思想学部

ケーキ

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三年生

練習試合Ⅲ

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「今日、ありがとうございます!」

「ううん。すすむくんや、みんなこそありがとう。今日は頑張ってきてね!」

その後、顧問の先生は「私にはこれくらいしか…」と呟く。


今日は練習試合。僕の学校でする。

前回、優勝したから、当たり前と言えば当たり前なのかもしれない。

しかし、心の中に不安があった。

優勝したからこそのプレッシャー。自分は上手くできるだろうか…。

そもそも、当たり前のことになりすぎて、どうやってたかすらもあやしい。

相手の学校はニ回戦で負けたらしいが、今回はとても力を付けているという。

前回、僕らが準決勝であたった学校とだったため、相手が悪かっただけかもしれない。

ただ、すすむくんの方をみると、とても楽しそうにしていた。

どんな考えと出会えるのか。

それは彼の喜びの一種だった。

相手の方も5人以上居て、一応、試合はできるが、折角ということで2人ずつの3つで同時に行うことになる。

こっちは最初、ふらさん、しゅごくん、みちかさんが行った。

「みんな応援してる!」

すすむくんは元気に言った。

僕が周りを見てみると、1年生が一人足りない。

「れんかさん休みなんだ…。」

独り言のつもりだったが、隣に女の子がやってきて言った。

「そうみたいです。」

「ゆめさん。」

「はい!多分、自分にできることを頑張ってるんだと思いますよ。」

「そうなんですね。」

「はい。」

「ところで、多分、今回が試合前最後の練習試合になると思います。」

「はい!次回に向けて、しっかり楽しみましょう。」


それから試合がはじまる。

最初に目がついたのは、しゅごくんの試合だった。

とても気合いが入ってる。一番最初にこえをあげた。

「僕の思想は大切な人をまもること。何よりも大事。」

相手の人は「なるほど。」と頷く。

「次は僕の番か。僕の考えは嫌いな人。」

「嫌いな人?」

しゅごが疑問に思うと、ふと、1人の男の顔が浮かんでくる。

「そう。嫌いな人。」

「それがどうしたんだ。」

「嫌いな人、それはどんどんと色が濃くなっていく。」
 
頭の中にどんどんと、彼の姿が広がっていく。

「嫌いな人、必ず人には1人以上それが居るだろう。」

「君の頭の中にも、それが現れてるはずだ。」

「あぁ。いるよ。」

「その人が憎くないか?」

「憎い。」

「だが、否定しようものなら、どんどんと広がっていく。君の中で、離れようとしても離れない。」

しゅごは頭をおさえる。

「嫌いなものの顔がそんなに嫌かい?」

だが、しゅごは笑いながら言う。

「いいや。俺には大切な人が居る。」

相手はその様子に驚いた。

「大切なひとが、そいつの影を消してくれる。」

「自分がすることは、嫌いなやつを憎むことじゃない。大切な人を守ることだ。」

「僕の負けだよ…。」

そうして、しゅごくんが勝った。

「彼、凄いですね。」

ゆめさんは笑顔で言う。

「ですね。」

それから、今度は、ふらさんの方をみる。

すると、なんだか、場がかたまり、すすんでないように見えた。

「何かあったんですか?」

「はい…。」

ゆめさんは下を向いて言う。

「何があったんですか?」

確か、ふらさんは昔、試合でとても活躍してた。

「ふらお姉さんはあなたの考えを肯定したいって言ったんです。」

「そして、相手の人は考えをいいました…。」

「考えって…?」

「それは…。」

彼女が言おうとした時、ふらさんの相手のひとが言った。

「特に話すことはないようだね。じゃあ、僕の思想の説明をしよう。」

「はい…。」

「偉人だろうと、頭のいい人間だろうと、言葉を使えば偏見になる。」

「はい…。」

「言葉自体が偏見であるのだ。石を見て綺麗だと思う。ただの石だと思う。」

「それも、ただ、一方向からしか見てないただの偏見だ。」

「そうなんですね…。」

「あぁ。学問も、物事を、1つの側面でしか見ていない。この世は偏見で、できている。」

僕は思う。

「なるほど…。」

彼の考えを肯定していいのか、はたまたいけないのか。それが分からない。

彼はただ、真剣に自分の考えを主張している。

「私の負けです…」

ふらさんはそう言って戻ってきた。

「ごめんね…。」

ゆめさんにそう言った。

「大丈夫です!頑張りましたね!」

「ゆめちゃん、ありがとう。」

「いえいえ、ふらお姉ちゃん!」

それから対戦は続いて、5戦行われる。

3勝2敗でなんとか勝つことができた。

しずくさん、ゆめさんは見ているだけにして、相手の方も1年生が数人居たので丁度良かったらしい。


ゆめさんは言った。

「私も協力できたら…」

ふらさんは彼女を慰める。

「ありがとう。1年生さんだし、今は、みんなを見ることが大事なのかも…。」

「なるほど!ありがとうございます!これから、頑張りますね!」

「うんっ!」

最後に、顧問の先生はみんなを集め「頑張ったね!」と言った。
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