思想学部

ケーキ

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三年生

試合Ⅲ⑥

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「しかし、俺がいない間にあの学校も変わったな。」

「何が?」

「随分、お前たちの思想学部に毒されたみたいじゃないか。」

「さっき対戦してたやつが生徒会長で、にわのもそう、思想学部に入った。

終わってるな。」

「学校を去ったあなたにどうと言われる筋合いはないと思うよ。」

「それに、私はもう、あの子なら大丈夫、任せられるって信じてるから。」

「どうだかな。自分のことしか考えてないやつが、上手くやれるとは思えねえ。」

「それはどうかしら。」

「そんな話はどうでもいい。さっさと始めようぜ。」

「分かった。」

「俺から言う。仲間を大切にすること。

それが一番大事だ。」

にわのは頷く。

「私の考えは向き合うこと。」


一方、会場では、一人の男が真剣に様子を見ていた。

「失敗だったか‥しかし、まだ可能性はある。すいぞうなら‥。」

そして、ふと、会場を見渡す。

一人の男の前でとまる。

「あれは‥知ってる。弟のやつか‥。」

「そうだ‥いい事を思いついた。」

男は「はははっ。」と小さく笑うと彼の方へあるき出した。


「元生徒会長か‥。」

男は昔のことを思い出す。

三回戦目、試合は見てなかったが、他の人に話は聞いた。


「あなた、考えはないらしいね。」

「あぁ。ないよ。」

「分かった。私だけ話すよ。」



「もうないかな?」

相手は何も言わなかった。

それから、同じ学校の人に止められ、彼女の勝ちになったらしい。

どんなことを言ってたのか聞けなかった‥。

すると、一人の男が話しかけてきた。

「久しぶりだな。」

「その声‥。」

「ひていだよ。覚えてるだろ?」

「うん。覚えてる。最低なやつだった。」

「酷いなあ。これを聞いても、俺が最低なやつだって言えるか?」

「話は聞かないよ。君の話は信用できないから。」

そのまま行こうとすると、ひていは話す。

「お前のお姉ちゃんのこと、守りたくないのか?」

「なんの話?」

「はははっ。部長に騙されてるんだよ。」

「はっきり教えて。」

「俺があいつをいじめてた理由は、部長に命令されてだ。」

しかし、それ以上は聞かず、そのまま行ってしまう。

ひていはつぶやく。

「楽しくなってきたなあ。」


「次は説明か。まぁ、言わずもがなだが、仲間を大事にできねえやつはダメだ。」

「にわの、今度はお前の説明を頼む。」

「あなたの説明はそれだけでいいのね?」

「あぁ。」

「私は困ってる人と向き合う。一人一人。」

「本当にできるのかよ。」

「全員だったらできないかも‥。だから、私の中にその基準は決めてる。」

「そうか。にわののことに興味はない。俺に勝ちを譲ったほうがいいんじゃないか?」

「これから話し合うのに、自信がないの?」

「は?」

「どんな理由があっても、私には、今、あなたと話さないといけないといけないことがあるから。」

「それが思想学部に入った理由でもあるから。」

「なんだよ、それ。」

「じゃあ、率直に聞くね。どうして生徒会に入ったの?」

「仲間のためだ。」

「仲間って、あなた達の思想学部?」

「あぁ、そうだよ。仲間はお前たちじゃなく、リベシンの思想学部だ。」

「生徒会に入る前、仲間って言ってたよね。あれもそうなの?」

「当たり前じゃないか。昔のこと言ってなんなんだよ。」

「いいえ、ただ知りたかっただけ。」

「しかし、なんでお前とか、かわいいとか言ってたやつが生徒会長になれて、おれがなれなかったんだよ。」

「意味が分からねえ。」

「その質問に答えるね、あなたの言葉は良かった。」

「当たり前だろ。お前らより絶対いいことを言ってる。」

「だけど、それだけじゃきっとダメなの。

気持ちだけじゃ。」

「何が必要だって言うんだ」

「それを実行しようとする行動。自分でも本当にしたいって、心の底から思わなきゃいけない。」

「言葉だけじゃなく、きっと頑張ってるって姿を見てはじめてあなたなら任せられるって思ってくれるんだと思う。」 

「だから、私は行動する。今、あなたと向き合う。」

「なんなんだよ‥お前は。生徒会長だったからって偉そうに言うなよ。」

「偉そうに見えたなら、ごめんなさい。」

「こんなことで謝るようなら、にわのは、生徒会長に向かなかったんじゃないか。」

「そうかもね。でも、いい。私は優しいリーダーでありたいと思ってたから‥」

「私の求めてたものは手に入った。」

「そんなことを話したいと思ってきたのか?」

「ううん。これから話すよ。ごめんね、長くなってしまって。」

「いいから、話してくれ。」

「すいぞうくん、苦しんでいない?」

「苦しむ、なんのことだよ。」
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