみると、そこにはあおのくんが居た。

「あおのくん!」

「すすむくんのことだよね。最近、ずっと元気なかった」

「うん…。もうどうしたらいいか分からない」

僕は下を向いた。

「彼のことは、僕に任せて欲しい!」

僕は顔をあげる。

「だけど…受験が…?」

「大丈夫だよ。困ってる時は、用事よりもそっちを優先させたいと思ってるから。

それに…。」

「それに?」

「年上だから、こんな時こそ、僕が彼を助けるんだよ」

僕は「ありがとう…!」と言って、あおのくんを見送った。


「すすむくん、こんにちは」

すすむが振り向くと、そこにはあおのがいた。

「あおのくん、こんにちは。」

「懐かしいね。僕が入りたいって言ったら入れてくれた。」

「それから、絵本のことも、勉強のことだって君に何度も助けられたよ。」

すすむは「こちらこそ、あおのくんに助けられてる。」と言う。

しかし、彼の顔はいつもより少し元気がなかった

「ところで、最近、何か困ったことはないかな?」

「困ったこと?ないけど…」

「けど?」

「最近、上手くいってるはずなんだけど…。やる気が出なくて」

「そうなんだ。」

「うん。少し前に自分のノートをみた。大分思い描いてたふうにはならなかったけど、結果的には叶ったんだ。」

あおのは頷く。

「だけど、全然それに喜べないんだ。これからどうしようって思って…。」

「前の練習試合が終わったら、何か変わるかもって思ったんだけど、何も。」

「そうか…。行き詰まってるんだね。」

あおのはそう言うと切り出した。

「一つだけ言いたいことがある。」

「僕はもうほとんどしないで、卒業することになる。

心配なところはあるけど、君なら、君たちなら大丈夫だと思ってるよ。」

彼は変わらず少し暗かった。

「今まで見てきたから、強くそう思うんだ。」

そう言って、すすむの肩をポンと叩く。

「これをあげるよ。」

そう言って、バックから絵本を1冊取り出した。

「これは、僕が絵本を好きになるきっかけになった絵本なんだ。お父さんがくれた。」

「大切な絵本?」

「確かに大切だけど、今の君の方がこの絵本を必要としてると思うんだ。」

すすむは「ありがとう。」と言ってその本を受け取る

───────

家に帰って、すすむは1人で、その絵本を読んだ。

タイトルは『空とうさぎ』。

そこには、数羽のうさぎが登場し、毎日楽しく同じことを繰り返して暮らしている。

そんな時、ふと、1羽のうさぎが思う。

生きている意味は何かと…?

考えて出した1つの結論が、美しいこの世界を見るためだった。

その後、みんなはお互いのためになることをし合っていつも通り暮らしていく。

そんな話。


すすむのお母さんと、お父さんが話し合っていた。

いつもよりもなんだか元気がない。お母さんは少し心配そうにしている。

お父さんは暗く言った。

「やっぱり、蛙の子は蛙だ。すすむも俺と同じでネガティブに育っていく。」

すると、お母さんはそれを聞いて「今は心配だけど、すすむくんはきっと大丈夫。」と。


すすむは思った。

僕はこれまでなんのために頑張ってきたんだろう?

なんであんなにも、目標をたてて…。

もしかしたら、それが終われば何か分かるかもしれないって思ってたのかもしれない。

だけど、思った通りではないが多くやり遂げて今、これを考えてる。

だけど、何も無かった。

ただ孤独が残った。大会を終えてもそれは変わらないのかもしれない。

そう思うと、頑張る意味が分からなくなった。

でも…さっきの『空とうさぎ』それを聞いて考えた。

自分の美しいとか、こんな時が楽しいとか、そんなふうに思ってることはなんなのか…?

すると、お母さんの笑顔が浮かぶ、そして、学校の生徒、先生、思想学部など出会ってきた人の笑顔がそこにあった。

そうだ…僕の夢は!

そして、ノートを開いて何かを書き始める。

夜のこと、すすむのお母さんが、すすむを見ると、元気を取り戻していた。

それを見て「良かった」と微笑んだ。

次の日、すすむはいつも通り、元気に思想学部で活動した

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